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クイック解説
2019年11月にリリースされたジョルジオ・ガリ S1 オートマチックは、タイメックスの最新フラッグシップモデルである。タイメックスが同グループのデザインディレクターであるジョルジオ ・ガリとの数十年にわたる関係を記念した新シリーズの第一号モデルとなるS1は、モダンで控えめな印象で、これまでのタイメックス・ウォッチとは一線を画すステップアップモデルといえる。同ブランド既存商品の通常価格帯の一歩上に設定されたS1は、とても落ち着きのあるベーシックなデザインで、165年の歴史を誇るこのブランドにとっては大胆なチェンジを行った、全く新しい控えめなモデルだ。
ファースト・インプレッション
S1は、金属粉末射出成型法で製造した直径41mmの316Lステンレススティールケースに自動巻きムーブメントを搭載しており、タイメックスいわく、同社がこれまでに製造した時計で「最もタイメックスらしい」時計だという。僕にとってのタイメックスは、1992年に最初に手にしたアイアンマン インディグロで、それはこれからも変わることはないが、S1はタイメックスの強みを全体的に生かした、クラシックかつ時代を超越したデザインであると認めよう。表面にドーム型のミネラルクリスタルガラスを、裏面にディスプレイケースをまとったジョルジオ・ガリ S1はMiyota9093自動巻きムーブメントで駆動。この9093の振動数は2万8800振動/時(4Hz)、パワーリザーブは42時間で、巻き上げローター用の特殊デザインに対応するために改修が加えられている(下記参照)。
S1は50mまでの防水仕様で、合成ラバー製ストラップがこの時計にモダンで控えめな印象を与えている。実際、S1の個性を主張するデザインは数ヵ所の小さな装飾のみだ。まず第一にケースサイドの切り抜き加工、次に6時のインデックス上部にあしらわれたレッドサファイア(アプライド)だ。このぽつんと置かれたカラーストーンが見る者の興味をそそり、立体感と軽快感を醸し出し、S1の印象を堅苦しすぎないものにしている。この石がなかったら、時計がモノクロのみで単調になっていただろう。
ジョルジオ・ガリのデザインによる新シリーズである本機に、タイメックスが設定した希望小売価格は約450ドル(約5万円)だ。僕はこの価格を最初に見たとき、タイメックスにしてはちょっと高めに感じて驚きを隠せなかった。しかし、タイメックスが普段とは違った時計をリリースし、同社ハイエンド商品のラインナップを拡大して、中堅レベルの消費ニーズを取り込もうと常に躍起になっているセイコー、ハミルトン、ヴィクトリノックスなどのブランドと競争するのはうなずける。
というのも、これらのブランドが発売している同レベルのオートマチックウォッチはどれもS1よりも手頃ではない(少なくともそれ以上の値段はする)し、S1はファンを多く抱えるタイメックス マーリンよりもワンランク上に位置付けられる時計であることは間違いないからである。コンセプトとしては同じなのだが、腕への着け心地がよりよく感じる。
基本情報
ブランド:タイメックス(Timex)
モデル名:ジョルジオ・ガリ S1 オートマチック(Giorgio Galli S1 Automatic)
型番:TW2U16800
直径:41mm
ケース素材:金属粉末射出成型法 316Lステンレススティールケース
文字盤色:シルバー
インデックス:アプライド
防水性能:50m
ストラップ/ブレスレット:合成ラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー:Miyota 9039
機構:時、分、秒表示
直径:25.4mm
パワーリザーブ:42時間
巻き上げ方式:自動巻き
振動数:2万8800振動/時
石数:24
価格・発売時期
価格:450ドル(約5万円)
販売時期:Timex.comにて即時発売開始
詳細についてはタイメックス公式サイトへ。
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