Introducing FRAGMENT x BVLGARI、ブルガリと藤原ヒロシのコラボレーションウォッチ第二弾

　昨年秋登場した、藤原ヒロシ氏率いるフラグメント デザインとブルガリがコラボレーションした「FRAGMENT×BVLGARI ブルガリ・ブルガリ 日本限定モデル」の第２弾が発表された。前回は250本限定ということもあり、発売と同時にほぼ完売状態に。国内でも入手が困難だった上、世界からの引き合いも数知れず、その熱望に応えての再リリースだ。

　ブランドのアイコンウォッチである“ブルガリ・ブルガリ”をベースに、インデックスを省いたシンプルな漆黒文字盤と、ベゼルの上下にブルガリとFRGMT（フラグメント）の二つのブランドロゴを刻む。この基本デザインは前回と変わらず。だが前回サンドブラスト加工を施したマットなケースは鏡面のポリッシュ仕上げになり、ネイビー×グレー×ブラックのNATOストラップ（付け替え用ブラック付属）を装着し、まったく異なる個性を漂わせる。

　前回惜しくも手に入れられなかったファン待望の新作であるだけでなく、ファーストエディションの所有者にとってもその価値を下げるものではないだろう。10月末の日本先行発売から11月には世界で発売される。

　本稿はいささか手こずりそうだ。というのも前作の発表時やはり藤原ヒロシ氏を取材し、その考え方への共感と、もちろん時計自体の魅力もあって「FRAGMENT×BVLGARI ブルガリ・ブルガリ 日本限定モデル」を購入したからだ。その立場からすると新作の登場は心中穏やかではない。

　より魅力を増していたら、自分の時計が色褪せてしまうんじゃないか。だがどんなに熟成を重ねたロングセラーでもオリジナル以上にコンセプトがピュアに息づくものはない。むしろそれ以上に気がかりだったのが、時計をひいき目に見たり、私物の自慢になりはしないか。心がけてはいるものの、もしそうなったとしてもどうかご容赦いただきたい。それだけ気に入っているからだ（すでに心配は的中している！）。

　FRAGMENT×BVLGARI ブルガリ・ブルガリ 世界限定モデルは、前作の国内限定から世界に展開される。変更点は限られ、エクステンションのレベルだ。だがその仕様について藤原氏はこう語る。

 「コラボレーションの話をいただき、最初に僕が提案したのはじつは今回のようなポリッシュ仕上げだったんです。それは80年代にブルガリ・ブルガリが流行った頃の雰囲気であり、当時はそんな光り方が印象深かったですね」

　つまり新作こそ藤原氏が抱いたブルガリ・ブルガリのイメージをより明確に表現した仕様であり、むしろこちらが原点といってもいいだろう。そんな80年代のヴィンテージ感に対し、サンドブラストで仕上げられた前作はモダンなブルガリ。この2本を並べてみると、自身を押し出す以上に、相手のクリエイティビティを許容範囲で楽しみたいという、コラボレーションに対する藤原氏の融通無碍が伺えるのだ。

　その柔軟性は時計でも存分に楽しめる。ちなみに筆者はストラップをブラックナイロンからカーキグリーンのレザーにカスタマイズしている。するとストレートラグを備えたマットグレーのケースは俄然ミリタリーテイストを漂わせ、アノニマスな印象になる。周囲の時計関係者でもこれをブルガリやフラグメントと見破った者はいないし、なかには真っ黒なダイヤルからスマートウォッチと勘違いされたことも。だがそれも藤原氏の意図する時計の面白さから外れてはいないだろう。

　今回は世界限定600本。少なくともその数だけは魅力に触れられるということだ。

ブランド： ブルガリ（Bvlgari）
モデル名： ブルガリ・ブルガリ（Bvlgari Bvlgari）
型番：SAP103570

直径： 41mm
厚さ： 8.70mm
ケース素材： ステンレススティール
文字盤色： ブラック
インデックス： なし
夜光： なし
防水性能： 50m
ストラップ/ブレスレット： ブラックとグレーとブルーのNATOストラップ（ステンレススティール製アーディヨンバックルとループ付き）、付け替え用のブラックのNATOストラップが付属

キャリバー： Cal.BVL 191 ソロテンポ
機構： 時、分、秒、日付
直径： 25.60mm
厚さ： 3.80mm
パワーリザーブ： 約42時間
巻き上げ方式： 自動巻き
振動数： 2万8800振動/時
石数： 26石
クロノメーター認定： なし

価格： 55万円（税込）
発売時期： 2021年10月末（日本先行発売）/ 11月（世界限定発売）
限定： 600本限定

詳細は、ブルガリ公式サイトへ。

Live Photos by Keita Takahashi