Introducing バルチックがアクアスカーフ マロンで再びブロンズをまとう

　新作は見るからに前作で用いたブロンズと同じケースを共有しているが、時計の全体的な外観にわずかばかり手を加えている。まず目に入るのは文字盤だ。ブラウンに見えるが均一なブラウンではない。その代わりにバルチックは中央のマロンカラーから縁にかけて黒色へと変化していくスモークやフュメの効果を採用している。

　さらに前作の2モデルでフルブロンズベゼルを採用していたが、このモデルにはブラックのテーマを取り入れている。マロンはフルブロンズ仕様ではなくブラックのサファイアベゼルインサートを備え、ケースの色味にマッチする暖色系のインデックスを配しているのが特徴だ。ケース、ベゼル、リューズには旧作と同じ特殊な組成の青銅合金（CuAl8）を使用している。

　ケースは39mmで、（Bという）サイン入りのリューズを支えるリューズガードも完備。時計内部には約42時間のパワーリザーブを持つMiyota 9030ムーブメントを搭載しており、ムーブメントはエングレービングが施された裏蓋の下に納められている。

　この時計は10万6700円（税込）でバルチックの公式ウェブサイトにて来週より発売を開始。今月末に順次デリバリーされていく。

　場合によっては少しの工夫で素晴らしい結果が得られることもある。ブラックサファイアのベゼルインサートを採用したのもそのためだと思う。その結果、この時計がより真面目に、そしてよりスマートに見えるよう仕上げられたのだ。

　文字盤のデザインは同様で、数字にはバルチック独自のタイポグラフィーを使用しており、フュメ調の文字盤とうまく調和しているのがよくわかる。この時計は温かみのある色調にこだわっているのだと。

　アクアスカーフ ブロンズのオリジナルモデルを所有している友人がおり、その素材がエイジングしている様子を見たことがあるのだが、それがとてつもなくかっこよかった。経年変化後は茶色がかったくすんだ緑色という個性的な変化を遂げていたのだ。ただしそういうのが嫌いな人はブロンズウォッチを磨けば元の状態に簡単に戻せる。

　バルチックがチタン製モデルにサテン仕上げのセラミックベゼルを組み合わせているのを見たことがあるのだが、このモデルならそれがさらにかっこよく見えたかもしれない。ただサファイアインサートはバルチックのGMTシリーズで知っていたため、必ずしもこの選択に不満はない。また39mmというサイズ感を維持した点も気に入っている。いいものを変える必要はないのだ。

　私はいつもバルチックが次にどんなことをするのか胸躍らせている。10年以上の歴史がありながら伝統を持たない小さな独立系ブランドとして、近年、多くの愛好家が持つ時計との付き合い方に寄り添ってきたブランドだ。自分たちのデザインを繰り返しながらも改良し続けるというのは素晴らしいことであり、この先もきっと新しいものが出てくるに違いない。

ブランド: バルチック（Baltic）
モデル名: アクアスカーフ ブロンズ マロン（Aquascaphe Bronze Marron）

直径: 39mm
厚さ: 12mm
ケース素材: ブロンズ（CuAL8）
文字盤: ブラウン
インデックス: サーキュラーマーカーとアラビア数字
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: トロピックスタイルラバーストラップ

キャリバー: Miyota 9039
機能: 時・分・センターセコンド
直径: 25.94mm
厚み: 3.9mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24

価格: 10万6700円（税込）
発売時期: 2023年4月
限定: なし

時計の詳細は、バルチックのウェブサイトをご覧ください。