Introducing 1970年代のアクアスター　ベンソスダイバーズが復活

　ベンソス H1（H1は“ヘリテージチャプター1”の略）が持つステンレススティールケースのサイズは、42mm径×16mm厚（ラグからラグまで47mm）。この分厚いトノーケースはオリジナルのベンソス 500と同様、500m防水を実現。これは70年代までの、アメリカ海軍の潜水マニュアルで承認されていたほどの高い防水性である。逆回転防止ダイビングベゼルには黒いセラミック製インサートをセット。文字盤も半光沢（セミグロス）の黒で、ブロック状のインデックス、針、オレンジの大きな秒針が付いていて、どれも70年代を感じさせる。ベンソス H1は、時代にふさわしいイソフレーン（ISOfrane）社のラバーストラップを装着している。

　初代ベンソスはクロノグラフを搭載していたが、新型H1はETA 2824-2を搭載したシンプルな3針モデルだ。ETAの精巧な“エラボレ”（ETA製の非クロノメーターキャリバーは3グレードにわけられ、エラボレはその真ん中のグレード）基準に合わせて調整されており、1日の最大日差は±20秒である。2時位置にあるベンソスの特徴的なリューズはそのままだ（加えてオリジナルのベンソスは4時位置にクロノグラフプッシャーを備えていた）。

　アクアスター　ベンソス ヘリテージ ワンは500本の数量限定で、現在1090ドル（日本円で約16万円）にて予約注文を受付中。メーカーの正規希望小売価格は1390ドル（日本円で約20万4000円）だ。

　つい数週間前、私は幸運にも故キャプテン・ドン・ウォルシュのアクアスター60を手にすることができた（オークションで6万2500ドル、日本円で約916万7000円で落札される前に）。ウォルシュがトリエステ号でマリアナ海溝の海底に潜ったとき、手首につけていたのがこのアクアスター60だった。確かに、ロレックスのディープシースペシャルが深海潜水船の外側に付いていたことに注目されがちだが、それは非常に印象的なマーケティングに過ぎない。アクアスターはウォルシュのような男性が、仕事をこなすために選んだ、シンプルなツールだったのだ。

　アクアスターとディープスターの歴史について詳しく知りたい方は、インターネットアーカイブのウェイバックマシンに乗って、ジェイソン・ヒートンがスペリオル湖でディープスターとともにダイビングする様子を楽しんで欲しい。さらに、ジェイソン・ヒートンとHODINKEEのジェームズ・ステイシーがホストを務める、The Grey NATOポッドキャストの最近のエピソードで、ドン・ウォルシュがトリエステでの経験、彼のアクアスター60、そしてロレックスについて語っているのを聞くことができる。

　ベンソスはディープスターの次に人気のあるダイバーズウォッチだった。1970年に発表されたそのデザインは同世代のものと似ていたが、アクアスターらしさも際立っていた。アクアスターが、中央に固定されたクロノグラフという、最も特徴的な品質を備えたベンソスを再び発表していたらとてもクールだっただろう。しかし、今回“ヘリテージチャプター1”としてリリースされたのを見ると、クロノグラフモデルが登場するのもそう遠くないかもしれない。

ブランド: アクアスター（Aquastar）
モデル名: ベンソス ヘリテージ ワン（Benthos Heritage One）

直径: 42mm
厚さ: 16mm
ラグからラグまで: 47mm
ケース素材: 904Lステンレススティール
文字盤: 半光沢（セミグロス）のブラック
インデックス: アプライド
夜光: 高密度スーパールミノバ（エクリュカラー）
防水性能: 500m
風防: フラット、トリプルコートARサファイア
ストラップ/ブレスレット: イソフレーン社製ラバーストラップ

キャリバー: ETA 2824-2
機能: 時・分・センターセコンド
直径: 25.6mm
厚さ: 4.6mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
追加情報: エラボレグレード（3ポジションで調整、精度は日差±12～±20秒）

価格: 1390ドル（日本円で約20万4000円）、予約価格は1090ドル（日本円で約16万円）
発売時期: 予約受付中
限定: あり、世界限定500本。アクアスター公式ウェブサイトでのみ販売。最初の250本は12月に、2回目の納品は2024年3月予定

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