ようこそ、Watches in the Wild パリ編へ。メンズファッションウィーク期間中、私は友人(新旧)と会い、ファッションショーに参加し、博物館を訪れ、ヴィンテージ時計店を探索するひとときを過ごした。すべて取材という名目(!)で自分の確信がさらに固まった。ファッションと時計の世界は互いに交わることができるし、現にそうなっていることを。
パリはスタイリスト、またエディターとしての私の人生に大きな役割を果たしてきた。写真撮影、ファッションショー、マーケットへのアポなど、数え切れないほどパリに出張した。そこで暮らし、学び、生涯の友を作り、ビアホールで数え切れないほどの食事をともにした。(今はないが)コレットで買い物をし、ジョン・ガリアーノが犬を連れてマレ地区を徘徊しているのを目撃し、セーヌ川やサン・マルタン運河のほとりでプラスチックカップで赤ワインを飲み、ナイトクラブの外(そして中)でタバコを吸ったりしたものだ。
当たり前のように聞こえるかもしれないが、パリは(もちろんミラノなどほかの都市も含めて)ファッション業界の中心地である。伝統的な“ワイルド”の定義には当てはまらないが、ファッションと時計の交差点を探求するには最適な地だ。業界の隅々からプロフェッショナルが集い、ショーを見たり、次のシーズンに向けて商品を仕入れたり、数カ月先の編集記事のために新しいアイデアを分析したりするコミュニティハブとしての役割も大きい。しかし何よりも、衝突と収束を繰り返しながら、業界とコミュニティの感覚を維持することが重要なのだ。
今日、ファッションはグローバル産業となった。私たちはモデルがランウェイを歩いたほんの一瞬後に、来シーズンのコレクションやレビューを目にすることができる。しかしショーのために直接パリにいることは、話題性、人間的なつながり、そしてリアルな出会いをもたらしてくれる。
時計とファッションの両方を心から愛する多くの人々に出会えたことに誇りを感じた。例えば極端な現代性の象徴としてのブラックの使用や、イヴ・サン=ローランとジェラルド・ジェンタの類似性など、現地にいなかったら思い付かなかないような類似性を導き出すことができた。
どちらの業界もデザインに対する消費者の欲求と、それに費やされる仕事に対する評価によって繁栄している。私がパリを訪れたことでファッションと時計、そしてそれぞれの世界のクリエイティブなコミュニティが共存し、さらには互いに刺激し合い高め合うことができる方法について、少なくとも何らかの光を当てることができれば幸いだ。
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