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Hands-On フレデリック・コンスタントなら予算内でスタイリッシュに世界中を旅できる

かつてワールドタイマーは超富裕層のものだったが、フレデリック・コンスタントはそれを変えようとしている。

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そろそろ年末年始の旅行シーズンだが、いつものようにトラベルウォッチがあればとつくづく思う。以前、私は他のタイムゾーンを計算するのが苦手だという話をしたことがある(アメリカの山地時間は私の悩みの種だが、それはそれとして)。私はGMTのファンだが、ワールドタイマーにはエレガントでロマンチックな魅力がある。

The Frederique Constant Worldtimer

 かつてワールドタイマーは、最も高価なヴィンテージ・コンプリケーションのひとつであり、新しいリファレンスであっても非常に高価であったため、手が届きにくいラグジュアリーの典型とされていた。しかし、近年、ノモスを筆頭に多くの新しいプレーヤーが市場に登場し、この複雑機構をより多くの人々が手に入れられるようになった。ワールドタイマーは視覚的に複雑な時計であり、特に久しぶりに使う場合は、しばしば混乱してしまう。一般的に非常に読みやすいバウハウススタイルのノモスのモデルであっても同じで、私は特にダイヤルとディスクがどうオーバーラップするのだっけといつも迷うのだ。

 フレデリック・コンスタントの登場だ。フレデリック・コンスタントのハイライフ パーペチュアルカレンダー マニュファクチュールは、一般的に高価な複雑機構と考えられている時計が、手頃な価格で手に入れることができる。その価値観から私は長いあいだ、このブランドに注目してきた。希少で高価な時計を見るのはもちろん好きだが、自分のプライベートな購入スタイルにおいては、常にお買い得な物手にしたいと思っている。

The Frederique Constant Worldtimer

 フレデリック・コンスタントのクラシック ワールドタイマー マニュファクチュールは、私の考える“お買い得”の定義にぴったりだ。スティール製で税込53万3500円から(私が試したモデルは53万3500円、日本未発売のローズゴールドの時計は1万8995ドル[約250万円]まで)、市場にあるほとんどのワールドタイマーより手頃な価格だ。また、ラインナップのバリエーションも豊富。セカンダリーマーケットでは、もはや現行コレクションにはないグレー、ブラック、グリーンの文字盤を見つけることができる。また、同社は新しいルックスのモデルをリリースし続けており、最近ではアメリカをテーマにした“Summer of '76”(76本の限定、日本未発売)のリリースやブラックPVDコーティングのチタンモデルの新作など市場特有のエディションがつい先週発表された。

 さまざまなモデルがリリースされているが、最大のセールスポイントは、私がコンプリケーションの原型と考えるパテック フィリップ Ref.5230を視覚的に想起させるようなデザイン言語であるというシンプルな事実だ。そして、その古典的な型にはまるのも不思議ではない。フレデリック・コンスタントの「クラシック」カテゴリーに属し、ラウンドエッジとカーブしたラグを特徴とする、より伝統的なケースシェイプを備えている。しかし、その本質を突き詰めたのは、文字盤のレイアウトだ。

The Frederique Constant Worldtimer

 ワールドタイマーのレイアウトをよりシンプルに、より見やすくするために、各ブランドはさまざまなアプローチをとってきた。しかし、私が思うに、どの方法も成功したとは言い難い。なぜなら、どの方法も最初から欠陥があるからだ。小さな文字盤に24のタイムゾーンを表示しようとするワールドタイマーは、どうしてもごちゃごちゃしてしまうのだ。しかし、車輪の再発明を試みるのではなく、基準都市を端に寄せるという伝統的なアプローチをとることで、ほかの23のタイムゾーンを無視し、ローカルタイムを確認することだけに集中でき、1日を過ごすことが容易になるのだ。GMTが大好きな私だが、多くの人にとって、ワールドタイマーの方が実用的だと思う。出張先で今何時か確認したいとき、ニューヨークのデスクでジュネーブや香港に電話をかけるとき、ふたつみっつのタイムゾーンだけでなく、全世界があなたの指先にあるのだから。

The Frederique Constant Worldtimer

 フレデリック・コンスタントのデザインの唯一の欠点は、パテックの「プラトニックな理想」とは異なり、日付が含まれていることだろう。確かに実用的だが、文字盤の6時位置にあるタイムゾーンの名称と時間の一部が見えなくなってしまう。これは、ノモスの時計が24時間表示で直面している問題のひとつでもある。フレデリック・コンスタントの配置は、3時位置ではなく6時位置に日付表示サブダイヤルを水平方向に対称に配置していることもあり、より調和がとれているように感じられる。より鮮明になった印象だ。

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 ケース内には、フレデリック・コンスタントが誇るマニュファクチュール自動巻きCal.FC-718が搭載されている。このムーブメントの開発について多くを語ることはできないが、38時間のパワーリザーブを持ち、振動数は4Hz。地板とテンプの下部には異なる半径のペルラージュが施され、トップブリッジには円形のコート・ド・ジュネーブの上に金メッキのエングレービングが施されている。フレデリック・コンスタントが目指したのは、まったく問題なく、仕事をこなすことだろう。

Finishing on the FC Worldtimer

 この時計は、42mmと直径がなかなか大きめではあるが、12.1mmの適度な厚みでバランスが取れており、圧迫感を感じさせない。また、22mmのラグ幅は、一般的なストラップに手が届かないかもしれないが、アリゲーターレザーストラップは快適でクラシックな雰囲気がある。また、付属のデプロイヤントクラスプは、いつもより高級な印象を与えてくれる。

Deployant on the Frederique Constant Worldtimer

フレデリック・コンスタント ワールドタイマーのデプロイヤントクラスプ。

Crown on the Frederique Constant Worldtimer

フレデリック・コンスタント  ワールドタイマーのリューズ。

 フレデリック・コンスタントがコードを解読し、10分の1の価格で3大ブランド時計の真の代用品を提供したと言っているのではない。一見しただけでも、仕上げにもっと求めたくなる部分があるはずだからだ。

 確かに、ディスプレイバックから見えるムーブメントは、かなりシンプルで工業的仕上げに見えるが、それは価格から予想されることだ。文字盤の印刷も鮮明ではないし、ケースもやや重く、とりわけ仕上げがいいわけでもない。しかし、不思議なことに、このモデルが廉価版であることを如実に示しているのは、スーパールミノバのアワーマーカーと針だ。アワーマーカーは文字盤の他の部分とうまく調和しておらず、夜光が塗られていないスティックインデックスで十分なのに、なんだか不要な感じがしてしまう。夜間の視認性が重要なのであれば、日付表示によって表示されていないみっつのマーカーも問題になってしまう。また、針が細く、昼間でもパッと見ではわかりにくいスーパールミノバを採用しているのも、夜光つきのワールドタイマーを必要とする人がいるのだろうかと疑問に思ってしまうのだ。ドレッシーなデザインを意識したのかどうかはわからないが、やや薄っぺらく、場違いな印象を受けてしまう。

The Frederique Constant Worldtimer. Photo by Tiffany Wade

 私の個人的な不満はともかく、ワールドタイマーというエレガンスは900万円、1000万円、1200万円(パテック フィリップのクロワゾネダイヤルの場合)のモデルを買える人だけのものであってはならないと思うのである。実際、最初にこの比較をあげたのは少し不公平だったのかもしれない。フレデリック・コンスタントの社員は、パテック、ジャガー・ルクルト、ヴァシュロン・コンスタンタン、あるいは他の誰かになろうという意図を持って、毎日を過ごしているとは思えないからだ。むしろ、彼らがずっと前に気づいたことは、このコミュニティの愛好家は、形もサイズも予算もさまざまで、その事実は、誰もがいろんな時計で素晴らしい経験をすることを妨げるものではない、ということだ。

The Frederique Constant Worldtimer

 このクラシック ワールドタイマー マニュファクチュールは、感動と価値を見事に両立させ、少し前までは手の届かなかった複雑機構を、エントリーレベルの愛好家に体験させてくれるだろう。

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さらに詳細を知りたい方はフレデリック・コンスタント公式サイトへ。