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大晦日の夜、当時世界で最も長く君臨していたデンマークのマルグレーテ2世女王陛下が王位を退位し、息子のフレデリック皇太子(当時)に王位を譲る準備をしていたことで、祖国(そして君主制に続く世界中の国々)に衝撃を与えた。先週末、その手続きがついに行われ、フレデリック10世が王位を継承した。いくつかの簡単な手続きのあと、フレデリック王はクリスチャンスボー城のバルコニーに登場し、その時計センスを披露した。
フレデリック王は魅力的な人生を送ってきた。彼はスポーツマンであり、国際オリンピック委員会の元メンバーでもあり、船乗りでもあり、またデンマーク王立海軍とデンマーク王立陸軍に従軍した経験も持つ。さらに1995年、フレデリック王はデンマークの精鋭特殊部隊でフロッグマンとしての訓練を修了している。あるとき、フレデリック王は部隊から“ユニットウォッチ”であるシーマスター 300Mを与えられ、それが彼のお気に入りの時計になったようだ。軍人的ユーモアと無縁ではなかったフレデリック王は、ウェットスーツに水が入ったあとペンギンのようによちよち歩いたことから、“ピンゴ”というニックネームがつけられた(彼の仲間は今でも王をそう呼べるのだろうか)。
フォーラムに投稿された写真(どこから出てきたのかわからない)によると、フロッグマン中隊のシーマスターはカスタムされたマットダイヤルとベゼル、サテン仕上げが施され、裏蓋にはユニットの記章(王冠)が刻印されている。私が最初にこの時計を知ったWatches of Espionageによると、現メンバーと元メンバーはオメガからこれを購入することができるそうだ。実際、このデザインの時計(裏蓋は異なるが)は、米海軍特殊部隊(Navy SEALs)、米シークレットサービス(U.S.Secret Service)、そして無名の米特殊部隊で入手可能だ。つまり、とても感情的なその日のために、彼にとって大きな意味を持つ時計を選んだのは当然のことなのだ。
確かに、そのような時計はブレスレットで身につけていれば、デンマークの軍服と合わせても気づかれないかもしれないが、NATOだとどうなる? それが気づかれないわけがないだろう。率直に言って、私は“何を持ってドレスウォッチとするか”とか、“もしあるとすれば、どのような時計がこの服装に合うか”という決めつけを、煩わしく、退屈で、時代遅れの議論のひとつだと思っている。だからこそ自分の気に入った時計を選んだ国王に大きな賛辞を贈りたい。彼がストラップを変えたようにも見えないが、ただWOE(Watches of Espionage)が数年前に、彼が同じNATOストラップと思われる時計をつけている写真も公開している。シーマスター万歳、そして国王万歳!
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