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Introducing ブライトリング ヘリテージ プレミエ B15 デュオグラフ、スプリットセコンド・クロノグラフの名機が待望の復活

スプリットセコンド・クロノグラフを全ての人たちに。

クイック解説

 正直に言おう。ここでは嘘はなしだ。 私は、一流有名時計ブランドが本腰を入れて、これまで扱うことのできなかった時計製造の分野に独自のひねりを提供するのが大好きだ。タグ・ホイヤーが200万円以下のスイス製のトゥールビヨンで時計業界を圧倒した? いいだろう。モンブランがパーペチュアルカレンダーを安価で提供し、フレデリック・コンスタントが参入障壁をさらに低くする? かなり楽しいものだ。だから、ブライトリングが2017年に自社製キャリバーB03を搭載したナビタイマー ラトラパンテを初めて発表したとき、私が興奮したのは言うまでもない。

 その時計がデビューしたとき、ブライトリングのヴィンテージクロノグラフの高度な知識をもち、果てしないこだわりをもつコレクターのある層が、それが何をもたらすかに注目した。それから4年後、Watches & Wonders 2021(ブライトリングは公式参加しないイベント)の前夜に、こうした愛好家たちの願いがついに叶い、非常に人気の高い1940年代のブライトリング デュオグラフ スプリットセコンド クロノグラフが公式に復活を果たした。

 新しいデュオグラフは、前作ナビタイマー ラトラパンテの自動巻きムーブメントB03の開発で学んだことを基に、開発されたばかりの手巻きムーブメントを採用しているのが特徴で、直径42mm、日付表示はなく、また限定品でもない。

ファーストインプレッション

 ブライトリングのヴィンテージについて詳しくない人でも、ブライトリングにおける20世紀のツールクロノグラフの豊富なラインナップを愛する人たちが今回の発売に興奮しているのは、疑いようのない事実だ。ラトラパンテの世界で近い事例を考えるなら、ロレックスが伝説的なRef.4113の復刻を仮に決定したのと同じようなものだ。

 そう、多くの人にとって、今回のリリースは本当にクールなものだ。

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 2021年の新コレクション、プレミエ ヘリテージの一部として、1940年代のダトラの美しい復刻版と共に発表されたデュオグラフは、間違いなくこの新しいヴィンテージスタイルのラインナップのヒーローピースだ。デュオグラフの見た目は、古き良き時代の雰囲気を醸し出している。発売当初は、サンバーストのブルーダイヤルのステンレススティール(SS)モデルと、インキーブラックダイヤルの18Kレッドゴールド(RG)モデルの2種類が用意されている。

 数年前に発売されたナビタイマー ラトラパンテは、ブライトリング初の自社製ムーブメントを搭載したスプリットセコンドクロノグラフで、ヴィンテージのデュオグラフはヴィーナスのエボーシュを採用していた。では、新しいマニュファクチュールキャリバーB15はブライトリングの2番めの自社製スプリットセコンドクロノグラフムーブメントなのだろうか? というと、そうではない。B15は、ブライトリングのフラッグシップである自社製クロノグラフムーブメントB01をベースに開発されたB03のモジュールをベースにしている。B03は、ブライトリングのフラッグシップである自社製クロノグラフムーブメントB01をベースに開発されたもので、ブライトリングの自社製ムーブメントの1.5世代めと言ってもいい。

 最近ではラトラパンテ機構の作り方もいくつかあるが、2017年にブライトリングは独自に新しいものを開発し、最終的に2つの特許を取得した。ブライトリングのアプローチは、複雑なことで有名なコンプリケーション機構にシンプルさをもたらすやり方だ。まず、スプリットセコンドの物理的な操作は、オリジナルのデュオグラフと同様、ユーザーの利便性を高めるために合理化されている。1990年代にリチャード・ハブリング氏がIWCのためにドッペル・クロノグラフを開発した際に採用したように、ケース左側の10時付近に追加のプッシャーを配置する代わりに、3時位置のリューズに組み込まれたプッシャーを押すことで、クロノグラフの秒をスプリットしたり、元の位置に戻したりすることができる。また、リューズの真上と真下にあるクッション型のプッシャーは、標準的なクロノグラフ機能のストップ、スタート、リセットを行う。分かりやすいでしょう?

 もしあなたがスプリットセコンドクロノグラフのファンなら(私もそうだが)、B15キャリバーを見てみると、シースルーバックから見えるものに驚くかもしれない。クランプ(ブレーキ)はどこにあるのだろうか? 伝統的なスプリットセコンド機構は、スプリットセコンドプッシャーによって作動する一対のペンチのような形状のブレーキで、繊細な歯のついたスプリットセコンドホイールを物理的に止め、最初のセンターセコンド針をダイヤル上の所定の位置に固定する。

 ブライトリングは、ブレーキの代わりに独自のラバー・ガスケットを開発し、プッシャーが作動したときにスプリットセコンドホイールが停止するようにしている。ブライトリングがB03で導入し、B15でも継続している特許取得済みの2つめの大きな革新技術は、スプリットセコンドクロノグラフで一般的に見られる円筒形のピンを取り除き、代わりにレバーを使って停止している歯車を他の輪列から分離することで効率を高め、クロノグラフ作動時の摩擦を少なくする新しい独立した機構だ。

 また、スプリットセコンド機構はクロノグラフムーブメントにモジュール化されているため、通常の巻き上げ機構のようにスプリットセコンドが作動している様子を見ることはできない。ブライトリングのスプリットセコンド機構は、わずか28個の部品で構成されているため、製造やサービスがよりシンプルで、最終消費者(あなたや私)が使用する際の信頼性も高いものとなっている。ブライトリングが合理的な独自のスプリットセコンドクロノグラフを開発することで節約できた財政的な利益は、希望小売価格にも表れている。例えば、ステンレススティール製の新型デュオグラフは、120万円以下で販売される。これは、スイスやドイツ製のスプリットセコンドクロノグラフの価格が6桁に達するのとは大きく異なるものだ。

 ジョージ・カーン氏に代表されるように、ブライトリングはブランドの過去を蘇らせるときに最高の力を発揮する。私たちにとって、ナビタイマーRef. 806 1959 リ・エディション、ナビタイマー AVI Ref. 765 1953 リ・エディション、そして今回新たに加わったヘリテージ プレミエ シリーズがそれにあたる。2018年にカーン氏の支援のもとで誕生した最初の時計ファミリーのひとつであるコンテンポラリー プレミエ コレクションが、同社の次のターゲットであるというのは、いささか皮肉なことだ。

 なぜなら、ヴィンテージのデュオグラフは、1944年にブライトリングの元のプレミエ ライン(その1年前の1943年にデビュー)の一部として発表され、その歴史の大半は多種多様なドレスクロノグラフを包括していたからだ。そして今日、このモデルが誕生したのである。

 ブライトリングのデュオグラフは、その複雑さゆえに、ついに故郷に戻ってきたのだ。

Photography by Kasia Milton.

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基本情報

ブランド: ブライトリング(Breitling)
モデル名: ヘリテージ プレミエ B15 デュオグラフ 42(Heritage Premier B15 Duograph 42)
型番: AB1510171C1P1(SS)、RB1510251B1P1(18KRG)

直径: 42mm
厚さ: 15.35mm
ケース素材: SS、18KRG
文字盤色: ブルー、ブラック
インデックス: アプライドのアラビア数字
夜光: あり、時分針にスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ゴールドブラウンのアリゲーターストラップ、ブラックのアリゲーターレザーストラップ(どちらもフォールディングクラスプ付き)


ムーブメント情報

キャリバー: ブライトリング Cal.B15
機構: 時、分、秒、スプリットセコンドクロノグラフ
直径: 30mm
厚さ: 8.68mm
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: あり、COSC
追加情報: ブライトリング 自社製Cal.B03ベース


価格 & 発売時期

価格: 116万6000円(SS)、298万1000円(18KRG)、全て税込
発売時期: 4月末予定
限定:なし

詳細は、ブライトリング公式サイトへ。