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クイック解説
クロノファイター ヴィンテージ エマージェンシー ゴールドに続き、グラハムから新作となるクロノファイター スーパーライトカーボン トランスルーセントが登場。
グラハムが長期提携を結ぶスイスのパートナー企業と共同開発したカーボンベースの新素材、ライトウェイト・トランスルーセント・マトリックス(LTM)カーボンを採用。これは、赤く着色されたエポキシ樹脂に金属化したカーボンファイバー(コントラストを形成するためにブロンズに着色したものも含む)をインサートした素材で、赤い半透明の樹脂に炭素繊維そのものを可視化して閉じ込めた非常に軽量かつ斬新な見た目を備えている。
新素材のLTMカーボンのケースに加えて、ベゼルとクロノグラフを操作するためのファストアクショントリガーにはブラックカーボンを採用。可能な限り軽量なカーボンベースの素材を使用することで、47mmという大振りなサイズでありながら、ムーブメントも含めて時計全体で100g以下という数値を実現した。
ムーブメントはこれまでに登場しているシリーズと同じく、2レジスターの自動巻きクロノグラフ、Cal.G1790を採用。クロノグラフの輪列を文字盤から見ることができるスケルトン文字盤のため、その動きがダイレクトに楽しめるところは大きな魅力だ。
センターのクロノグラフ秒針、そして30分積算針とスモールセコンド秒針は赤く塗られており、さらにインダイヤルも文字盤の1段上に設けられているので、スケルトン文字盤として十分な視認性が確保されている。
ファースト・インプレッション
飛び抜けたアイデアを形にするという意味では共通しているが、先日紹介したゴールドインゴットを文字盤に埋め込んだクロノファイター ヴィンテージ エマージェンシー ゴールドとは打って変わって、本作は極めて大真面目なモデルである。
本作は、2015年に登場したクロノファイターコレクションのスーパーライト カーボンシリーズに新たに加わるモデルとなる。新素材のLTMカーボンがどのように加工されるかは今のところ明らかにされていないが、素材を作るのに手間とコストがかかる上に加工も難しいカーボンを、時計のケースとして使えるレベルまで仕上げるには複雑な工程を経て作られる。LTMカーボンはエポキシ樹脂も使用した素材のようだが、その加工方法に興味は尽きない。
ちなみに、筆者はバーゼルワールドでの取材時に、2019年に発表されたトゥールビヨグラフに触らせてもらう機会があった。トゥールビヨグラフは自動巻きクロノグラフとトゥールビヨンを備えたコンプリケーションモデルだったが、見た目の重厚感を裏切り、思わず声が出てしまうくらいその軽さに驚いたのをよく覚えている。
まだ、実際に時計に触ることが出来ているわけではないので想像に過ぎないが、トゥールビヨグラフが約158gだったことを考慮すると、今回登場した新作はさらに驚くほどの軽量化を実現しているのだろう。
筆者はサイズの大きな時計をあまり好まないが、それは大きさというよりも重さが気になるからである。大きな時計は総じて重くなる傾向が強いが、重たい時計はどうしても着けていて気になってしまう。だが、100g以下の重量なら大振りな時計でも興味をそそられる。
本作はどのような着け心地なのか。こればかりは実際に腕に乗せてみない分からないため、製品のデリバリーが非常に待ち遠しい。
基本情報
ブランド: グラハム(Graham)
モデル名: クロノファイター スーパーライトカーボン トランスルーセント(Chronofighter Superlight Carbon Translucent)
型番: 2CCCK.B41A.K92N
直径: 47mm
ケース素材: ライトウェイト・トランスルーセント・マトリックス(LTM)カーボン
文字盤色: ブラックスケルトン
インデックス: バーインデックス
夜光: 時・分針、アワーインデックス、分目盛にホワイトのスーパールミノバ
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット: ブラックラバーストラップ、セラミックピンバックル
ムーブメント情報
キャリバー: G1790
機能: 時・分表示、3時位置にスモールセコンド、クロノグラフ(センターにクロノグラフ秒針、6時位置に30分積算計)
パワーリザーブ: 48時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 29
価格・発売時期
価格: 135万円(税抜)
販売時期: 2020年10月予定
限定:通常モデル
詳細は、グラハム公式サイトをクリック。
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