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November 30, 2020
November 30, 2020
A Week On The Wrist セイコー プロスペックス SBDC101を徹底レビュー
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A Week On The Wrist セイコー プロスペックス SBDC101を徹底レビュー

王道を歩むツールウォッチのさらなる進化。

セイコーの時計から得られる経験はおそらく他のブランドよりも一貫して、過熱気味の時計業界における「ゴルディロックスと3匹のクマ(英国の有名な童話)」でいう“ちょうど良さ”だ。僕たちの多くは、最初の粥入りのボウル、つまり時計愛好家への初期のステージでセイコー5、あるいはSKX007、または僕のようにSKX779(SBDC025) "ブラックモンスター"(写真の一番下で光っている時計)を入手する。そして、ゴルディロックス(主人公の少女)が、たった3杯のボウルの中からちょうどいい温度の粥を選ぶだけで良い一方で、初心者向けのスティール製のセイコーというだけで、何百もの選択肢が存在するのだ。サイズの大小、大胆/繊細なデザイン、現代的デザイン、新しい/古い個体、ヴィンテージ風デザイン、JDM(日本国内市場向)、限定版、チタニウム/スティールケース、自動巻き/ソーラー発電ムーブメント等々だ。

筆者が2007年に初めて発光した夜光塗料の撮影に成功したセイコー2本(左がセイコーSKX007、右下がSKX779)。

 この生態系を分かりやすく分類して整理しようとすると頭が混乱するものだ。セイコーファンの慣例として、僕らはアルファベットの配列をリファレンス番号に言い換えたり、モデル名を尽きることなく増え続ける曖昧なニックネームに言い換えたりする。友人が手首に大きく堂々とした時計の画像に"SBBN013 :) "のキャプションを付けてメールしてきたら、テンプレート的に"おぉ、カッコいいダースツナだね"(こんな感じ)と返信するのが一応の作法なのである。

上の画像から10年後に、12時間ベゼルへと改造された同じく筆者所有のSKX007。

 時計の評価(と収集)の全ては個々人の試行錯誤の積み重ねをベースに進化していくものだが、セイコーを買う予算よりも手頃に、時計初心者を歓迎し、より素晴らしい実体験を提供するブランドは数少ない。もし予算が5万円なら、100通り以上の選択肢があり、シンプルなセイコーの箱をガサガサ開けるたびに新たな体験に導かれるのだ。その体験を積み重ねるごとに、僕らは次にこの特殊なスロットマシンのレバーを引くために役立つデータの欠片を得るのだ。

 僕らの好みは進化し、うまくいけば、より個性的になり、自分の手首に合うものになる。ダースツナは過激派か? そうだ。僕の手首には大きすぎるか? では、スプーンを置いて、別のボウルを試してみよう。熱すぎる粥もあれば、冷たすぎるものもあるが、それが日常使いできる手頃なスポーツウォッチと来れば、一度数ダースのボウルを試してみれば、ちょうど良いものが一本くらい見つかるかもしれないのだ。

2017年に発表されたセイコーSBDX019。

 セイコーがSBDCクラスにヴィンテージ風プロスペックスの新モデル4本を発表したとき、僕は大いに期待した。ブランド創立55周年を記念して、62MAS(ファーストダイバー)を大雑把にモチーフにした、これらのモデルが発表されたからだ。僕は、セイコーが2017年のSLA017(SBDX019;上)で62MASにより忠実な復刻版を製造していたので、"大雑把な"印象をもった、わけ。限定モデルのSBDX019よりもかなり手頃な価格ながら、新モデルのSBDC10X系は素潜り用の正統派スポーツダイバーズウォッチ62MASからインスピレーションを得つつ、ヴィンテージ風ツールウォッチでありながらも着けやすさをアピールしている。


セイコー SBDC系

 入門機であるセイコー5、SKX、4R系、さらにはキネティックより上級のSBDC系はダイバーズモデルに限定されるわけではないが、プレミアムクラスのSBDX系の下位にラインアップされている。混乱される読者もいるだろうが、リファレンス番号はこの際、あまり参考にならないと言っておこう(詳しくは後述する)。要は、SBDC系はセイコーのエントリーレベルと最上位モデルの中間点に位置付けられたラインナップであるということだ。SBDC系ダイバーズウォッチを検討するとき、そのモデルはより素晴らしい仕上げとディティール、そして上級ムーブメントと(一般的には)アップグレードされたブレスレットのオプションが与えられる。

セイコー プロスペックス SBDC063。

 歴史的に、このラインは8万円台から12万円台の間に位置し、他のよく知られたセイコーモデル(古いモデルから新しいモデルまで)から審美面でインスピレーションを引き出している。最近の人気モデルには、2017年に前述のSBDX019と同時リリースされた“Sumo(相撲)”モデル SBDC031/081とSBDC061/063(上の画像)が含まれる。

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 5万円未満の製品を多く販売しているブランドの中で、SBDC系は(数ある中でも)セイコーの最上位機種(グランドセイコーはもちろんのこと)と直接競合しないようにしながら、より高価な製品を出していくことに腐心してきた。2020年となり、SBDC10Xの新モデルが出揃ったことで、ようやくその土台が固まったのではないだろうか。


SBDC101(海外版はSPB143)

 そこでキーとなったのは、サイジングと、価値をできるだけ損なわずにセイコーダイバーズウォッチらしさを高いレベルで表現することだった。44mm超のケースサイズを特色としたここ数世代のラインナップとは異なり、新ラインは直径40.5mm、厚さ13.7mm、ラグからラグまでの縦幅は46.5mmとなった。

過去の記事で紹介したように、この4本の中で最もベーシックでシンプルなのは、今回のレビューで紹介したグレーの文字盤とブレスレットを備えたSBDC101だ。もう少し「ひねり」が欲しければ、SBDC103(ブラウン/グリーン文字盤)、SBDC105(金色のアクセントが付いたブラウン文字盤)、または5500本限定モデルのSBDC107を選ぶことが可能だ。僕の個人的好みは、金色や茶色のアクセントが苦手なので、今回のレビューでは標準モデルのSBDC101を迷いなく選ぶことができた。この中に敗者がいないことはもちろんだが、僕はその中でもとりわけシンプルなセイコーに深い愛情を注いでいる。

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 4つもリファレンスがあることを考えれば、SBDC10Xにはニックネームが必要じゃないか? 年式、ヴィンテージデザイン、62MASとの関連性から、4本とも "20MAS "と呼ぶのはどうだろう。みんなのアイデアをコメントで教えて欲しい。さて、そろそろ本題に戻ろう。

 その優れたサイズ感に、バネ棒用の貫通した(ドリル)ラグ、サファイアクリスタル、ガードのない大型のリューズ、しっかりとしたケースバック、セイコーのダイヤシールド硬化処理を施したケースをもつ。バランスのとれたハンサムなデザインで、どのストラップにもよく似合うと同時に、視認性が高く、夜光塗料もしっかりとしていて、手首に乗せても弱点は見当たらない。

 フィット感と仕上がりも素晴らしく、あまり高価でないセイコーの製品にしては期待以上だ。それにしても、ベゼルの設計は優秀。滑らかで使いやすく、一周120クリックの設計のため若干揺れのような挙動を感じるが、回り過ぎることもなく、ケースとベゼルのタイトなフィット感と優れたグリップ力のおかげで非常に機能性が高い。セイコー特有の問題だが(そして読者の中の何人かは聞きたいと思う)、ベゼルはダイヤルの分マーカーとほぼ一致している―しかし、完璧ではない。セイコーの時計でヒストリーを重ねてきた読者ならよくご存じだろうが、ベゼルがチャプターリングやダイヤルのマーキングと完全に整列していない個体がしばしば見られるのだ。

 僕の手元の個体は、ベゼルインサートが約4分の1クリック分ずれていると思うのだが、マーカーと文字盤(SBDC101にはチャプターリングが存在しない)の間の▽(逆トライアングル)は、実際にはベゼルの内側のエッジと文字盤の間にかなりの深さがあるため、ずれはあまり目立たない。写真では、遠近法で奥行きがやや圧縮されているため、この効果は逆になる。この記事の写真を何時間もかけて撮影した後では、わずかなオフセットとその深さが組み合わさって、アライメントの真のばらつきを示すのが非常に難しい。

 結局のところ、これは僕の唯一の不満で、それは将来的に思い直せるものかもしれなく、それで信頼を損なうわけではない。とはいえ、僕はセイコーが解決する必要があるディテールだと思うし、他の非常に多くの細かな問題を潰すことができた時計なら、この問題くらい解決するのは容易いだと思うからだ。

 興味深いことに、ベゼルは、ブラックカラーとダイヤシールドコーティングされたステンレス製のベゼルインサートを採用している。多くの他のブランド、セイコーも含め、多くの場合、安価なアルミニウムか、やや高価なセラミックインサートをSBDCのために選ぶだろうが。僕は他の材料だとするレポートを目にしたが、二重(念のため三重も)にセイコーU.S.とセイコージャパンの両方から裏取りし、ベゼルインサートはステンレス製であることを確認した。

 ここ1ヵ月ほどは、ぶつけるのも気にせず着けていたが、ベゼルにはまだ摩耗が見られない。とはいえ、ダイヤシールドのような硬化表面を施したとしても、ステンレス製なので傷は付く。僕の好みとしては、最初の数回の傷は嫌だと思っても、ベゼルに傷が増えてしまえば味だと思うことができるし、数年使用すれば、ブラックカラーが十分なコントラストを与えてくれるだろうと期待している。

 素材を超えて、インサートの仕上げは上質なベゼルの回転のクリック感とマッチしていて、愛らしいフォントとエングレービングされたスケールを備えている。ゼロ位置には期待通りの夜光プロットがあり、ブラックにカラーリングされた部分は円状にサテン仕上げされていることに気づくだろう。また、SBDC001はベゼルを太めにすることで、他の62MAS系との差別化を図っている点も好感がもてる。スキンダイバーズ用ウォッチのケース形状やガードレスリューズとの相性も抜群で、重くなったりプロポーションを歪にしたりすることなく、存在感を放っている。

 その60年代風のケースの内部には、6Rシリーズのトップモデルであり、プロスペックス、アルピニスト、プレザージュなどの幅広いモデルにも採用されている、改良された6R35が収められる。今回の最新モデルでは、70時間の大容量パワーリザーブと3Hzの振動数に加え、6R35はハック(秒針停止)機能、手巻き機能付き自動巻き、4800A/mまでの耐磁性、3時位置に日付表示を搭載している。まさにツール的ダイバーズウォッチ ― 必要とするのは高い信頼性と、ある程度正確な自動巻きムーブメントだけであり、6R35はその資質を十分備えている。

 僕が配信しているポッドキャスト「The Grey NATO」をお聴きの方への一つ余談を紹介しよう。僕のSBDC101は、日付ホイールの位置を完全に揃えるのに時間がかかり、午後になっても中心から少しずれたままになることがあるという問題があったことをお伝えした。その後、カレンダー日送り操作中にリューズを回転させる圧力をほんの少し加えるだけで、ディスプレイの位置を適切に合わせることができることが判明し、問題は再発していないことを付け加えておこう。

 僕がこれまで所有してきたセイコーダイバーズの中で、このモデルは他のどの要素よりもダイヤルに突出した特徴をもつ。サンバースト仕上げのダイヤルは、ライトグレーとブラックの中間色でキラキラと輝いている。日付はシンプルだが、効果的で、全体のデザインにマッチしている。最後に、過去のSBDCダイバーズに見られる大胆なデザインと比較しても、特に針の仕上げは優れている。日光の下では、文字盤は明るいグレーの色合いで、わずかにドーム状のクリスタルが周囲に沿って光る。暗所では、夜光塗料がその存在感を発揮する。


ブレスレット

 僕は普段ブレスレットを時計に合わせないが、より高価なセイコーを購入するほとんどの人が順番に、より堅牢なブレスレットを求めることを知っており、ラバーストラップのみのSBDC105よりもSBDC101またはSBDC103が2万円分のプレミアムが乗せられているのである。その点を考慮すると、セイコーは全く問題のないブレスレットを提供している。頑丈なピン式調整リンク、無垢のエンドリンク、マイクロアジャストメント機構とスティールクラスプ、さらには小さなフォールド式のウェットスーツ用エクステンション(まさに僕のSBDC025のように!)まで備えるスティール無垢製ブレスレットだ。

 SBDC101のケースとラグの形状は、ブレスレット用としては理想的ではないが、セイコーはシンプルで頑丈なソリッドエンドリンクと、クラスプに向かって傾斜するリンク形状を採用した。結果としては派手さはないものの、着用感に優れ、時計より目立つこともなく、しっかりと時計を支える印象だ。

 2万円分安く買えるなら、ラバーストラップのSBDC101こそ僕が欲しいものだった。ブレスレットがあるに越したことはないが、おそらくそれを身に着けることはないだろう。特にSBDC101はストラップを交換して楽しむには絶好の時計だからだ。

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オン・ザ・リスト

 僕がこのレビューのために勝手ながら追加のリストショットを撮ったのは、SBDC101のストラップの万能性が僕にとって特別なものであり、あなたにとっても重要なものであると思うからだ。僕は「The Grey NATO」配信中に、気まぐれにストラップを替えることができるのが大好きなのだ―そうじゃなければZoom会話中、何をしてろと? ジッとしてろって?

 ラバーからレザー、NATO、メッシュまで、僕はSBDC101に似合わないストラップを見つけることが遂にできなかった。これは、ケースの形状(セイコー独自のものとは程遠い)、同系色のグレーのダイヤル、短く穴の開いたラグの組み合わせによるものだ。

 ストラップの交換は簡単で、グレーは何に合わせるのにも相性がよく、あのH字型のスキンダイバーズ風ケースには普遍性すら感じさせられる。ケースの形によっては、ブレスレット用に作られたもの(ロレックスのようなもの)もあれば、お好みのストラップに溶け込むものもある。僕は60年代の古いSilvana(シルヴァーナ)のスキンダイバーズ用ウォッチを持っていて、直径はわずか36mmだが、SBDC101と同じような機能をもつ。つまり、地味でシンプルなその時計は、その日の気分に合わせてどんな方向にも着替えられる汎用性があるのだ。また、万が一失敗した場合でも、穴の開いたラグのおかげで、気が向いたときに簡単にストラップを交換することができる。

 好みのストラップを選べば、SBDC101は健気にも手首にフィットする。大きすぎず小さすぎず、少しがっちりしているように見えるが、決して重厚さは感じられない。それは同時に快適性と機能性が両立されていて、僕の自宅のデスクからトロントの湖でいくつかの軽いシュノーケリングに、良質なセイコーの時計がなすべきことをしてくれるのだ。それは ― あなたが望むものは何でもということだ。

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 僕が動画の中で語ったように、この時計はウサギの穴(それも一つどころじゃない)に迷い込んだ若者たちのためのセイコーであると思う。読者諸君はセイコーに競合する他ブランドについても把握しているだろうし、これぞという時計のためにもっとお金を出すこともできるだろう。確かに、それは僕にとってこの時計がそういう存在かもしれないが、こう考えてみてはどうだろう:このセイコーを、時計やダイバーズウォッチ初心者にお勧めするか? とりわけセイコーのような大規模かつ多種多様なラインナップをもつブランドでは、さまざまな価格帯を試してステップアップすることが愛好家として重要なことだと僕は考えるので、答えはNOだ。つまり、数ダースのセイコーと他ブランドの時計を所有した後、この時計は僕が買った、またはレビューした中でお気に入りのセイコーかと聞かれれば? もちろんそうだ。


競合モデル

 他のほぼ全ての時計のように、セイコーは愛されているのは間違いないが、唯一無二の存在では決してない。そして、10万円超の価格帯に時計を提供し続けることは、5万円未満の価格帯よりも激しい競争下に身を置いているのだ。20万円以下の40mm自動巻きダイバーズを見てみると、SBDC10X系に11万円から14万円費やす前に、比較検討すべきひと握りの競合モデルを紹介しよう。とはいえ、僕は全てを網羅できたとはいえないが。

ミドー オーシャン スター トリビュート

 僕はこのダイバーズを持っている人を個人的には知らないが、スペック上は素晴らしいと思う時計だ。13万円ほどで、40.5mm×13.4mmのスティールケース、200mの防水性、サファイアクリスタル風防、パワーリザーブ80時間とデイト付のETA製C07.621自動巻ムーブメント(Midoバージョン)の時計が得られる。これは"トリビュート "という側面を強調しすぎない、ハンサムでハイスペックなダイバーズウォッチだ。ラグからラグまでの縦幅は不明だが、セイコーのルックスの方が好きなので(ラグ幅21mmに合うストラップを持っていないこともある)、これは本当に堅実な競争相手だ。ミドー、よくやったと言いたい。

12万1000円(税抜)、 mido-watches.com

ドクサ サブ200

 SBDC10X系よりも少し厚く、直径が大きく、そして長いSUB 200も同様に10万円未満の価格帯に位置する時計だ。この価格でETA2824と6色のカラーバリエーションを選ぶことができ、その多くは、セイコーが提案するものよりもはるかにエキサイティングだ(少なくともより多くのバージョンが展開されるまでは。ところで、イエローゴールドを希望する読者はいるだろうか?)。僕にとってSBDC101のサイズ、明るい夜光塗料、スタイリングは、ドクサのカラーオプションの豊富さの魅力を上回るものだ。―しかし、10万円の予算と人生により彩りを添えたい読者のためには、依然として素晴らしい選択肢といえる。

990ドル(約10万4000円;日本未発売)、 doxawatches.com

ゾディアック スーパーシーウルフ

 多くの点でドクサと似ているが、SBDC101のストイックな性格と相性が合わない場合、ゾディアック スーパーシーウルフは約11万円で、幅広いカラーとスペックを提供する。ヴィンテージ風のZ09201を見てみると、厚さ13mm、直径39.5mmケースに自動巻ムーブメントSTP 1-11を搭載した特徴的なダイヤルデザインと計測機能を備えている。ヴィンテージスタイルのテイストが欲しければ、この(どの)シーウルフも、要件を満たすはずだ。セイコーと比較すると、僕はSBDC101のケース形状とブラックベゼルに惚れ惚れしてしまうものの、ゾディアックのジュビリーブレスレットには特別ポイントを進呈したい。

1295ドル(約13万6000円;日本未発売)、 zodiacwatches.com

ジン 104.ST.SA

 美しいU50のエントリー仕様はセイコーのほぼ2倍の価格もするが、ありがたいことにジンの104シリーズには約22万円から提供される仕様がある。伝統的なダイバーズウォッチのレイアウト(経過時間ではなく残り時間を表示するベゼル)ではないが、104は41mm径、厚さ11.5mm、ラグからラグまでの縦幅46.5mm、200mの防水性能とスイス製自動巻きムーブメントを備えている。同程度の価格とサイズが希望であれば、104は失望させることはきっとない。それどころか、非常にハンサムなホワイトダイヤルのバージョンと、数種類のレザーストラップやスティールブレスレットのオプションまで用意されている。

22万円(税別)、ジン公式サイト

ロンジン ハイドロコンクエスト

 スタイルの面で合わせやすい41mmのハイドロコンクエストは、価格と41mmのケースサイズを考えると、前述のフィルターに合致しているといえる。厚みやラグ幅の情報はないが、よく知られたブランドの特徴的な300m防水ダイバーズで、ブレスレット仕様で、スイス製自動巻ムーブメントを搭載し、文字盤はブルーとブラックの2色が用意される。この際は、どちらが僕の腕に似合うと感じるかいう点で、セイコーに間違いなく軍配が上がるだろう。

19万円(税別)、 longines.com

セイコー プロスペックス SBDC109/SBDC111 “ウィラード大尉”モデル

 ここまで読むまでに、少なくとも何人かの方はコメント欄で新しいウィラード(訳注:映画『地獄の黙示録』の主人公ウィラード大尉が身に着けていた時計)に触れていたと思うが、実際、今年新作に追加されたSBDC系は何もSBDC10Xだけではない。セイコーはまた、SBDC109とSBDC111で彼らのヴィンテージ6105ダイバーズの復刻を発売したのだ。ラバーストラップのグリーンダイヤルバージョンは12万円で、いずれもケース径42.7mm、厚さ15mm強、ラグからラグまでの縦幅は46mmだ。サイズは確かに大きいが、SBDC109のケース形状はその大きさを受け入れるだけの余裕がある。僕はSBDC109とSBDC111の外観を愛しているが、SBDC101のサイズ感がもたらす良好な装着感には敵わない(そのうえ、セイコーにしてはかなり珍しい)。もちろんここは意見の割れるところであり、僕が同僚のコール(・ペニントン)を敵に回すとしても、20MAS派であることは変わらないだろう。

12万円/14万円(税別)、 seikowatches.com


まとめ

 「ゴルディロックスと3匹のクマ」がしっくりこないと感じたならば、別の例えを試させて欲しい。あなたの家の工具箱(運が良ければ工具エリア)を想像してみよう。そこにはたくさんの素晴らしいツールが詰まっているだろう。オレンジ色の鉛筆からメジャー、ハンマー、そして多分ドリル、または何か本当にSawzall社製電動ノコのような楽しいものまで。実は、僕が工具箱を開くとき、10回のうち9回は、簡単なドライバーか、小さな、ワイヤーカッターを取り出すだけだ。ダイバーズウォッチのツールとしての正確からすれば、時にはダースツナをただのスレッジハンマーの代わりにする必要もあるわけだが、普段はライトが点灯しているかどうかを確認したり、額縁を気になるほど斜めに吊るさないようにしたいだけなのだ。

 SBDC101はそれと同じように、そのデザインが自己主張しすぎない日常的なツールなのだ。軽量で、多目的に使用でき、機能的で、有り体に言えば、僕が活動するときに十二分に使える時計だと思う。少し当たり障りのない言い方だって? 確かに。しかし、本機はSKX007やSRP777とは比較にならないほどエレガントだと思う。僕の目には、これは純粋にスポーティなセイコー ―大金をかけていないが、全ての要件を満たす日常的なツールなのだ。

 もし僕がSBDC025を買ったときに、このSBDC101が作られていたら、2万円の"モンスター"の夜光の輝きを浴びながら、その価格に唖然とし、ウィッシュリストに追加しただろう。あれから10年以上経った今、僕は自分が時計に何を必要とし、何を期待しているのかを知る専門家となった。狭い範囲ながら、正確な情報を得る立場から見て、SBDC101は完璧に感じられ、高価になった分期待通りの出来だと思うし、何より僕の手首に合わせるには全ラインナップの中で最高の時計だと考えている。それはまさに最適なツールなんだ。