trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

時計の売買だけで生計を立てる幸運な人物にインタビュー

中古品がどのようにしてCrown & Caliberに掲載されるのか不思議に思ったことはないだろうか? その責任者に話を聞いてみた。時計バイヤーのマーク・ハックマン氏だ。

ADVERTISEMENT

HODINKEEの向こう側、通称Crown & Caliber(以下C&C)には、マーク・ハックマンという人気のユーチューバーがいる。YouTubeで隠れた名品を紹介していないときは、C&Cのバイヤーとして夢のような生活を送りながら、最高級の在庫を選んでいる。今回は、マーク氏がC&Cに入社した経緯や、今注目している時計などについてお話を伺った。

コール・ペニントン: 時計への興味はどこから始まりましたか? 虜になった瞬間を教えてください。

マーク・ハックマン: 子供の頃、親父にロン・ジョン・サーフ・ショップのフリースタイルシャークを買ってくれとせがんだときから時計をつけています。父はいつもG-SHOCKを身につけていて、私はそれだけで時計の世界を知っていたのです。20代前半の頃、妻が亡き父の時計をサプライズでプレゼントしてくれました。1964年製のブラックベゼルのロレックス GMTマスター 1675です。当時、私が知っていたのは、それがロレックスであるということだけだったので、この時計についてできる限りのことを調べ始めました。2007年のことですから、情報を得るのは少し難しかったですね。その過程で私が得たものは、時計への愛と、時計が歴史、工学、芸術といかに交わるのかということでした。夢中になりましたよ。

あなたは今、Crown & Caliberのバイヤーとなっていますが、その経緯は?

 中古時計の買い取りを専門的に経験している人は、世界的に見ても非常に少ないと思います。私はずっと時計業界で働きたいと思っていたので、Crown & Caliberのことを知ってすぐに、自分に合いそうなポジションに目をつけました。当社には、私にチャンスを与え、面接の機会を与えてくれた素晴らしい人事部のシニアディレクターがいます。それ以来、私は幸運にもYouTubeチャンネルで私の時計への情熱の一部を伝えることができるようにもなりました。

あなたの個人的なコレクションには何がありますか?

 私と妻は共に時計を愛し、共有しているので、公平を期すためには私たちのすべての時計を含めなければなりませんね。彼女の父親が使っていたロレックスのGMTマスター、普段使いに最適なオメガのアクアテラ、オメガのスピードマスター 38(過小評価されているスピードマスター・ライン)、ブロンズのオリス ビッグクラウン ポインターデイト 80周年記念モデル、ノモスのテトラ ナイチンゲール、ブライトリングのトップタイム「ゾロ」、スティール製のオメガ デ・ヴィル ジャンピング アワー、ジョン・メイヤーのHODINKEE G-SHOCK、ファーラーのエルドリッジ、そして私が普段使いしているのはワイスのスタンダードイシュー フィールドウォッチです。

 なかでも特に隠れた名品と言えるのが、わずか1年しか発売されなかった、オメガが唯一作ったジャンピングアワーウォッチです。

誰もが時計にまつわる "うしろめたい楽しみ "を持っています。あなたが大好きなウブロの面白いデニムダイヤルについてはすでに知っていますが、他には?

 あのデニムのウブロは、実物を見るとその素晴らしさに驚かされます。ジョン・メイヤーのようなコレクションにもまったく違和感なく溶け込むのではないかと思います。変わり種で言えば、フルサファイアのウブロは見ていて楽しいし、遊び心もあると思いますが、自分のために買う「罪悪感」のある時計は、オメガのプロプロフです。 今の時代に作られる理由がありませんからね。より深い水深に対応した、もっと身につけやすい時計もありますが、プロプロフのような奇妙な大きなスティールの塊のような外観をしたものはなく、これを愛さないわけにはいかないです。

今私は60年代、70年代のスキンダイバーに夢中です。あなたが今、ハマっているコレクションは?

 オメガの時計をいくつか所有していますが、理想的なコレクションとして、バラエティは人生のスパイスだと思っています。時計の箱のなかを見ると、様々な形、色、バンド、ブランド、スタイル、そして複雑機構を見ることができます。コレクターには、ブラックフェイスのダイバーズウォッチを片っ端から買っていく人がいますが、私にはちょっと理解できないですね。時計は身につけるものであり、コレクションを見て、10個の似たような時計のなかから今日身につけるものを選ぶことに楽しみを感じないからです。

 しかし、私が好きな時計の世界のニッチな部分を挙げるとすれば、ジャンピングアワーの時計です。誰かが作るたびに違った印象を受けます。カルティエのタンク アギシェのようなブルータリズム的ものもあれば、ジェラルド・ジェンタ レトロファンタジー ジャンピングアワー ミッキーマウスのような面白いものもあります。

時計を買うときの面白いエピソードを教えてください。

 残念なことに、私の時計購入のほとんどはコロナ禍でのものです。そのためあまりユーモアがありませんでした。しかし、私が一番好きなのは、今まで知らなかった時計を発見することです。我々のショップにはたくさんの時計が入荷しますが、例えばロレックスのターノグラフの緑の針を備えたモデルは、アジア市場向けにのみ作られた限定品であることがわかります。オメガのジャンピングアワーは、日本のディーラーで見つけてひと目惚れしました。Crown & Caliberで購入できなかったときは、それから数ヵ月かけて自分のコレクションにふさわしいものを探しています。

バイヤーたちが時計をどのようにして購入するのか、ほとんどの人は知らないのではないでしょうか。時計はどこから来るのでしょう?

 ほとんどの時計は、不要になった時計や下取りに出したい時計を個人が売ってくれたものです。また、卸売り業者や展示会で購入した時計も在庫として補充しています。いずれにしても、買取チームは、時計の状態、箱や書類の有無、過去の販売実績、現在の市場の状況などを見て、適正な価格を提示します。

 社内に時計が届くと、サービスが必要かどうか、以前は知られていなかった欠陥があるかどうかをテストします。その後、最終的なオファーがお客様に送られ、受け入れられればその時計の代金を支払い、断られればその時計をお客様に返送することになります。この仕事では、現在の市場をよく理解し、どんな新しい時計が出るのか、あるいは製造中止になるのか、それが市場にどのような影響を与えるのかを理解する必要があります。もともと時計を見たり調べたりするのが好きだった私のような人間にはぴったりの仕事です。

Crown & Caliberのために調達するとしたら、どんな時計がワクワクしますか?

 カルティエのタンク スケルトンを手に入れることができたのはとてもよかったし、いつかロトンド ドゥ カルティエ ミステリアスアワー スケルトンを手に入れたいと思っています。しかし、私のなかの聖杯は、ヴァシュロン・コンスタンタンのメティエ・ダール・エレガンス・サルトリアルで、特にヘリンボーン模様のもの(1400U/000R-B159)ですね。長いあいだ、私の聖杯なのですが、いまだに実物を見たことがありません。もしかしたら、「自分のヒーローに会ってはいけない」というもののひとつで、期待に応えられないかもしれませんが、いつか調達したいと思っています。

最後に、皆さんに知っておいて欲しい自分のこと、例えば隠れた才能があったりしたら教えてください。マークさん、ありがとうございました!

 正直なところ、私は自分の夢を実現しているただの時計オタクですよ。

HODINKEEカプセルコレクションは、Crown & Caliberで販売しています。