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Introducing フォージドカーボンをデザインに落とし込んだG-SHOCK GCW-B5000UN

見た目も十分刺激的だが、G-SHOCKらしい思い切った作りには思わず舌を巻く。


クイック解説

 G-SHOCKの40周年は、カシオが近年特に力を入れているCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインの、挑戦に次ぐ挑戦を目の当たりにした非常に刺激的な1年だった。5000シリーズの立体的な造形にサーキットボードパターンを施したGMW-B5000TCCや、ステンレス素材の再結晶化と深層硬化処理を組み合わせたリクリスタライズドシリーズ、その再結晶化ステンレスの上からさらにレインボーIPをかけたMTG-B3000PRB-1AJRに、カーボンとグラスファイバーによるマルチカラーの積層フレームを採用したMTG-B2000YR-1AJRなどなど……、毎月のように繰り出される彩り豊かなリリースの波に翻弄され続けていた気がする。気がつけばもう11月だ。周年の幕引きも見えてきたこのタイミングで、カシオはフィナーレとばかりに、ベゼルパーツとバンドにフォージドカーボンを大胆にあしらったGCW-B5000UNを発表した。

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GCW-B5000UN-1JR(左)とGCW-B5000UN-6JR(右)。

 カラーは、ブラックのGCW-B5000UN-1JRとパープルのGCW-B5000UN-6JRの2種類が用意された。パープルのほうを見てピンときた人も多いかもしれないが、モチーフとしているのは“宇宙”だという。カシオは、進化を続けるG-SHOCKに想像を超えて広がる宇宙空間とを重ね合わせたデザインを与えた。GCW-B5000UN-1JRはブラックとグレーの混色模様で、GCW-B5000UN-6JRはブラックのカーボン繊維にブルーとピンクの着色樹脂、パウダー状のオパールを混ぜ合わせることで揺れ動く銀河の霞と星々を表現した。

 マテリアル以外のスペックは、既存モデルと変わらない。20気圧防水とタフソーラーを搭載したネガ液晶を持つデジタルウォッチであり、ワールドタイム、アラーム、フルオートカレンダーなどの基本的な機能に加えてモバイルリンク機能も備えている。サイズは49.1×45mmで、厚さが14.5mm。両カラーとも価格は29万7000円(税込)となっており、11月28日(火)に発売を予定している。


ファースト・インプレッション

 高強度と軽量性からモータースポーツや航空機製造の世界で重用されてきたフォージドカーボンは、短い繊維状のカーボン繊維を樹脂に含浸し、高温高圧でプレスすることで成形される。高い製造技術が求められる素材だが、その半面、複雑な形を作りやすいというメリットも持つ。その登場時は、ハイブランドの時計に見られる手が届かない素材というイメージが強かった。しかし最近では、ミドルレンジでもケースの全体や一部にフォージドカーボンを取り入れるブランドが増えつつあり、G-SHOCKでも2021年にフォージドカーボンのバンパーを装備したマッドマスター GWG-2000をリリースしている。

 だが、ベゼルのワンパーツだけならともかく、このGCW-B5000UNにおいてカシオは、ブレスのひとコマに至るまで(それこそバンドのディンプルまで正確に再現しながら)フォージドカーボンを仕上げてきた。G-SHOCKのようにマス向けのブランドで、ケースだけではなくすべてにフォージドカーボンを取り入れたブランドはちょっと思いつかない。MR-G(G-SHOCKの最高級ライン)において、細分化したケースパーツそれぞれ、それこそビスひとつにいたるまで硬化処理と研磨を徹底してしまうあの“やりすぎ感”を、僕はこのGCW-B5000UNにも感じてしまった。

 実はこの2モデルは、部位によって計3種のカーボンを使い分けている。まずは前述のとおり、ベゼルとブレスにはフォージドカーボンを使用。腕に沿って圧がかかるバックルの中留には、曲げに強い積層カーボン(薄く伸ばした飴細工のように、薄い層が重なっているのが見えるだろうか)を取り入れた。そして、今作ではカーボンファイバー強化樹脂によるカーボンモノコックケースを5000シリーズで初めて採用した。風防に用いたサファイアクリスタル以外、眼に見える箇所はほぼほぼカーボンで仕上げた形だ。結果として、GCW-B5000UNはG-SHOCKらしい堅牢性を維持しつつ、フルステンレスのメタルモデル GMW-B5000Dの167gに対して65gと半分以下の軽さを実現した。これは、直近の樹脂モデルであるDW-5040PG-1JR(リクリスタライズドシリーズ)と比較しても13g軽い。

 29万7000円(税込)と、MR-Gのゾーンに踏み込んだ価格には最初少々驚かされた。だが、GCW-B5000UNで使用されたマテリアル、そしてそれを実現するために支払われた手間と技術を考えると、さもありなん、という感じである。

 もし自分で購入するとしたら、と考えるとやはりブラックがソリッドでカッコいいと思う。だが、フォージドカーボンを素材とする、といったところからもう一歩踏み込んだデザインを行ったGCW-B5000UN-6JRは見事だ。まだ写真でしか確認できていないが、先日子供と見に行ったプラネタリウムを思い起こさせる、ロマンチックな色彩表現に目を奪われる。初めて見たときには、カーボンの上からお得意のプリントを施したのか? と思ったほど精細だ。昨年12月に行われたブランド40周年のプレスカンファレンスで、伊部菊雄氏は“未来のG-SHOCK”として過酷な宇宙環境に耐えるG-SHOCKの話をしていた。その足がかり……、というわけではないだろうが、40周年の締めくくりとして、この先の展開を思わせる面白いモデルが出てきたと素直にわくわくしてしまった。


基本情報

ブランド: G-SHOCK
型番: GCW-B5000UN-1JR(ブラック)、GCW-B5000UN-6JR(パープル)
直径: 45mm
厚さ: 14.5mm
ケース素材: フォージドカーボン
文字盤色: 黒
夜光: LEDバックライト
防水性能: 20気圧
追加情報: タフソーラー、ストップウォッチ、タイマー、アラーム、リマインダー(モバイルリンク機能)、携帯電話探索(モバイルリンク機能)、自動時刻修正(モバイルリンク機能)、ワールドタイム、UTC時刻表示、ホームタイムの都市入れ替え機能、バッテリー充電警告機能、パワーセービング機能、フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、操作音ON/OFF切替

製品は40周年のスペシャルパッケージで届けられる。


価格 & 発売時期

価格: ともに29万7000円(税込)
発売時期: 2023年11月28日(火)予定
限定: なし