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Retailer Spotlight トンプキンス水戸・佐野 ニューヨーク・マンハッタン スクエア パークのような憩いの場をめざす時計店

モダンでスタイリッシュな外装デザインに、自然光が降り注ぐ広々とした内部空間、そして世界の一流ブランドが集結する北関東最大級の品揃え。時計好きなら誰もが遊びに訪れたくなる郊外型時計店、それが「トンプキンス」だ。

米国ニューヨークに実在する「トンプキンス スクエア パーク」は、ライフスタイルも価値観も異なる多様な人々が集う、マンハッタンの憩いの場。街の人々に元気と癒しを与えてきたこの公園のように、多くの時計愛好家が集い、気軽に遊びに行きたくなる憩いの場をめざして、2004年に誕生した新スタイルの大型時計店が「トンプキンス」である。現在は栃木県佐野と茨城県水戸に2店舗を展開しており、公園にたたずむ美術館をイメージした雰囲気たっぷりの店舗には、いつも明るいやすらぎの空間が広がっている。

 4代目にあたる現社長の塚田和克氏が1965年に生まれたとき、すでに創業者の祖父・塚田初太郎氏は他界しており、2代目社長の父・塚田宏司氏から「1931年に栃木で国産時計の修理業を始めた」としか聞かされていない。そのころは「時計修理はありますか?」と家々を訪ね歩かないと仕事が得られず、1955年に家業を継いだ父親はそれが苦手で、「お店を出さないとだめだ」と心に誓ったという。だが、実際に時計店を開いても、それだけでは食べていけず、地元の大手時計店から修理の仕事を回してもらった。当時の下請けとしての苦労が、やがて「お店を大きくしたい」という強い思いにつながっていく。

昭和20年代の「塚田時計店」。

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2004年、オープン時のトンプキンス佐野店。

 1985年に「ツカダ佐野店」、1995年には「ツカダ足利店」をオープンし、「お店を大きくしたい」という塚田家の夢は徐々に現実になっていった。2000年代に入ると、大きな転機が訪れる。栃木県佐野に絶好の土地が見つかり、それから2、3年のあいだ、どんな新店舗をつくるべきか、3代目社長の叔父・塚田守弘氏を含め経営陣は激しく意見をぶつけ合った。結局、当時専務だった和克氏が主導する形で、2004年に完成したのが「トンプキンス佐野」である。

 国産時計が中心の「ツカダ」に対し、「トンプキンス」は初めて舶来時計を扱う正規販売店だった。美術館のような建物のなかに、世界中からセレクトした人気ブランドの世界観を大きなキャンバスに描くように配し、ゲストたちに“非日常”を味わってもらうという斬新なコンセプトが話題を呼んだ。2006年に和克氏が4代目社長に就任すると、その翌年には佐野店と同じコンセプトで、さらに3割ほど売り場面積の大きい「トンプキンス水戸」をオープンさせる。

2007年12月にトンプキンス水戸がオープン。

 だが、トンプキンス水戸がオープンした翌年、リーマンショックで売り上げが激減。その2年半後には、東日本大震災が発生した。激しい揺れがトンプキンス水戸を襲い、直径1mを超える大型シャンデリアが3つとも落下、スタッフ用の階段も抜け落ちた。幸い全員が無事だったのと、こういうときほど早く復旧すべきだと奮起して、1週間後にはお店を再開。「すると、心配してお客様がわざわざ来店くださったり、各ブランドの担当者が続々と応援にかけつけてくれました。苦しいときでしたから、本当に励みになりましたね」と塚田和克社長。そして「こうした苦難を乗り越えることで、スタッフたちの団結力はいっそう強くなったと思います」と続けた。

 聞けば、経営理念は「人をつくり人につくす」こと。どんなに建物が素晴らしく、人気ブランドを揃えても、働くスタッフたちから自然と生まれる和やかな空気感や、思いやりのある接客がなければ店舗に血は通わない。「お客様に温かな気持ちになっていただくには、スタッフの力が必要です。たとえば、どの正規店で購入しても時計としては同じ正規品です。だからこそ、“トンプキンスの〇〇さんから買いたい”というお客様のひとことが、最高の誉め言葉だと思っています」と塚田和克社長は言う。

 北関東随一の強力な取扱いブランドもトンプキンスの魅力だ。トンプキンス水戸のロレックス、カルティエ、オメガ、タグ・ホイヤー、IWC、パネライ、ブライトリング、シャネルは茨城県で唯一の正規取扱いであり、またトンプキンス佐野でも栃木県唯一のカルティエ、IWC、シャネルのほか、ロレックス、オメガ、タグ・ホイヤー、ブライトリングなどのビッグネームをそろえている。高速道路ICから約5分というアクセス良好な立地に加え、無料駐車場完備ということもあり、県内はもちろん、隣接の県外など遠路からの来店が多いのもうなづける。

 また、時計修理で創業した時計店だけに、メンテナンスを重視する姿勢は現在のトンプキンスにも受け継がれており、いまでも「ツカダ」には時計技術者が多く在籍している。正規メーカー修理が前提となるビッグブランドでも、店頭スタッフにメンテナンス知識があるかどうかで、ユーザーの安心感は大きく違う。“トンプキンスの〇〇さんに修理を任せたい”、そんな気にさせるお店で一生モノの時計と出会うことは、時計愛好家にとって何よりの幸運となるはずだ。

【トンプキンス水戸】

■住所:茨城県水戸市内原1-175
■TEL:029-257-5888
■営業:11:00~20:00 ※無休

【トンプキンス佐野】

■住所:栃木県佐野市高萩町42-1
■TEL:0283-22-5550
■営業:11:00~20:00 ※無休

詳細は、トンプキンス公式サイトへ。

Words: Takahiro Ono