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本稿は2018年7月に執筆された本国版の翻訳です。
登場すると必ずと言っていいほどコメント欄から批判を受けるとわかっているひとつの機能があるとすれば、それは控えめな日付窓である。見た目の美しさ、視認性、デザインの優劣については多くの正当な主張があり、手首を見て日付が簡単に確認できることは、スマートフォンの時代においても実に実用的だ。重要なのはその機能を正しく実行することであり、幸いにも多くのブランドがそれを行なっている。ここでは、さまざまな種類の日付窓を持つ時計のなかから、再検討していただきたい5本の時計を紹介しよう。
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン、チタン&プラチナ – カーラ・バレット
オーデマ ピゲが高価なことも、このようなまとめ記事で高価な時計ばかりを選んでいることも、そしてそれが気取っていて腹立たしく感じていることも知っている。しかし、わたしはオーデマ ピゲが日付窓の付いたいい時計をつくっていると思っているから仕方がない。ほとんどの愛好家は日付窓を嫌うが、わたしはそれを楽しんでいる。なぜか? わたしはときどき日付を知る必要があり、それを手首で読みたいと思うからだ。いい日付窓を製作するための成功の鍵は、控え目さである。言うまでもなく、オーデマ ピゲ ロイヤル オーク(特にチタン&プラチナの新しいバージョン)は、常にダイヤルとマッチした日付窓と小さな文字が素晴らしい仕事をしてくれる。唯一の問題は、それがあまりに小さいため読むのが難しいときがあること。チームのほかのメンバーと同じように、HODINKEEのメガネを手に入れるときが来たようだ。
372万6000円(当時の販売価格)。
ベル&ロス BR V2-93 GMT – ジョン・ビューズ
ベル&ロスは、文字盤の全体的なデザインと調和しつつ読みやすさを提供するという難しいバランスを保ちながら、日付窓を提供している。BR V2-93 GMTは、うまく統合された日付窓の一例に過ぎないが私はそう感じるし、ベル&ロスのほかの多くの時計に同じ評価ができるだろう。ここでの基本的なアイデアは、日付を小さくし、タイポグラフィと配色をほかの文字盤要素とできるだけ一致させ、デザインを損なうことなく情報を提供することである。主にETAベースムーブを搭載するベル&ロスの生産は、世界を変えるほどの時計の技術革新を提供するわけではないものの、私はこのブランド、特にラウンドウォッチでは、現代の時計製造の価格帯で最高の時計デザインを提供していると思うのだ。
46万4400円(当時の販売価格)。現在は52万8000円(税込)
A.ランゲ&ゾーネ サクソニア・アウトサイズデイト – ジャック・フォースター
日付表示にはさまざまな方法があるが、基本的には3つのアプローチのいずれかに分類される。まず、時計が提供する情報のひとつとして扱うこと。その場合は数字を読み取りやすい大きさにして、慣習に従って3時位置に配置し、それ以上考える必要はない。2つ目は、それを必要悪として扱うこと。ある人気のヴィンテージモデルの新しいバージョンには日付がなかったとする。マーケティング部門は、その時計は日付があったほうが売れると言うのでそれを入れるが、できるだけ目立たないようにしようとする(その場合、一般的には申し訳なさそうに見えるだけでなく、美的にも失敗に終わる)。
3つ目のアプローチは、時計デザイン全体の必要な部分として扱い、適切に統合することである。1994年にランゲ1がデビューして以来、ランゲ&ゾーネは一貫して統率が取れた日付表示で業界をリードしてきた。新しいサクソニア・アウトサイズデイトは、ランゲ1のような躍動感はないものの、ランゲ1と同様、日付窓を全体の文字盤構成にいかにうまく組み込むことができるかという模範例である。そうすることで、その部分の総和よりも大きな全体の一部として成り立つのだ。
300万2400円(当時の販売価格)
ブレモン エアコー マッハ 3 – ジェームズ・ステイシー
6時位置にある日付窓。おそらくよくできたビッグデイト表示を除けば、シンプルで手間のかからない6時位置の日付は、文字盤のバランスを崩すことなく日付を入れるための最良の解決策である。ブレモンの美しいエアコー マッハ 3は、ブラックの日付表示がRAF(ロイヤルフォース)ブルー文字盤にコントラストを添えている。シンプルで控えめなこの日付窓はマッハ 3のクリーンなダイヤルデザインのインデックスや余白とほどよくマッチする。見やすく、控えめで、マッハ 3はそれがあることでよりよくなっていると思うのだ。
オリス ダイバーズ 65 デイト ブロンズベゼル – スティーブン・プルビレント
僕にとって、この時計は日付表示とのバランスが絶妙です。またデザイナーが1度に万人にアピールするために、どこかに隠そうとしたようにも見えません。6時位置に配することですべてがシンメトリーになり、ブラックのディスクにホワイトのプリントを施すことで、文字盤の下半分で大きなもののように目立つのを防ぎます。また、このインデックスがスリムで、ほかのインデックスよりも少し高い位置にある点が気に入っています。これによりほかのインデックスとの比率が保たれ、オリスはその下に小さな夜光を収めることができるのです。もし僕がデイト付きのダイバーズウォッチを手に取るとしたら、おそらくこの時計でしょう。
24万3000円(当時の販売価格)。現在は37万1800円(税込)
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