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我々が知っていること
いわゆるローエンドとでも呼ぶべきウォッチボックスを目にしたこと、あるいは、実際に所有したことがあるだろうか? プラスチック製の蓋もしくは運がよければ非常に薄っぺらいガラスが使われており、なかに収められた時計を見せる窓がついているあのタイプだ。レペのウォッチボックスは、そのアイデアを見事に高級化している。まるでT.J.マックス(アメリカを中心に展開するディスカウントストアチェーン)ではなく、バーグドルフ・グッドマン(ニューヨークにある高級百貨店)のような格の違いを見せつけるアイテムだ。
レペのウォッチボックスは、完全機械式のディスプレイケースであり、時計を取り出す瞬間を特別な体験へと昇華させるアイテムである。透明なアクリルガラス製のケースは、収納された時計だけでなく完全機械式のリフトシステムの動きまでも魅せる仕組みだ。ボックスのボタンを押すと、まるで命を吹き込まれたかのように動き出し、ケースが開き、時計が持ち上がる。ケースを閉じると内部の機構が自動的に巻き戻され、次回もスムーズに使用できる状態に整う。この内部機構はすべてレペの専門技術によって自社開発・組み立てされており、同社の卓越した技術力を存分に示している。
ボックスの側面には、L'Epée by Winston Chapmanと記されたプレートが取り付けられている。チャップマン(Chapman)氏はデザイナーであり、アメリカ在住の時計コレクター、そしてHODINKEEコミュニティの長年のメンバーでもある。このプロジェクトは彼の頭のなかから始まり、ほかのコレクターたちから意見を集めたあと、紙にアイデアを書き起こした。そして彼はMB&Fの創業者マキシミリアン・ブッサー(Maximilian Büsser)氏に思い切って直接メールを送った。ブッサー氏はその提案に感銘を受け、チャップマン氏をレペのCEO兼クリエイティブディレクターであるアルノー・ニコラ(Arnaud Nicolas)氏に引き合わせた。こうしてチャップマン氏とレペは共に歩み出し、ついに今日の発表に至ったのだ。
我々の考え
これはウォッチメイキングにおけるクラフトマンシップと、インダストリアルデザインの融合を愛する人々に向けた製品である。レペは日々の習慣である時計を手に取るという単純な行為を、栄光に満ちた特別な瞬間へと昇華させた。この透明なケースは、収納された時計とボックス内部の精巧な機構の両方を際立たせ、閉じている状態でも鑑賞価値の高いディスプレイとして存在感を放つ(1万2000ドル、日本円で約185万円のウォッチボックスなら当然期待されることだろう)。
これは明らかに、熱心なコレクターを対象としたニッチな製品ではあるが、大切なタイムピースを際立たせるユニークな方法であるのは間違いない。時計を単なる道具以上の存在として捉える愛好家にとって、レペのウォッチボックスは触覚的にも視覚的にも魅力的な体験を提供する。確かに必需品ではなく、少し風変わりなアイテムだと言えるかもしれない。それでもなお、この製品が圧倒的に素晴らしいものであることに変わりはない。
これからの人生、ウォッチボックスを開けるたびに少し物足りなさを感じるだろう。どこかで誰かが、ただボタンを押すだけでレペの素晴らしい機構にすべてを任せる、そんな贅沢な体験をしていると知っているからだ。
基本情報
ブランド: レペ(L'Epée 1839)
モデル名: ウォッチボックス(Watch Box)
サイズ: 長さ215mm、幅150mm、高さ140mm
ケース素材: アクリルガラスおよびステンレススティール
価格 & 発売時期
価格: 1万2000ドル(日本円で約190万円)
詳しくはこちらをご覧ください。
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