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Hands-On バルチック マイクロローター 600本限定のプレミアムモデル

ツールウォッチだけのブランドだと思っていたでしょう?

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先月、11月に開催される「Only Watchオークション」に出品される、今年のユニークピースのセレクションを紹介した。チューダー、オーデマ ピゲ、F.P.ジュルヌなどの有名ブランドはもちろんのこと、意外なところでは比較的新しいブランドであるバルチックもこの大リーグに名乗りを上げた。フランスを拠点とするこのブランドは、ヴィンテージ風のデザインと手ごろな価格が特徴だが、今回の出品はまさに“やったぜ!”といった瞬間だ。そして、バルチック Only Watchはショーを席巻。インスタグラムやツイッターには、この時計への賞賛の声があふれていた。

 今夏に発表された、事実上入手不可能なバルチックのユニークピースについて、なぜこれほどまでに時間をかけて語るのかというと、それは今日私たちが目の前にしているまさにその時計を予見していたからだ。バルチックは、マイクロローターと名付けられた新しいコレクションを発表した。Only Watchに採用されているブレゲ数字を用いたスタイリングが目を引く1本である。

 バルチック社の創設者であるエティエンヌ・マレクがこれまでに製作してきたものは、ほとんどの場合、明らかにミッドセンチュリーにインスパイアされたデザインであり、そのほとんどがツールウォッチだった。今回の新作は、より古く、よりクラシックな感じにまとまっている。アクアスカーフが今にも沈没船へと潜っていきそうな雰囲気を醸し出している一方で、マイクロローターはディナークラブで食後のシガーを手にしている人の腕に似合いそうだ。

 時計の名前が示すように、このモデルにはマイクロローターを備えたムーブメントが搭載されている。これは、通常のローター(動きに合わせて時計を巻き上げるために回転するパーツ)とは異なりキャリバー自体にセットされているため、ムーブメント全体をはるかに薄くすることが可能だ。バルチックは、Seagull(面白いことにバルチックのバイコンパックス クロノグラフモデルに搭載されている)の競合製品であるHangzhou製の自動巻きマイクロローターCal.ELA05MNを採用している。

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 このムーブメントは日差±20秒以内の精度で必ずしも自慢できるものではないものの、今は10万円以下の時計の話をしているわけで、あまりそこにこだわる必要はないだろう。また、パワーリザーブは42時間だ。このムーブメントはシースルーケースバックから見ることもできる。装飾面では、円形のコート・ド・ジュネーブ、ローターの下のペルラージュ、青焼きされたネジなどが確認できる。ローターには "Baltic "と刻印がある。

 このニューモデルは、クラシックな腕時計の雰囲気と、20世紀初頭のポケットウォッチのヒントを融合させている。その大きな理由のひとつが、スモールセコンドのインダイヤルだ。あまり知られていないが、ポケットウォッチでも腕時計でも、センターセコンド機能は本来の形ではない。スモールセコンドを採用すると派手な印象を受けるかもしれないが、それは時計デザインにおける初期段階への回帰なのだ。バルチックのブランド精神はオマージュの上に成り立っているわけで、その点では納得できるし、特に今作はよくできている。

 この時計は見ためにも優れている。デザインにはある種のシンプルさがあり、ブレゲ数字の処理にはエレガントさが感じられ、完全にバランスが取れている。また、バルチックがなぜ9万4600円(税込)という低価格を実現できたのか、不思議に思う部分が多々ある。例えば、文字盤には大きなこだわりがあって、スモールセコンドの放射状のパターンに合わせて、文字盤表面の大部分にテクスチャーパターンが施されていて、とても面白い。文字盤全体を見ると、このテクスチャーによるコントラストが素晴らしい。

 アプライドの数字に加えて、ペイントされたミニッツトラックは高いレベルで処理されており、ハンドペイントのような雰囲気を醸し出している。タイポグラフィ(あるいは数字)オタクのために、オープン6とフラット4が用意されている。そして、文字盤上のテキストは最小限だ。つまり、Balticのロゴを除いて事実上存在しないということだ。

 ダイヤルは、サーモン(バルチックではこの1年間で2つめ)、シルバー、ブルーの3種類。レザーストラップの組み合わせによって、それぞれのバリエーションが異なった興味深い表情を見せてくれる。

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 私がバルチック マイクロローターを賞賛する理由はそのケースサイズにある。36mm(ラグ・トゥ・ラグ44mm)という完璧なサイズで、厚さはわずか8mm(ドーム型アクリルクリスタルを含めると9.8mm)だ。手に持ってみると、重くて壊れそうな外見とは裏腹に、驚くほど軽い。

 発売時には、各ダイヤルバリエーションの最初の200本にシリアルナンバーが配される。さらに、この3つのモデルをセットにした特別限定版も用意される。合計20セットの限定品のため、お早めに。

バルチック(Baltic) マイクロローター。ステンレススティール製ケース 36mm x 9.8mm。ELA05MNムーブメント(Hangzhou製)、パワーリザーブ42時間。ドーム型アクリルクリスタル、エキシビションケースバック。初回生産分は各ダイヤルバリエーション200本のシリアルナンバー入り。レザーストラップ。価格:9万4600円(税込) ※日本では本国フランスを除く全世界に先駆けて、H°M’S”WatchStore表参道にて、10月9日より販売。

その他、詳細はH°M’S”WatchStore公式サイトへ。

Photos, Kasia Milton

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