Introducing フォルティス　ブルーインパルス限定モデル クロノグラフの638と3針の647 2020年新作

　フォルティスは、スイス空軍アクロバット飛行部隊PC-7チームをはじめ、世界の70以上もの飛行部隊のためにパイロットウォッチを制作してきた実績をもつブランドです。そんな同社から、2020年に創立60周年を迎えた航空自衛隊所属のアクロバット飛行チーム「第4航空団飛行群第11飛行隊」、通称ブルーインパルスを祝して、2つの限定モデルが発表されました。クロノグラフモデルの638ブルーインパルスと3針モデルの647ブルーインパルスです。

　ブルーインパルスといえば、新型コロナウイルスへ対応する医療従事者などに対する敬意や感謝を表するため、今年5月29日に都心上空を飛行したり、直近でも、航空祭の中止に伴って、8月19日に飛行訓練の模様をYouTubeでライブ配信するなど、とても話題になりました。読者の方の中にも、空を見上げたり、あるいは画面を通して、彼らの勇姿を目に焼き付けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

　今回のブルーインパルスとのコラボレーションモデルは、青と白のカラーリングを基調とするブルーインパルスの機体T-4をイメージしたもの。両モデルとも同社のオフィシャル・コスモノートシリーズの時計をベースに製造されました。シリーズ名の通り、宇宙飛行士に向けた時計です。これはフォルティスの時計が1994年にミール宇宙ステーションで公式時計として採用されたことから誕生しました。幾度となく宇宙飛行士たちとミッションに参加し、無重力になる宇宙空間での使用や、高い「G」つまり重力加速度に対する耐久性も実証されているモデルです。

　それでは、早速両モデルの詳細を見ていきましょう。

　638ブルーインパルスは、ブルーダイヤルを有した3レジスタークロノグラフです。特徴的なブルーの逆回転防止ベゼルのすぐ内側には、白地の細いタキメータースケールが配されています。文字盤上は、12時位置に30分積算計、6時位置に12時間計があり、9時位置にはブルーインパルスのロゴマークを用いたスモールセコンドを表示。ロゴマーク以外のサブダイヤルはコントラストの高いホワイトで視認性を向上しています。

　インデックスは全てアプライドで、12時位置にはパイロットウォッチでよく見られるドットと三角形を組み合わせた意匠も。また、3時位置にはデイデイト表示があり、その両脇には日付と曜日を調整する際のリューズの回転方向を表示する三角形（▼▲）のマークが付いています。

　ベゼル上のルミナスポイント、時分針、クロノグラフ秒針、インデックスはスーパールミノバが塗布されており、夜間での視認性も良好。直径42mm、厚さ16mmのケース内部には、さまざまなブランドに採用されている汎用ムーブメント・バルジュー7750を搭載。2万8800振動/時で駆動しパワーリザーブは42時間です。ねじ込み式リューズではありませんが、ダブルパッキンシステムを採用し、防水性能は20気圧を確保。

　ストラップは、標準のブレスレットの他にコーデュラナイロン製ストラップが付属。日本限定50本で、価格は36万円（税抜）です。

　647ブルーインパルスも、クロノグラフモデル同様に宇宙飛行士のために開発されたシリーズ、オフィシャル・コスモノートをベースとしたモデルで、その耐久性はいわずもがな実証済み。

　文字盤が全体的にブルーの638ブルーインパルスとは対象的に、本機は白メインのカラーリングが特徴ですが、全体的なデザイン言語は両モデルとも共通。クロノグラフモデルと共通デザインのブルーの逆回転防止ベゼルの内側には、647ブルーインパルス独自のブルーの24時間表記のチャプターリングが搭載されています。

　視認性の高いアラビア数字のアワーマーカーは全てブルーのアプライドで、ブルーインパルスのロゴマークが本機にも9時位置に配されています。ベースとなったオフィシャル・コスモノート同様にデイデイト表示の脇には調整の際の回転方向を表す三角マークもそのまま。夜光は、ルミナスポイントや時分秒針に塗布されています。

　直径42mm、厚さ13.5mmのステンレス製ケース内部には、自動巻き汎用ムーブメントETA2836-2を搭載。2万8800振動/時で駆動、パワーリザーブは38時間。防水性能は、クロノグラフモデル同様に20気圧です。

　647ブルーインパルスのストラップも、標準のブレスレットの他にコーデュラナイロン製ストラップが付属。日本限定50本で、価格は22万円（税抜）。

　2年間沈黙を守ってきたフォルティスから、先日フォルティス　フリーガー F-43 バイコンパックスが登場しましたが、新たに日本限定、それもブルーインパルスとのコラボレーションモデルが追加で発表されました。

　どちらも全体的にサテン仕上げが施された直径42mmのステンレススティール製で、T-4ブルーインパルスの機体のカラーリングや部隊が駆け抜ける大空からインスピレーションを受けたモデルです。両モデルとも、ロシア連邦宇宙局ROSCOSMOSの宇宙飛行士の公式装備品として提供された、同社のオフィシャル・コスモノートシリーズをベースにしています。強烈なGにさらされる、ブルーインパルス隊員たちの使用にも耐えうるスペックを備えているでしょう。

　ブルーインパルスと時計の世界とのつながりは強く、これまでも数多くのブランドからコラボレーションモデルがリリースされています。創設60周年を迎える2020年は、特にそのリリースも目立ちます。やはり青や白を基調としたモデルが多く登場していますが、ブランドによってデザインが異なるため見比べてみるのもとても興味深いです。フォルティスから登場した2モデルについては、よりT-4との結びつきを連想させる点が、個人的に好みです。

　実機ではまだ確認していませんが、クロノグラフモデルの638ブルーインパルスと3針モデルの647ブルーインパルスのプレス画像を比較しながら眺めていると、あることに気が付きました。確かにどちらもオフィシャル・コスモノートモデルをベースとしているのですが、一方はツールウォッチとして、もう一方はよりブルーインパルスそのものを楽しむ時計のように感じました。

　そう感じるきっかけとなったのは夜光にあります。638ブルーインパルスは、ルミナスポイント、全てのインデックス、時分針、そしてクロノグラフ針に夜光が塗布されています。特に時分針は夜間の視認性はもちろんですが、ブルーダイヤルと白く太い針のコントラストによって昼間の視認性も高いでしょう。クロノグラフという機能がそうさせるのかもしれませんが、より道具感を感じさせる仕様です。

　一方の647ブルーインパルスの夜光は、ルミナスポイント、時分針、そして秒針だけに留められています。インデックスには夜光が塗られていないため、視認性が高いとは言い難いです。昼間の視認性も、確かに太い針ではありますが、色が白いためホワイトダイヤルの上での視認性は高くはありません。

　両モデルとも重力加速度への高い耐久性が実証されたシリーズをベースとしていますが、もし僕がブルーインパルスのパイロットだったなら、おそらくクロノグラフの638ブルーインパルスを着けて飛ぶと思います。ですが、3針の647ブルーインパルスは、よりT-4 ブルーインパルスの白をベースとした機体に近しいデザインが感じられ、ファンにとってはどちらも魅力的なデザインに映り、とても難しい二択になると思います。悩まれている方は、いずれも50本限定ということもお忘れなく。

ブランド： フォルティス（Fortis）

638 ブルーインパルス

型番： Ref.638.10.11M.BI

直径： 42mm
厚さ： 16mm
ケース素材： ステンレススティール（316L）
文字盤色： ブルー
インデックス： アプライドのアラビア数字
夜光： あり、針、インデックス、回転ベゼル12時位置のマーク
防水性能： 20気圧
ストラップ/ブレスレット： ブレスレット、コーデュラナイロン製ストラップ付属。

647 ブルーインパルス

型番： Ref.647.10.11M.BI

直径： 42mm
厚さ： 13.5mm
ケース素材： ステンレススティール
文字盤色： ホワイト
インデックス： アプライドのアラビア数字
夜光： あり、針、回転ベゼル12時位置のマーク
防水性能： 20気圧
ストラップ/ブレスレット： ブレスレット、コーデュラナイロン製ストラップ付属

追加情報： 両モデルとも風防は、両面無反射加工が施されたサファイアクリスタル。

638 ブルーインパルス

キャリバー： バルジュー7750
機能： 時、分、クロノグラフ（30分積算計、12時間積算計）、デイデイト表示、スモールセコンド
直径： 30mm
厚さ： 7.9mm
パワーリザーブ： 42時間
巻き上げ方式： 自動巻き
振動数： 2万8800振動/時
石数： 25
クロノメーター認定： なし

647 ブルーインパルス

キャリバー： ETA2836-2
機能： 時、分、秒、デイデイト表示(曜日表示は英語とドイツ語表記を選択可能)
直径： 25.6mm
厚さ： 5.05mm
パワーリザーブ： 38時間
巻き上げ方式： 自動巻き
振動数： 2万8800振動/時
石数： 25
クロノメーター認定： なし

638 ブルーインパルス

価格： 36万円（税抜）
販売時期： 2020年8月発売
限定： 50本

647 ブルーインパルス

価格： 22万円（税抜）
販売時期： 2020年8月発売
限定： 50本

詳細は、フォルティス公式サイトへ。