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Hands-On ショパールがイエローゴールドのアルパイン イーグルを発表、その輝きに魅了される

時計の神様が私の祈りに応えて、このメゾンの代表的なスポーツウォッチのイエローゴールドバージョンを作ってくれたのです。

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私はこれまで、今日の時計市場で目立つローズゴールドの使用について、かなりの時間、いや、むしろ不健康なほどの時間を費やしてきました。正直なところ、私はこの素材が好きではありません。ローズゴールドは、私の目には粗悪な貴金属に映りますが、多くの人々にとって魅力的であることは理解しています。私の周りにはそういう人はいませんが、スイス時計ブランドの経営者が皆、そう思っているのは間違いではないのでしょう。

 一方でイエローゴールドは、この経営者たちの手によって完全に消滅させられてしまったようなものです。そこで、私は怒りと混乱に駆られながら、ある調査に乗り出しました。

 "CEOの皆さん、なぜローズゴールドなのですか?" と、ことあるごとに尋ねてみました。私の友人はみんなイエローゴールドを好みますし、私の知っているファッションエディターもまたイエローゴールドを好みます。歴史的に見ても、イエローゴールドは最も有名でグラマラスなスタイルアイコンたちによって身につけられてきました。それは、パロマ・ピカソ、ビアンカ・ジャガー、エリザベス・テイラー(特にクレオパトラ役)など、数え上げればきりがないほどです。

 今年の初め、私はHodinkee Magazineに、私が好む貴金属で新作を製造しているブランドが少ないことを嘆く記事を書きました。その前置きとして、2019年、アルパイン イーグルが発売されたばかりの頃、私とショパールの広報担当者とのあいだに起きた出来事を紹介したのです。彼女はこの時計の2種類のモデルを持って写真撮影に現れました。1つはステンレススティール、もう1つは、そう、ご想像のとおり、ローズゴールドです。なぜイエローゴールドのモデルがないのか、私には理解できませんでした。私は、まるで個人攻撃を受けたかのように彼女に反応しましたが、幸運なことに、彼女はそれを素直に受け入れてくれ、私たちは今でも友人の仲です。

 読者の皆さん、長く険しい道のりを経て、ようやく一巡したらしいことを嬉しく思います。時計の神様が私の祈りについに応えてくれたのです。ショパールが41mmのアルパイン イーグルをイエローゴールドで作ってくれるなんて、とても信じられません。

Chopard Alpine Eagle

Ta-da! 

 2019年の有名なローズゴールド事件にもかかわらず、私はずっとアルパイン イーグルに好感を抱いています。よくできた、格好いい時計です。ショパールはいつも時計メーカーとしては正当な評価を受けていないブランドで、多くの時計業界関係者のあいだでは過小評価されていると感じることがよくあります。60年代初頭にショイフレ家によって買収されたショパールは、ハイジュエリーの分野での知名度や、カンヌ映画祭のスポンサーであることが一般的なイメージとなっていますが、同社の起源は、19世紀に創業者のルイ-ユリス・ショパールによって創設された本格的な時計メーカーなのです。

 現在、ドイツ生まれのショイフレ家が経営するメゾンは、1980年にアルパイン イーグルの前身となるサンモリッツを発表。当時22歳だったカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏(現ブランド共同社長)は、ステンレススティール製のスポーツウォッチが市場を席巻していた時代に、一家で乗り込むことを強く希望したのです。1980年という年代が、このような製品を生み出すのに適した時期であったことは認めますが、私は皆さんと同じように、ジェラルド・ジェンタによるデザイン純粋主義者の議論にうんざりしています。私はロイヤル オークとノーチラスを愛し、高く評価し、しばしば欲情しています。しかし、もう一歩進んで、他の時計もこのカテゴリーで歓迎されることを認めていただけないでしょうか。特に、ジェンタの偉大さがピークに達した時期に、その周辺で生み出された時計については。

 サンモリッツは、ショパールがセクシーで若々しく、ラグジュアリーなライフスタイルを提案したもので、ブランド名の由来となったアルプスの有名なスキーリゾート地と密接に関連したアイデンティティを備えています。ショパールがジュエリーとゴールドのドレスウォッチを中心に展開していた1980年当時、まったく新しい方向性を打ち出したショイフレ氏の決断について私は話を聞きました。

 「私は、もっとカジュアルなライフスタイルを開拓する必要があると感じていました。テニス、ゴルフ、スキーといったライフスタイル・スポーツに、人々はますます熱中していたのです。ゴールドのドレスウォッチをつけてスキーには行けません」

 続けて、この決断は時計を取り巻くトレンドの変化に対応するものだったのかどうか聞いてみた。

 「時代についていかなければならない という確信がありました。当時は若い世代のために作られた時計でしたから」

Chopard St. Moritz
Chopard St. Moritz

 サンモリッツの物語は1980年に始まり、その後1982年のバーゼルで発表、1983年末に店頭に並び、ステンレススティール、ツートン(SSとイエローゴールド)、イエローゴールド無垢の3つのバリエーションで販売されました。
 「ゴールドのケースやブレスレットの製造は得意だったんですよ」とショイフレ氏は笑いながら、しばし沈黙を守った。

 「しかし、ステンレスのケースとブレスレット。しかし、SSのケースやブレスレットは、本当に斬新だった。それも説得力のあるものでした」

 私がイエローゴールドにこだわっていることを話したところ、ショイフレ氏は私の説明を聞いてすぐに理解したようです。というより、ほとんど何も言わなくてもわかってくれました。スイス人の時計職人としては、とても新鮮な反応だったことを覚えています。

 「私が時計業界に入った頃は、金の時計といえばイエローゴールドが基本でしたが、今は明らかにその時代へ戻りつつあると感じています」

 これは、私がこれまで聞いたどの時計ブランドCEOからも、またスイスの時計ブランドで働く誰からも聞いたことのない、最高のニュースだったのではないだろうか。私は、超ニューヨーク的な大声にならないように、冷静になろうと努めました。彼はこう続けます。

 「イエローは、ある意味、よりエッジの効いた色です。あるいは、より現代的と言えるかもしれません 」

 私は思わず声を上げてしまったが、ショイフレ氏はそんな私の積極的な反応に安堵したのでしょう。

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 ショパールはこのたび、ニューヨークの5番街、歴史的なクラウンビルに新しいフラッグシップブティックをオープンします。ショイフレ一家にとって、この街はセンチメンタルな価値を持っていて、サンモリッツで初めて行われたキャンペーンのイメージは、ニューヨークのスタジオで撮影され、ショイフレ氏はその日のことを懐かしく思い出していました。また、5番街にブティックを構えるのは彼の祖父の希望だったといいます。

 「祖父は20代の頃、1年半ほどアメリカに行ったことがあります。彼は20代の頃、18ヵ月間アメリカに住み、金細工職人として働きながら、西海岸への旅の資金を調達していました」

 ショパールは、1976年にロックフェラーセンター内に米国初の子会社を設立します。

Chopard 5th ave boutique

新しい、5番街のショパールブティック。

 5番街の新しいブティックで発表されるデビューに間に合うように、私は新しい41mmモデルを入手しました。この時計の特徴は、41mmのローズゴールドやステンレスのバージョンとほとんど同じです。トノー型ケース(厚さ9.7mm)の上には、美しい面取りとサテンポリッシュ仕上げが施されたベゼルがビスで固定されており、ケースは100mの防水性を確保しています。3時位置のリューズにはコンパスローズのモチーフが描かれ、9時位置にもポリッシュ仕上げのリューズガードのあいだに同じモチーフがリピートされています。そしてこのディテールは、ノーチラスのデザインを思わせますが、本機はシンメトリーな外観を保っています。

Alpine Eagle dial
Chopard Alpine Eagle Crown
Chopard Alpine Eagle Bracelet

 ベゼルのネジが少しずれることがあるのですが、これは時計のデザインに使われるネジの頭すべてに言えることです(例外として、ロイヤル オークはネジではなくボルトを採用。裏から固定するネジ式のナットは通常一直線にはならない)。そこで、本機ではそれが解決されました。縦長のサテン仕上げのケースバンド、テーパードブレスレット、ポリッシュ仕上げのセンターキャップ(個々のリンクはドライバーで簡単に取り外し可能)、そして各リンクのエッジにあるポリッシュ仕上げのファセットなど、この時計の仕上げの質を考慮すると、このような細部にこだわることは許されるでしょう。そしてもちろん、ショイフレ氏がその名の由来であることを認めてたワシの虹彩を思わせるテクスチャーの文字盤も健在です。

 文字盤こそ、このモデルが他と一線を画している特徴です。これは、グランドセイコーの文字盤に近いもので、深い稜線はより自然的な印象を与えるために(意図的に)凹凸になっています。この渦巻き模様は、まるで催眠術にかかってしまったかのような印象を受けます。サファイアクリスタル製のケースバックからは、ショパール自社製キャリバー01.01-Cを見ることができ、60時間のパワーリザーブを備えています。このムーブメントには22KYGのエングレーブが施されたセンターローターが配されています。

Chopard Alpine Eagle case back

 アルパイン イーグルは、無反射コーティングが施されたフラットなサファイアクリスタルを採用し、質感のある文字盤の細部や、スーパールミノバによって強調された金メッキの植字インデックス(ゴールドプレートのバトンスタイルの時針と分針も同様)をくっきりと見ることができます。ブロンズ製のアロー型秒針とイーグルフェザーのカウンターウェイトには、イエローゴールドのメッキが施されています。4時と5時のあいだの日付窓は文字盤と同じゴールドのディスクで表示されます。

 このブレスレットは、魅力的でありながら、かなり丈夫な印象でケースを延長するかのような主張をします。それは私の6インチの手首には明らかに大きすぎますが、あなたがこのサイズの範囲である場合、本機が41mmというよりも42mm的なつけ心地であることは注意が必要だと思います。また、本機にはバタフライクラスプが採用されており、これを閉じると非常に小さく控えめなショパールのロゴが刻まれます。

Chopard Alpine Eagle

 この時計は18金なので、相当な重さがあります。スティールモデルでは非常に洗練された印象のブレスレットも、イエローゴールドではよりがっしりとした印象になります。スペックは同じですが、重さが違うだけで、時計の質感が違ってきます。ショパールは2013年に、ブランドが懇意にしている鉱山から直接調達し、社会的にも環境的にも責任を持って運営している金、あるいは正しい認証を受けたサプライヤーから調達した金であるフェアマインドゴールドの使用をジュエリーや時計の製造に取り入れた最初のブランドのひとつだとショイフレ氏は説明します。2018年現在、同ブランドはフェアマインドゴールドのみを使用することを発表しています。

 この時計に対する私の全体的な賞賛は、もしかしたら予想通りだったのでしょうか。私はすでに気に入っている時計に非常に具体的な変化を求め、望んだものを手に入れました(まあ、私はまだ36mmを望んでいますが、ショイフレ氏は私に我慢するように言いました!)。他のブランドもこういった消費者の嗜好の変化に注目してくれることを願うばかりです。しばらく待っていますが、それが何かはわかるでしょう?

ショパール アルパイン イーグル 41 Ref.295363-0001 673万2000円(税込)
詳細は
ショパール公式サイトへ。