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Baselworld 2019 独立ブランドで最もクールな5つの新作時計たち

ワイルドにキメよう!

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毎年参加するバーゼルワールドの楽しみが、壮大なブースと国際的な有名ブランドが揃うホール1.0を離れて「レ・アトリエ」で過ごす数時間です。呼びやすい為にその名が付いたレ・アトリエだが、実際の場所は毎年変わります。そこでは、毎年数十から数百の時計をほとんど手作業で製造する、それぞれに異なる視点を持った最高峰の独立時計職人たちに会うことができるのです。ブースの数もちょうど良く、ウルベルク、MB&F、カリ・ヴティライネンといった名前が並ぶ。最高なのが、ブースに座って話すであろう人物が、まさにその時計の作家である可能性が高いという事です。

僕にとって昨日がまさしくその日であり、いくつかの素晴らしい時計を発見しました。クレイジーなモノがあればコンサバティブなモノもあり、中には想像がつかないような時計も。これからの数日から数週間にわたってさらに多くを取り上げますが、バーゼルワールド2019のレ・アトリエで発見した時計から特に素晴らしいものを紹介します。


サルパネヴァ ルネイション

フィンランドの時計職人、ステファン・サルパネヴァ(Stepan Sarpaneva)は、アーチ型の眉と力強い視線で描かれた特徴的な独自のムーンフェイズデザインで知られます。この時計でサルパネヴァは、物理的および論理的な意味を込めて中心にそのデザインを配置。これは彼が製作した初の自社製ムーブメントであり、周りを囲むキャリバーをデザインする前にムーンフェイズインジケーター機構の設計から始めたといいます。ムーンフェイズインジケーターは光ファイバーグラスを採用し、後部のスーパールミノバディスクをキャリバーの正面部に映し出すように見せる。背面の一連のスケールとストップセコンドを使用し、ムーンフェイズを設定すると、1万4000年ごとに1日という精度の高さを発揮します。そう、「年」です。個人的には普段遣いとしてこの腕時計をつけるかは分からないけれど、ステファンがこの時計を完成させたことを心底嬉しく思います。


グロネフェルド 1941プリンシピア

正直に言います。この時計は新しい訳ではないので、記事のテーマから少しズレるかもしれない。1941プリンシピアは2018年10月に発表されましたが、今日までメタル製のモデルに触れる機会がありませんでした。SS製でまだ3万ドル(約326万円)をほんのわずかに上回りますが、グロネフェルドのエントリーモデルとしてはもってこいの時計といえます。ルモントワール1941と同じケースが採用されますが、中にあるのは3針の自動巻ムーブメントです。キャリバーは他のムーブメントと同じ基準で仕上がっていて、そのレベルの高さは狂気にも思えてしまう程。ブラックポリッシュやグレイン仕上げ、面取りはすべて劇的で驚きに満ちていて、キャリバーには馴染みのある放射状フォルムが十分過ぎる技術力を見せつける。ダイヤルとケース素材には多少の選択肢がありますが、僕にはSSケースとサーモンダイヤルのセット以外考えられない。もし真剣に毎日着けて楽しめる腕時計を欲しいなら、この時計で間違いないです。

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ウルバン・ヤーゲンセン The One

ウルバン・ヤーゲンセンのThe Oneをコールが数週間前に紹介してくれたとき、僕はどう受け止めようか迷った。彼のブランドの方向性(アルフレッドのような時計)は好きな傾向だが、この時計は新たな出発点のように感じたからです。複雑な彫刻が施されたドレスウォッチケースでなく、きめ細かい文字盤でもなく、ブレゲ数字のインデックスも無い。その代わり、ウルバン・ヤーゲンセンはノーチラスやロイヤル オークを彷彿とさせるラグジュアリーステンレススティールスポーツウォッチを表現してみせました。全体の雰囲気は、結果的にとても良い印象が持てると正直に認めます(かなり懐疑的な気持ちでミーティングには参加)。ケースにはどこにも直線が見当たらず、全体的なデザインは重なり合う円と楕円でできている。ミドルブレスレットのリンクは語り合う価値がある構造です(この話の続きはまたするのでご安心を)。このような時計があなたの好みであれば、数分でいいから手首にはめて欲しい。必ず後悔しない経験になるでしょう。


ヴティライネン 28ti

もしも僕が“裏返しのカリ・ヴティライネン”とあなたに言ったら? この時計が、まさにその言葉通り。おなじみのVingt-8が裏返しになり、わずかながら再設計されたキャリバーを搭載しています。文字盤は廃され、裏返しに取り付けられた非常に美しいムーブメントを表面で見られます。通常はサファイアケースバック越しに眺めるムーブメント上に、時分針が行き来するという光景は圧巻です。時間の読み易さは理想的とは言い難いですが、その事にケチをつける人はいないでしょう。カリが生み出すムーブメントの“深さ”は素晴らしく文句のつけようがなく、彼は時計史においてムーブメント仕上げの達人の一人と言って間違ありません。時計をひっくり返すと、秒針とパワーリザーブインジケーターというさらなるサプライズが待っています。この構成で、限定8品のみがチタンケース製で製造されるとあり、この先、時計マニアにとって語り継がれる伝承時計になると感じました。


オートランス HLスフィア

これを自分の手首に着けるかって? いいや、着けません。クロックとして壁や机に置くかって? もしかしたら。この時計が存在し、これを作った独創的な科学者の存在が嬉しいかって? 当然! オートランスの新しいHLスフィアは見たことのないレトログラード分表示とジャンピングアワーが搭載されています。分針がダイヤルの下部に届くと、時間表示の球体が毎回450°回転して1時間進み、分針は帰零します。これは実際に見るとクレイジーそのもので、パワーマネージメントの観点からすればオートランスの時計職人はどのような気持ちだったのか考えたくもありません。きっと、頭痛の種だったはず。この時計に触れる機会があったら、必ず手に取って体感してみましょう。