trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On バルチックの最もモダンな時計アクアスカーフ チタン

インスタグラムで人気の10万円以下のダイバーズウォッチが変貌を遂げた。


ADVERTISEMENT

HODINKEEに入社したほぼ最初の週から、バルチックの時計について書き続けている。それ以来、彼らのヴィンテージインスパイアされた作品の多くが、私のデスクにやってきた。バイコンパックスからデュアルクラウンアクアスカーフ GMT、そしてそのあいだにある多くのモデルまで、私はあらゆるケース形状や素材のバルチックコレクションを目にしてきた。数週間前、今や有名なアクアスカーフのチタンバージョンが発売されるという知らせを受けたとき、私はさほど反応しなかった。「同じ時計がチタンになったんだ。ちょっと考えてみるか」という程度だった。画像を見て、何かが違うことに気がついた。この新作を実機で見てみたくなったのだ。

Baltic

 数日後、フランスから小包が届いた。私はそれを開き、なかから2本の腕時計を取り出した。ブラックとブルーだ。早速、間近で見てみることにした。すぐに、私の最初の考え(プレスリリース写真からの)は確信に変わった。これは、これまでのアクアスカーフではない。何かが違うのだ。手に取って、トロピックスタイルのストラップの軽快さを感じ、41mmのケース、文字盤、ベゼルのデザインを確認してすべてがわかり始めた。これはバルチックにとって初めての本格的なツールウォッチなのかもしれない。ブランドがあからさまなオマージュから脱却し、彼らの作品では見たことのないような真のダイバーズウォッチを作ったのだ。

 最初のヒントはチタンケースだ。それ自体が非常にモダンな素材である。この金属の暗い光沢は、この時計に現代的な落ち着きを与え、後ろ向きの印象を与えない。バルチックが通常生産の時計にチタンを使うのは初めてということであり、興味深い。

カシア・ミルトン(Kasia Milton)の手首に装着されたバルチックのチタン製アクアスカーフ。

 ケース周りを見ると、リューズを保護する四角いリューズガードがある。いや、バルチックのリューズガードは今回が初めてではない。ブロンズのアクアスカーフで見たことがあるが、あの時はケースの素材から過分にレトロな感じがした。しかしチタンモデルに関しては、リューズガードがあることでケース全体のフォルムを現代的で目的に沿ったものに感じさせる。また、同様に使いやすい貫通ラグを維持したことも、うなずけることだ。我々がモダンな方向に進んでいるからといって、生活をより快適にしてくれるものを犠牲にする必要はないのだ。

Baltic

 そして、ダイヤルだ。かつてアクアスカーフラインは、ソロクラウンモデルにおいて、埋め込み式のマーカー、アラビア数字の12、金メッキ、そして昔のチューダー サブを思わせるインデックスのスタイル(3時、6時、9時の三角形のマーカー)など、一定のヴィンテージ美を確立していた。本作は、3時、6時、9時位置に丸みを帯びた長いマーカー、12時位置に(数字そのものではなく)三角形のマーカー、そして長い秒のピップなど、デュアルクラウンモデルの文字盤構成を踏襲しているようだ。これらは些細なアップデートのように思えるが、結果として、いい意味でシンプルに現代の時計に仕上がっているように感じられるのだ。

ADVERTISEMENT

 最も興味深いアップデートは、ベゼルにあるだろう。10、20、30、40、50の数字が配され、非常に実用的なサテン仕上げとなっている(以前のバチスカーフは従来のダイビングスタイルベゼルで、15、30、45の数字が配されているだけだった)。過去にはサファイアのインサートが使われていたこともあり、「ああ、これはサテン仕上げのスティールに違いない」と思ったのが最初のに受けた印象だ。ところが驚いたことに、これはサテン仕上げのセラミックだったのだ。そう、バルチックのセラミックだ。それもぴかぴかしていない。つや消しでいい意味で渋い。すべてのブランドのセラミックベゼルが、こうであってほしいと思うほどだ。

Baltic

 性能面では、文字盤に“Aquascaphe Titanium 300m”と書かれているのを見てその数字に驚いた。これまでのバルチックで馴染みのある200mよりも、しっかりと増えている。300mという数値は、ダイビングをする際に何も心配する必要がないことを意味する。さらに、文字盤とベゼルには夜光塗料がたっぷりとすべてに塗布されているのだ。

Baltic

 このとき、私にとってのモダンなパズルのピースがすべて揃ったような気がした。チタンケース、リューズガード、セラミックのフル夜光ベゼル。まるでチューダーのペラゴスのようだ。もちろん、このモデルはストラップ展開のみ。チタン製のビーズ オブ ライスブレスレットなら、さらにクールだったろう。内部にはミヨタ 9039が搭載されている。世界で最も正確なキャリバーではないかもしれないが、ダイビング用に作られた時計は、ベゼルを使って減圧時間を計測できる限り、歴史的にみても最も正確なものだったわけではない(正直、もう誰もそんなことはしないだろうが)。

Baltic
Baltic
Baltic

 最後にひとつ、ブラックとブルーの文字盤の違いにも気づいた。ブラックはよりマットな 粒状の質感で、マーカーは放射性物質のような(実際はスーパールミノバ)グリーンの光を放つ。ブルーモデルは、より滑らかで濃いネイビーブルー(チューダー ブラックベイ 58のブルーに似ている)の文字盤に、はっきりとした白のマーカーが配されている。こうした場合、私はいつもならブラックを好んだだろう。しかし、この時計と過ごすうちに、私はブルーの方が好きになってきた。

 バルチックの時計がどのような方向に向かっているのか私にはわからないが、このリリースが示すものにとても期待している。ブランドが時とともに成長し、創業期を乗り越え、新しい道を切り開くのを見るのは楽しいものだ。もし、よりモダンな方向に向かうのであれば、私はここで次のリリースを心待ちにしていることだろう。

バルチック アクアスカーフ チタン。チタン製ケース、41mm×13.6mm(クリスタルを含む)。ラグからラグまでの全長47mm。ミヨタ 9030ムーブメント、パワーリザーブ42時間。300m防水。ドーム型サファイアクリスタル、サテン仕上げのセラミックベゼル。トロピックスタイルのストラップ。価格: 710ユーロ(記事執筆時724ドル、約9万7000円)。2022年7月末より納品開始。

Shop This Story

HODINKEEはバルチックの正規販売店です。フルコレクションはこちらでご覧いただけます。バルチックの詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。