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Bring a Loupe ロレックス デイトナ Ref.16528のフルセット、カルティエ タンク オートマティック、オメガ 金無垢のコンステレーション デラックスなど

今回も世界中のヴィンテージウォッチをまとめて紹介しよう。

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本稿は2018年9月に執筆された本国版の翻訳です。

季節が変わり、気候が涼しくなるにつれて、(Bring a Loupeの)コラムはステンレスより金無垢モデルのほうが多く登場するようになる。今週のまとめでは、ロレックスや最高のコンディションのブライトリング クロノグラフ、ギャレットやカルティエなどの、本物の希少な時計が並ぶ。またイエローゴールド製の美しい色合いを持つ手付かずのオメガ コンステレーションも紹介。早速、今週の時計を見ていこう。


ロレックス デイトナ Ref.16528 フルセット

 真に理想的な時計は、時間の経過とともに見つけるのが難しくなり、限りある資源となってしまうので、その時計の最高の例を厳選することをおすすめする。このアドバイスの論理的な結論は、思い切ってゼニス製のRef.16528 デイトナのNOS(ニューオールドストック)、つまり新古品の時計を購入することだ。

 公平を期すために言っておくと、NOSという言葉はヴィンテージウォッチの世界では常に使用されているが、多くのケースでは根拠のない言葉である。ただこの場合にはまったく当てはまらない。今あなたが見ているのは、ロレックスの象徴的なYG製スポーツクロノグラフの素晴らしい個体で、元の所有者(ディーラーから調達した人)によると、これは過去22年のあいだ貸金庫に保管されていたと言う。

 オリジナルオーナーは2回だけ着用し、その後しまい込んだと言っており、確かにその程度のコンディションに見える。ケースひとつひとつのラインは、新品の時計に期待されるほどシャープで、コレクターを興奮させる緑色の裏蓋シールが貼られている。もちろん、ボックスや書類もすべて含まれているので、これは“フルセット”と言えよう。このような時計はもう滅多にお目にかかれない。

 ロサンゼルスのCraft&Tailoredには、このRef.16528 NOSコンディションの例が7万5000ドル(当時の相場で約828万円)で出品されている。詳細はこちら


カルティエ タンク オートマティック

 先週のまとめにタンクを入れたところ、多くの読者がよろこんでいるようだったので、今回ももう1本、注目すべき個体を入れることにした。カルティエのこの特大タンクは、以前紹介したプラチナの例よりもはるかに古い時代のものである。

 1970年代にまで遡るこの28mm×35mmの時計は、現代のコレクターの基準から見ても、手首の上で大きな存在感を放つ。その理由のひとつは、文字盤のサイズにある。この時代のほとんどのタンクとは異なり、こちらの例は自動巻きムーブメントを搭載している。巻き上げローターを収納するためにバブルバックを採用しており、時計を手に取った瞬間に自動巻きだとわかるのだ。念のために言っておくが、このバブルの“Paris”のすぐ上には、“Automatique”の文字が刻まれている。

 もし誰かが、プロフェッショナルな場所でもカジュアルな外出先でも身につけられるような、エレガントでポイントを押さえた腕時計を求めて私のところに来たなら、おそらく私はその人に、ある種のタンクの方向性を示すだろう。そしてもしその人が特別で、個性的で、ちょっと人目を引くようなものを探しているのなら、間違いなくこのタンクを選ぶだろう。

 Keystoneがこのカルティエ タンク オートマティックを1万1000ドル(当時の相場で約121万円)で販売している。詳細はこちら

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オメガ コンステレーション デラックス

 腕時計のことをまったく知らない人でも、オメガのコンステレーションは本当に特別でプレミアムな腕時計であることはわかるだろう。コンステレーションは、1950年代から60年代にかけてのオメガのなかでも、ひときわ異彩を放つ文字盤を備えていたことで知られている。一般的にはもっと華美で大げさなものだったが、ある種の高級時計フレックスはそれだけではなく、同ラインの時計は常に高精度のクロノメーター級キャリバーを搭載していたのだ。

 ここにあるコンステレーション Ref.2799は特別な時計であり、オメガはこの時計をコンステレーション “デラックス”と名付け、伝統的なコンステレーションをさらにプレミアムでハイエンドに解釈したモデルであることを市場に知らしめた。繰り返しになるが、この時計を見るだけで特別なものだとわかる。

 この例は1956年7月16日にイタリアに納品されている。時計が取り付けられている18金のフラットリンクブレスレットを見る限り、相当な趣味の持ち主に売られたに違いないし、そのセンスは抜群である。ここで特筆すべきは色だ。厳密にはイエローなのだが、少しピンクがかった色合いが豊かさを増している。決して繊細な時計ではないが、エレガントさを超越しているし、付属のアーカイブ抄本も仕上げのアクセントとしては最高だ。

 ロンドンのA Collected Manが、このコンステレーションを1万1750ポンド(当時の相場で約173万円)で提供している。詳細はこちら


ギャレット マルチクロン アストロノミック

 つい先日、(いつものように)eBayを見ていたら、この素晴らしいギャレット マルチクロンがどこからともなく現れた。本モデルはもともち魅力的な時計だが、この時計にはちょっとしたひねりが加えられている。

 そのムーンフェイズ表示によって(ほかのマルチクロンの)争奪戦から切り離されたこのバージョンは、繊細で複雑かつ味のあるスタイルのマルチクロン “アストロノミック”のバリエーションとして知られている。ムーンフェイズを搭載したマルチクロンのケースには、通常YGのような貴金属が使われている。だからこそ、完璧なダイヤルとすでに調整済みのバルジュー 88ムーブメントを備えた、この希少なSSモデルに出合えたことをとてもうれしく思う。尊敬するギャレットコレクターの方や、あまりお金をかけずに本物のレアウォッチをお探しの方、こちらのモデルはいかがだろうか?

 このギャレットは現在、ニューヨークのセラーからeBayに出品されており、入札開始価格は8500ドル(当時の相場で約94万円)。今すぐ購入するか、オファーするかの選択肢がある。

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ブライトリング プレミエ Ref.777 クロノグラフ

 最後を飾るのは、多くのベテランコレクターがウィッシュリストでチェックする時計だ。1940年半ばから後半に製造された、ブライトリング プレミエ クロノグラフである。ブラックダイヤルとゴールドケースのクロノグラフには紛れもない魅力があるが、市場に出回っているすべてのモデルが同じというわけではない。これまでにない型破りな大きさを持つエイジングケースのおかげで、ほかとは一線を画している。

 私がこのRef.777の例を気に入っている主な理由はいくつかある。まず第一に、同モデルの全体的なコンディションだが、これがずば抜けている。防水加工された18KYGケースは、厚みがあってシャープに見え、ホールマークもはっきりと確認でき、表面には長い年月のあいだに生まれたパティーナが見られる。これは、それがどれだけ大切に、あるいはほとんど着用されなかったかを示している。

 次にこの時計の大きさだ。もしあなたが寸法を見ることができず、写真だけを見ていたら、直径約36mmの腕時計と見間違えても仕方がないだろう。しかしRef.777の直径は38mmだ。それほど大きくないように見えるかもしれないが、その違いは手首の上ではっきりとわかる。当時の時計の多くが30mm前後だと考えると、これは当時としてはかなり大きな時計だっただろう。

 このブライトリングはMatthew Bainが7500ドル(当時の相場で約82万円)で提供している。