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The Value Proposition スウォッチ スキン クラシック 

薄くて、プラスチック製、それでいて楽しさ満載である。

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おそらく起きている時間の半分以上は優に、腕時計の考察や研究、観察に費やしていることからくる症状かと思われますが、僕は時々、自分の手首になるべく控えめなものを求めてしまいます。これみよがしな腕時計ではなく、“時計っぽい”何か、とでも言うべきでしょう。そうは言ってもやはり時刻は知りたいし、自分の手首をじっと見下ろす楽しみも捨て難い。だけど僕が求めているのは、そう、もっとささやかなものなのです。そんなむずがゆさを感じたとき、かゆいところに手が届くドンピシャの1本がありました。それがスウォッチのスキン クラシックです。それはもはや“アンチ時計”ともいえる代物であり、これを紹介するということは時計学に傾倒する人にケンカを売るようなものでしょう。だからこそ僕も、この1本が史上最高にデザインのきいた小さな逸品であると思う理由について、議論のしがいがあるというものです。

私の友人の、使いこまれたスウォッチ スキン クラシック 。

僕が初めて スウォッチ スキン クラシック を知ったのは、数年前のこと。ある友人が、その1本をしばらくの間、これみよがしに身に着けていいました(当の本人なら自覚があるはずです)。実際、そんなふうに見えたのです。その透明のケースには擦り傷がついていて、ひび割れしている箇所すらありました。文字盤の赤い針も、新品の頃の鮮やかさは残っていないように見えたし、ブレスレットにもかなりの汚れが付着しているようでした。だけどおかしなことに、普段プラスチック製品とは付き合いのない僕からすると、その時計がなおさらクールに見えたのです。小ぶりな1本が年を重ねていくその過程で、厳粛さをその身に加算しているようにも思えたぐらいです。それは上品なオーダーメイドのスーツや洒落たスウェードのジャケットと組み合わされることが多かったが、それも僕の目にはよりいっそう魅力的に映りました。僕は、そういう気のきいたギャップに目がない人間なのです。

透明のケースと黒の文字盤がクリアなコントラストを生み出しています。

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ところで、このスキン クラシックと、スウォッチのより新しい スキンモデルを一緒にしてもらっては困ります。後者は41mmとケースがはるかに大きく、サイズがまるで異なるものです。悪くはないが、より小ぶりなSkin Classicモデルほどの品格は感じられないというのが正直なところです。スキン クラシックは、厚さわずか3.9mmの洗練されたプラスチックケースに収められた、幅34mmの時計です。とはいえ実際は、その数値以上の存在感を持っています。35mmの時計と同じくらいでしょうか。だから、“小さすぎる”だなんてパニックにならないで欲しい。30mの防水機能もついているので、夏に泳ぎに行くのも問題ないでしょう。ケースは透明もしくはソリッドカラー、ベルトはゴム製のストラップか金属製のブレスレット、そして文字盤の種類も豊富にそろっています。こうしたオプションは定期的に更新されるものだが、私は気付いてしまいました。ここ数年間、クラシックモデルの多くは、ほとんど変化が見られないのです。スウォッチのコレクションの中でも、より量産型のモデルとまったく同等にリデザインされているようには思えません。あくまで私個人の純粋な憶測ではありますが。

スウォッチの スキン クラシック スカイネット。

スウォッチの スキン クラシック  ブラッククラッシネス。

 スウォッチの スキン クラシック  ホワイトクラッシネス。 

個人的に大好物なのが、透明ケースのモデル。あの視覚的効果は、機械式時計では決して得られるものではない(全面サファイアクリスタルの高級時計を選ばない限りは。もしそのつもりなら、それはそれで結構ですが)。透明ゆえに時計全体がそこにむき出しになっているような印象がより強調されるように僕には思えます。そうそう、時計の下に生えている、その手首の毛もきっと見えるでしょう。僕と同じようなタイプなら、非現実的な量ではないとは思いますが。この毛の件については、僕自身は全く気になっていません。もしあなたが気になるというのなら、ソリッドカラーのケースを選べばいいだけ。毛が気になるなんていう理由だけで、僕はあなたを仲間から失いたくはないのです。

何はともあれ、こちらがクォーツ式のスウォッチ。クォーツ時計とはいえ、機械が作動するさまを見ることができます。

厚さはわずか3.9mm。これはものすごい薄さなんです。

加えて、シルバーの色調の文字盤が、非常に際立っているように思えます。ヴィンテージのような魅力を醸しながらも、わざとらしく本格派ぶる様子はみじんも感じさせない。(ロレックスの)エクスプローラー風の数字のインデックスか、セクターダイヤルのようなより異彩を放つデザインをお求めなら、今現在のスキン クラシックのコレクションにかなり多くの素晴らしい選択肢があると僕は考えています。

メッシュのブレスレットはこの上なく快適なうえ、時計全体をうまくまとめています。

さらに、僕なら迷うことなく、この時計にはメッシュのブレスレットを選びます。ゴム製のベルトの方が断然スウォッチらしいし、そこにこだわりたい人もいるでしょう。それでも、クラシックに付随するメッシュのブレスレットはとんでもなく着け心地が良く、僕などはすべての腕時計にこれを装着できたらいいのにと思わずにいられない程です。非常に薄く、順応性も抜群で、身に着けるのが楽しいとしか思えないのですが、その上、このブレスレットが透明のケースおよびシルバーの色調の文字盤と組み合わされると、全体がモノクローム風の印象となり、まさに僕好み。

このスカイネットは僕にとって今や週末の定番の1本となりました。

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そして2018年の12月、僕はついにスキン クラシックを手に入れました。それはホディンキーの10周年イベントが終わってからわずか1時間かそこらのことで、そのちょっとした記念として自分用に購入したというわけです。僕が選んだのはスカイネットモデル。それ以来、私はそれをしょっちゅう身に着けていました。1週や2週にわたって毎日着用することさえありました。このスカイネットを腕にはめてホディンキーのさまざまなイベントに顔を出したり、れっきとしたマニュファクチュールを訪れたときの、人々のあの表情を、皆さんにもぜひ見て欲しい。この1本は、まさにプライスレスなのです。腕時計に興味を持つことは純粋に楽しいし、値段だって手頃なものもある。そのことを人々に気付いてもらえるように、僕はこれからも、自分の姿をさらけ出していこうと思います。

そんなわけで、これが僕にとって、この企画の最後の記事になるかもしれません。そんな渾身の1本を得るために、あなたがすべきことはただひとつ。125ドル(約1万3000円・当時)(ラバーストラップのモデルを選ぶのなら110ドル〈約1万1500円・当時〉)を支払うだけ。大半の高級腕時計のストラップよりも安いです。しかもこちらは腕時計1本丸ごとゲットできてしまう。それに経験上、スウォッチの店舗は親しみやすく、時計を買おうという人々で賑わっています。そんなところも気に入っているのです。それは、店にもそれなりに利点があるでしょう。思うに、腕時計業界の中でもより伝統のある高級な部類のブランドは、スウォッチが採用しているような、現実的かつ顧客を中心としたアプローチから学べることが多いのではないでしょうか。支払いが125ドルだろうか12万5000ドルだろうが、腕時計を買うなら楽しくなくちゃ。そうでしょ?

デザイン豊富なスキン クラシックは、選ぶ贅沢を与えてくれます。 

だから次回、スウォッチの店舗を通りかかったら(あなたが少しでも僕と似たタイプなら、今から48時間かそこらのうちに、ほぼ確実にその時が訪れるでしょう)、ふらりとそこへ飛び込んで、スキン クラシックを出してもらうといい。そしてそれを試着し、どんな思いが込み上げるのか確認してみて欲しいのです。あなた方のような疑り深い人たちでさえも、あの魅惑のフレーズの餌食となってしまうかもしれないから。「レス・イズ・モア(Less is more)」。そう、「小さいほうが、より豊かだ」と。

詳細についてはSwatch公式サイトへ。