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VINTAGE WATCHES マイアミビーチで開催されたアンティークショーから見る、マーケットアップデートとトレンドレポート

マイアミで開催された北米最高のヴィンテージウォッチショーを振り返り、その来場者たちとトレンドを語り合う。

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Hodinkee Shopで販売されているヴィンテージウォッチの全セレクションを見るには、ここをクリックしてください。

 さて、今回はまったく違うものをご紹介していく。今週はHODINKEE Shopによる新作ヴィンテージウォッチの紹介はお休みして、北米の時計界で最もホットなイベントのひとつを振り返る。幸いなことに、もしこの記事を読んで素晴らしいヴィンテージウォッチをコレクションに加えたいと考えたなら、私たちは1971年のオメガ シーマスター60 Ref.166.0621997年製ロレックス デイトナRef. 16520(フルセット)などを含む多くの商品を用意できる(※一部は完売)。そして、コレクター、ライター、ディーラーなど展示会を訪れた人たちがマイアミで見たもの、そしてそれが時計界にとってどんな意味を持つのか、話を聞いてみよう。

 オリジナル マイアミ・ビーチ・アンティークショー。ちょっと言いにくい名前だ。経験者に聞いてみると、OMBAS("Ohm-Bas")と呼ぶかもしれないし、単にアンティークショーと略して呼ぶかもしれない。マイアミビーチのコンベンションセンターで5日間にわたって開催されるこの展示会では、美術品や宝石、あらゆる種類の骨董品、そしてここで紹介する理由でもあるヴィンテージウォッチの品揃えが充実している。ベン・クライマーは2013年にこのイベントを取材し、Hodinkeeからは今年もトニー・トレイナが参加し、OMBASの様子をお伝えする。

 今年はトニーが担当したが、私も過去2回のアンティークショーに参加したので、その場の著名人たちはおおよそ把握している。そこで、今回は私がシェルパとなって、数人のヴィンテージウォッチヘッドを頼りに、OMBAS2023がどのようなものであったかをお伝えしたいと思う。経済的な不安や時計の価格変動が続くなか、ベテランディーラーでさえも今回のOMBASはどうなることかと迷いがあったようだ。Menta Watchesのアダム・ゴールデン氏は、2022年のショーは「マーケットが素晴らしかったので、同様に素晴らしかった」と語り、「今回(2023年)のショーについては、その半分か4分の1ほどできれば満足だ」ということだ。

Two vintage watch dealers

Roy & Sacha Davidoff S.A.のロイ・ダビドフ(Roy Davidoff)氏とMenta Watchesのアダム・ゴールデン(Adam Golden)氏(写真提供:Charlie Dunne氏)

 ゴールデン氏にとって、初日(伝統的にショーで最も忙しい日)は「場外ホームランだよ」と言うほどの賑わいで「ショーの残りは本当にボーナスのようなものだった」と嬉しい誤算だったようだ。この結果は、Menta Watchesのブースがこのショーにおけるすべての時計市場の活動を代表していると考えてはいけない。彼にとってもっと重要だったのは、展示会の社交的な側面だ。「多くの人が考えているような悲観的なものではなく、市場が低迷しているという話もあまりなく、みんな本当に熱心だった」と彼は話す。ゴールデン氏は、価格はピークから下がっているかもしれないが、「特にヴィンテージについては、あらゆる価格帯において興味を持って購入する人がまだいる」と熱く語った。

 Menta Watchesのジョーダン・アルコレア(Jordan Alcolea)氏は、「グローネフェルド(Gronefelds)やアクリヴィア(Akrivia)もブースまで来てくれて、本当にクールでした」と、ショーの出展者の熱意とその見せ方に感心していた。これこそがOMBASの特徴であり、このような独立系ブランドの時計を目にすることは滅多にない。また、アルコレア氏が指摘するように、これだけにとどまらず、「カルティエのクラッシュを身につけて歩いている人もいたし、イヴ・クラインの青い文字盤のゴールド製AP ロイヤル オークも目立っていました」

A Cartier Crash on the wrist

1991年カルティエのパリ・クラッシュ。

 Menta WatchesはWind Vintageと同じブースをコンベンションセンターの後方で共有した。このエリアは、イベント期間中、時計関係者のたまり場となるところだ。その一人、大胆不敵な調査レポーターであるトニー・トレイナは、注目のヴィンテージウォッチが取引されるのを目の当たりにした。それは、ロレックス Ref.6238のブラックダイヤル、チューダー サブマリーナー(マリーン ナショナーレとカナダ海軍のための)、ティファニーサイン入り1016などだ。ブレゲのトゥールビヨン、パテック、ヴァシュロン、APのパーペチュアルカレンダー、初期のパルミジャーニなど、ネオ・ヴィンテージの盛り上がりも感じたとトニーは話していた。彼にその週のお気に入りのやりとりのひとつを説明してもらうことにしよう。「私があるディーラーと話しているあいだ、年配のイタリア人紳士とコレクターが、ストーンダイヤルの豪華なピアジェのトリオと、私が今まで見たなかで最も豪華な様々なブレスレットを見せにやってきたのです。ヴィンテージ・ピアジェ - みなさん、初めて聞いたワードだろう。

 コレクター、ディーラー、バイヤー、セラー間の会話で常に出てくる要素があるとすれば、それはコンディションである。ショーケースのうしろにいたマックス・ブラウン氏は、Wind Vintageチームのアシスタントを務め、ほぼケースが無傷のロレックス GMTマスター Ref. 6542はで、75~80回はケースから取り出したが、「軽くポリッシュされたデイデイトなどは、おそらく2回程度しか出さなかった」と話した。

A vintage Rolex GMT-Master

ほぼケースが無傷のロレックス GMTマスターRef.6542。

 ドレスウォッチとスポーツウォッチの対決はここ数年、伝統的なスポーツウォッチが主流となり、ほぼ決着がついた。しかし、その一方で、真に特別なドレスウォッチを求めるコレクターも増えている。Saga Trading Co.のスキップ・パウエル(Skip Powell)氏は「小型のドレスウォッチに動きがあり、パテックのカラトラバ、ブレゲ、JLC、そして小型のタイムオンリー APの人気が高まっている」と見る。スポーツウォッチでも、コレクターたちは貴金属モデルを狙っているとパウエル氏は考え、「ゴールドのロレックス Ref.1675sとRef.1680sは、メーターファーストの個体は6桁近くまで価格が上昇している」と述べた。

 アンティークショーの時計は、もちろんMenta/Windのコーナーだけではない。超敏腕コレクターであるケビン・オーデル(Kevin O'Dell)氏は「Matt Bainのブースには、パテック カラトラバから非常に珍しいカルティエや奇妙な小型クロックまで、質の高い時計がたくさんあったよ」と話す。あの黒い文字盤のRef.6238を覚えているだろうか? Bainはショーの初日にそれを購入していた。一方、ケビン氏はイタリアのコレクターが持っていたパテックフィリップのRef.3970s(すべての金属と文字盤)のフルセットによだれを垂らしていた(文字通りではないことを祈る)。素晴らしい時計を見るだけでなく、ショー全体の熱気にケビン氏は感激していた。「マーケットではなく、時計とコミュニティの熱気がすごい」。オンライン上でのやりとりが活発なこの趣味の世界において、オーデル氏は「インスタグラムで知っていた多くの人に初めて会えたこと、毎晩10~15人とのディナーがあったこと、ショー全体が非常にコミュニティ主導型だったこと」が嬉しかったそうだ。

The Original Miami Beach Antique Show

OMBASの "ヴィンテージウォッチコーナー"。

 この記事を書くために意見をまとめるとき、私はケビン氏に話を聞くようにした。彼は「元来、悲観的な性格だ」というので、たとえ他の人が肯定的でも彼には本音が聞けると思ったのだ。そのケビン氏が、「売れ行きが落ちているのを見て、とても驚いた」と、ショーの売れ行きを肯定的に捉えていたのだから、私の驚きは想像できるだろう。コレクターである彼は「ここなら何か掘り出し物があるだろうと期待していたが、時計は1つも買わなかった 」というのだ。

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