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Introducing フォルティス アマディ20 2021年新作

火星への野望を宿した腕時計―人類が赤い惑星に到達するために、インパクトのある新型フォルティスがどのように貢献するのだろうか。

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オーストリア宇宙フォーラムがイスラエル宇宙局の支援を受けて実施する「アマディ20」(AMADEE-20)ミッションは、火星移住計画の取り組みの一部だ。このミッションはイスラエルのネゲヴ砂漠で行われる。これは「アナログ」シミュレーションと呼ばれるが、アナログ宇宙飛行士がデジタルツールを使わないという意味ではなく、地球上の環境を使って他の場所の環境をシミュレートする実験という意味だ。この場合、ネゲヴ砂漠が火星の風景の代わりとなるということである。

 また、このミッションにはデジタルではない「アナログ」要素があり、それを記念して作られたフォルティスの時計がある。44m径のチタン製のフォルティス アマディ20 クロノグラフは、ミッションで着用するために、多くのアナログ宇宙飛行士たちに支給される。この時計は宇宙飛行のために特別に設計されたもので、「MCB」(ミッションコントロールベゼル)と呼ばれる、カウントダウン式ベゼルの50分マーカーにある発光するルミナスポイントと三角形の目印を使って、10分間隔で時間を追跡することが可能だ。フォルティスによると、地球から火星への通信には約10分かかるため、理論的には火星の探検家や入植者は、このベゼルを使って地球との次の通信までの時間を把握することができる。さらに、12時位置には特大の30分計があり、ミッションで重要な作業のタイミングを計ることができる。もちろん、6時位置にはチームワークを高めるミッションパッチが貼られている。

フォルティスの宇宙進出のルーツ

 確かに、宇宙の時計といえばスピードマスターが有名かもしれない。スピードマスターは月に行き、今でも宇宙飛行士に支給されている。しかし、アメリカの宇宙計画以外にも、宇宙とのつながりをもつブランドは数多くある。フォルティスもその一つだ。

 NASAがオメガをパートナーに選んだように、ロシア連邦宇宙局も1994年にフォルティスを選び、宇宙飛行士たちにミッションで使用する時計を提供した。スターシティにあるガガーリン宇宙飛行士訓練センターの宇宙飛行士には、以前から「オフィシャル・コスモノート・クロノグラフ」が支給されている。スターシティは、モスクワの「ズヴョーズドヌイ・ゴロドク」という軍事・宇宙実験・訓練を中心とした閉鎖的な居住区にある。この時計が正式に命名されて間もなく、ロシアのミール宇宙ステーションへのミッション「ソユーズTM-19」で宇宙飛行士が着用した。その後、フォルティスの歴代モデルは、国際宇宙ステーションの標準装備品となった。

 アマディ20は、地球上での研究プログラムのために特別に設計された初めての腕時計だ。これは、2018年にブランドを買収し、昨年再スタートを切ったユップ・フィリップ氏が打ち出した、往年のフォルティスがもつ宇宙への遺産を復活させるというビジョンの一環なのだ(記事「フォルティス フリーガー F-43 バイコンパックス」参照)。

アマディ20と応用時計学

 今年の10月、ネゲヴ砂漠でミッションがスタートする。このミッションの目的は、将来の有人火星探査における制約条件や機会に関する情報を収集するために、アナログ環境を利用して、ミッション・アーキテクチャの開発を進めることだ。

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 アマディ20の実行には2つの関係者がいる。イスラエルの火星アナログ試験場のクルーと、オーストリアのミッションサポートセンターだ。ネゲヴ砂漠にある試験場の景観は、火星のマリネリス峡谷によく似ている。6名のアナログ宇宙飛行士たちは、4週間にわたって、オーストリア宇宙フォーラムが設定した4つの重要な目標に集中して取り組むのである。

•研究グレードの宇宙服シミュレーターを含む、ヒューマン-イン-ザ-ループを備えた機器とロボットビークルの同時展開を含む研究機器の動作を研究する

•生命探査や地球科学の技術を検証するためのプラットフォームや、高い状況認識力をもつロボット支援ツールの開発

• 惑星探査の可視化を促進する

• 現実的なミッションサポートの意思決定フレームワークを展開することで、火星への有人ミッションを管理するためのノウハウを進化させる

 オーストリアのインスブルックにいるミッションサポートのメンバーを含め、6名のアナログ宇宙飛行士全員にアマディ20クロノグラフが支給される。フォルティスは、アナログ宇宙飛行士の一人で、微生物学のバックグラウンドをもつアニカ・メーリス氏(Anika Mehlis)にスポットを当てている。彼女は、ミッション中の時計の性能に関するフィードバックをフォルティスに提供する。

次世代の宇宙時計

 フォルティスのアマディ20 クロノグラフは、宇宙開発と現代の時計の接点において、興味深い位置を占めている。NASAやROSCOSMOSの標準的な時計は、スピードマスター、スピードマスターX-33、フォルティス初のオフィシャル・コスモノート・クロノグラフ、フォルティスB-42の初期モデルなどがあるが、アマディ20は全くの別物だ。アマディ20は、オーストリア宇宙フォーラムと共同で開発された、火星での使用を想定したミッション専用の時計だ。スピードマスター(自動車レースと月面探査)のように、ある目的のために設計され、別の目的のためにも使用されるという時計ではないのだ。この時計は、エンドユーザーであるアストロノーツやコスモノーツを念頭に置いて、一から作られたものなのだ。

 アマディ20の場合は、テーマに沿った視覚的な演出がふんだんに盛り込まれている。例えば、文字盤の右半分には同心円状のリングがある。これは火星の軌道とその軸を表している。ケースバックには、火星が次の大きな飛躍であることを示す"The Next Giant Leap"のエングレービングが施されている。

 アマディ20を見ると、フォルティスが新しいスペースウォッチを楽しみにしていることが分かる。これまでのブランドにはなかったエッジが効いているのだ。その証拠に、商品サイトには、「月は20世紀のものです」(‘MOON IS SO 20TH CENTURY’ WATCH)という一文が書かれている。

アマディ20(AMADEE-20): 直径44mmのチタン製ケース(ベゼルを含む)、ミッションコントロールベゼル(MCB)付き。サファイアクリスタルには両面無反射コーティングが施され、リューズにはトリプルガスケットシステムを採用し200m防水を実現。チタンブロックブレスレットに加え、宇宙服の外側に装着することを想定した伸縮性のあるストラップ「フックストラップ」が付属。インデックスにはスーパールミノバを使用。ムーブメントには、バルジュー7750をベースにしたUW-50を搭載。時、分、秒表示、デイデイト、クロノグラフ機能を搭載し、48時間のパワーリザーブを備える。44万円(税込)。詳細は、フォルティス公式サイトへ。