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Introducing G-SHOCK 40周年の節目に、さらなる進化を果たした5000系の新シリーズ

5周年間隔で発表される5000系のスペシャルモデル。今シリーズの開発にあたって払われた労力は、計り知れない。


クイック解説

 2023年にG-SHOCKが40周年を迎えると聞いたときから、この発表を心待ちにしていたファンも多かったのではないだろうか。そう、5周年間隔で製造される、“初号機”ことDW-5000Cを想起させるアニバーサリーモデルだ。リクリスタライズドシリーズ(RECRYSTALLIZED SERIES)と名付けられた今作は、35周年に発表されたGMW-B5000シリーズをさらに進化させたフルメタルモデル2本を含む、全3型で展開。G-SHOCKの誕生月である来月、4月21日(金)に発売を予定している。

左から、DW-5040PG、GMW-B5000PS、GMW-B5000PG。

 リクリスタライズドシリーズでは、ベースとなるSS材に複数の加工を施している。まずは、数百度もの高温で熱処理を加えることによる再結晶化処理。これにより、滑らかだった素材の表面に不規則に破片を散りばめたような結晶模様が浮かび上がる。さらに、そこへ炭素ガスを浸透させる深層硬化処理を行うことで、素材の外側に硬化層を創出。この技術は通常、産業用マシンや車のギア、およびシャフトなど強度を求められる内部パーツに用いられるものだ。そして、最後にシルバーパーツにはTIC、ゴールドパーツにはIPの表面処理をオン。最終的に今作では、元のSS素材の3倍ほどになる表面硬度を実現したという。見た目上の質感はざらついているが、実際にはスムースで滑らかな質感が楽しめる。

シルバー、ゴールドモデルのベゼルとストラップ。それぞれ、左から順に再結晶化処理に深層硬化処理、TIC/IP加工がかけられている。

 再結晶化処理によるテクスチャの恩恵を分かりやすく受けているGMW-B5000PS、GMW-B5000PGに対し、DW-5040PGではバックルと遊環、ケースバック(ブラックIP)にのみ同加工を使用した。加えて、35周年モデル(DW-5035D-1BJR)まで樹脂(レジン)製であったケースとストラップは、直近でプロトレックやG-SQUADでも採用実績があるバイオマスプラスチック製に変更がなされている。また、DW-5040PGのみの仕様として、あいだにメッシュを挟み込んだゴールド液晶を搭載。液晶周りのレンガパターンもフルメタルモデルと比較して初号機(DW-5000C)に近しいものとなっており、PROJECT TEAM "Tough”のロゴと合わせて特別感を演出している。

左下(40分位置)のボタンに刻まれたスターマークは、3型共通のディテールだ。

ケースとストラップはバイオマスプラスチック製。

 サイズはDW-5040PGが48.9×42.8×13.8mm、フルメタルモデル2型が49.3×43.2×13.0mmと、DW-5000Cに近しい数値をキープ。価格はDW-5040PGが3万8500円、メタルモデル2型が12万1000円(すべて税込)となっている。


ファースト・インプレッション

 リクリスタライズドシリーズで施されたメタルパーツへの加工について。今回、僕たちはその工程について詳細をうかがう機会に恵まれた。SSの再結晶化処理に、深層硬化処理。テキストで書くと20文字にも満たない内容をクリアして生産ラインに乗せるために、カシオは足かけ3年の開発期間を必要としたのだ。聞けば、その大半が微調整に次ぐ微調整であった。

 実は以前から、ほかのモデルで再結晶化処理は行われていた。例えば、2022年に発売された通称“勝色”モデルもそれにあたる。このときは素材はチタンで、ベゼル部分のみに同技術が使用されていた。しかし、開発チームによると、熱処理による結晶化の条件はチタンと比較してSSのほうが格段に難しかったという。加えて、チタンで実現できていたものが、熱処理の温度から、使用する治具にいたるまで何から何まで違ってくる。今回のシリーズのために、カシオは大量生産に備えた専用の治具をいちから開発する必要があった。

再結晶化による模様の出方は、1本1本異なる。

 そして、当たり前のことだが、製品化にあたっては再結晶化した粒子のサイズは全パーツで揃っていることが望ましい。ベゼル、ケース、バックルに加え、微妙にサイズが異なるメタルブレスのコマひとつひとつまで、開発チームは個別に加工条件の検証を繰り返してきた。こうして書いているだけでも気が遠くなってくるが……、カシオは40周年の4月に間に合わせるべく、地道な開発を続けたのだ。シンプルに、敬意を示したい。

 元々は樹脂で製造されていたG-SHOCKの複雑な形状をメタルで表現する。その無謀さは多くの人が繰り返し語ってきたところなので、今回は割愛する。しかし、リクリスタライズドシリーズにかけられたのは、そこから+αもβもγもするような手間だ。GMW-B5000D-1JF(シルバー)が6万6000円(税込)なのに、今回のフルメタルモデルはその倍近くもするのか、と僕も最初は思った。だが、上記の話を聞いたうえで改めて見ると、割安ささえ感じてしまう。そして、初号機のルックスでこの質感を手にできるのは(おそらく)今回のみだ。モノトーンを基調としたコンサバティブな着こなしを好む僕は十中八九、ネガ液晶のシルバーモデルを手にするべく4月は奮闘していると思う。

 本コレクションにおいて、輝かしいPROJECT TEAM ”Tough”の刻印はDW-5040PGにのみ許された。ゴールド液晶を含めてデザイン的には当然でもあり、オメガ スピードマスターのごとくオリジナルに敬意を払ってブランディングを徹底するさまには好感が持てる。発売を迎えるまで確かなことは言えないが、周年の5000系を心待ちにしていたファンを中心として、DW-5040PGは瞬殺となるはずだ。

最もファーストモデルに近いDW-5040PGにのみ、PROJECT TEAM "Tough”のロゴを使用。

 だが、僕はそのフルメタルモデルにこそ価値を見出したい。2018年のG-SHOCKのフルメタル化は、当時まだファッションメディアに在籍していた僕にとってもセンセーショナルなものであった(会社のあった恵比寿界隈では、男女の別を問わず感度が高い人々がこぞって着用していた!)。今回はカシオ側もそこまで声高ではないものの、技術開発の面で着実な進化を遂げている。実物の質感は、今記事でアップした画像とは正直大きく異なる。皆さんが今モデルを実際に手に取り、その質感の高さに驚く顔が、今から楽しみである。


基本情報

ランド: G-SHOCK
モデル名: リクリスタライズドシリーズRECRYSTALLIZED SERIES)
型番: DW-5040PG(ブラック)、GMW-B5000PS(シルバー)、GMW-B5000PG(ゴールド)

直径: 48.9×42.8mm(DW-5040PG)、49.3×43.2mm(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
厚さ: 13.8mm(DW-5040PG)、13mm(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
ケース素材: バイオマスプラスチック(DW-5040PG)、ステンレススティール(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: あり、LEDライト
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット:バイオマスプラスチック(DW-5040PG)、樹脂モデルのディンプルデザインを用いた、ステンレススティールブレスレット(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)


ムーブメント情報

キャリバー: 電池式クォーツ(DW-5040PG)、タフソーラー クォーツ(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
機能: フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、ELバックライト(残照機能付き)、報音フラッシュ機能(アラーム/時報/タイマー連動発光)以上DW-5040PG、●アプリ「CASIO WATCHES」連携/自動時刻修正、簡単時計設定、ワールドタイム約300都市+オリジナルポイント、タイム&プレイス、リマインダー、携帯電話探索●バッテリー充電警告機能、パワーセービング機能、フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、操作音ON/OFF切替機能、日付表示(月/日表示入替)、曜日表示(英・西・仏・独・伊・露の6ヵ国語切替)、LEDバックライト(フルオートライト、スーパーイルミネーター、フェードイン・フェードアウト、残照機能、残照時間切替:2秒/4秒)以上GMW-B5000PS、GMW-B5000PG
パワーリザーブ: 約2年(DW-5040PG)、フル充電時からソーラー発電無しの状態で機能使用の場合 約10ヵ月、パワーセービング状態の場合 約22ヵ月(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
追加情報:再生紙、再生プラスチックを使用したスペシャルボックス(全モデル共通)、アプリとのBluetooth連携(GMW-B5000PS、GMW-B5000PGのみ)

GW-5040PG用スペシャルボックス。

GMW-B5000PS、GMW-B5000PG用スペシャルボックス。


価格 & 発売時期

価格: DW-5040PG 3万8500円(税込)、GMW-B5000PS、GMW-B5000PG 12万1000円(税込)
発売時期: 4月21日
限定:限定モデル、数は非公開

詳細は、G-SHOCK公式サイトへ。