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Hands-On H.モーザー ヘリテージ・デュアルタイム ヘリテージラインに追加された初のデュアルタイムモデル

スイスの"アンファン・テリブル"(型破りなブランド)が発表したジュエルトーンのパイロットウォッチ。

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H.モーザーは、スイスのチーズを使った時計ケースや、シリコンバレーのある企業の製品を模倣した時計を作ったり、さらにはスイスの時計メーカーのアイコンを融合させた時計(これは作られなかったが)をデザインしてきたブランドだ。そんなH.モーザーは、多くの競合他社が憧れるような製造能力を持っている。同社は自社でヒゲゼンマイを製造することができるのだ。

 このような芸当をやってのけたのち、H.モーザーが伝統的なデザインの時計を発表するとかえって驚いてしまう。例えば、偉大なコメディ俳優が思いがけず自信に溢れてドラマチックな役に挑戦するようだ。どこがジョークなのかと思われるだろう。

 本日発表されたH.モーザーの新作のヘリテージ・デュアルタイムは、ヴィンテージ/パイロットウォッチの美しさとアラビア数字インデックスで知られるヘリテージラインに登場した。直径42mm×厚さ11.6mmの大型ステンレススティールケースに、テーパーのかかったラグと大きなローレット付きのリューズを備えた本モデルは、20世紀初頭に飛行機のコックピットで着用されていた時計を彷彿とさせるが、そのスタイルは現代的で異質なものとなっている。その要因は主に文字盤にある。サンバースト仕上げを施したバーガンディ フュメダイヤルは、前述の数字のほかに分・秒を表すレイルウェイトラックが印字されている。さらに、透明なラッカーでブランドロゴが描かれているため、ほとんど目立たず、シークレット・サインのようになっているのだ。もちろん、H.モーザーにはロゴのないモデルもあり、漆黒のベンタブラックダイヤルなどが有名だ。

 この時計を基本的にアノニマス(匿名)にしたのは、歴史上人気のある表現を用いたこのデザインにぴったりだと思う。目を閉じて「初期のパイロットウォッチ」を思い浮かべると、この時計のようなものが想像されるだろう。こうした文字盤は、ゼニスを筆頭に、1920年代に時計を製造していた多くのブランドのカタログに掲載されているが、他にもたくさんある。

 このモデルはH.モーザーにとって初めてのデュアルタイムモデルではないが、ヘリテージラインでは初である。航空デザインをルーツとするH.モーザーにとって、第2時間帯を提供することは、美的にも機能的にも理にかなっている。本モデルでは、第2時間帯は中空のグレーの針で表示され、不要な場合はメインの時針の下に収納することができる。日付表示は、予想通りローカル/トラベルの時針と連動しているが、24時間スケールやデイ/ナイトインジケーターがないため、帰国時の時刻が午前なのか午後なのかを知るためには、ホームタイムと旅先の時差を知る必要がある。

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 ケースは大きく、腕に装着したときの安定感がある。そして、大きな夜光インデックスと剣型の針が、視認性の高いインターフェイスを実現している。このような時計は、シンプルなデザインと視認性を重視する大柄な人が日常的に使う時計として最適ではないかと思う。アラビアインデックスは、スーパールミノバを配合したセラミック素材グロボライト®のインサートが入っている。

 ケースサイドには微細なパターンが施されており、見た目の面白さに加えて積層効果によって厚さを感じさせるが、このタイプの時計としてはそれほど厚みがあるわけではない。厚さは11.6mmだ。

 ヘリテージ・デュアルタイムには、同社の新しいムーブメントであるCal.HMC 809が採用されている。このムーブメントには美しい装飾が施されており、時計自体のスポーティで日常使いのしやすさを引き立てる、ケースと同様の頑丈そうな外観を備えている。2万1600振動/時という振動数もその印象を強めているようだ。

 パワーリザーブは3日間。これは、私が自社製ムーブメントを搭載した新しい時計にほぼ必須と考えている品質である。このパワーリザーブの長さは、時計をローテーションさせるのに十分なだと思う。週末に別の時計を着けていたとしても、月曜の朝に十分に巻き上げられた状態のこの時計をまた手に取ることができる。

 グレーのレザーストラップとスティール製のピンバックルが、バーガンディの文字盤を引き立てている。ドレスシャツにセーターを重ね着してリストショットを撮りたくなるような、秋冬らしい雰囲気を醸し出しているようだ。H.モーザーは文字盤にとても気を配っているが、このモデルも例外ではない。

H.モーザー ヘリテージ・デュアルタイム(Ref.8809-1200)。ステンレススティールケース、サンバースト仕上げのバーガンディ フュメダイヤル、クリアラッカー仕上げの透明なH.モーザーロゴ。グレーのクーズーレザーストラップ。42mm x 11.6mm。両面にサファイア風防。グロボライトのアラビア数字インデックス。スーパールミノバが塗布された剣型の針。自社製HMC 809、2万1600振動/時、27石、3日間パワーリザーブ。価格264万円(税込)。今冬入荷予定。

All photos, Glen Allsop.

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さらなる詳細はH.モーザー公式サイトへ。