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Introducing レジェップ・レジェピ 世界限定10本のルビーインデックスのクロノメーター コンテンポラン II

クロノメーター コンテンポラン IIが、現在製造されている時計のなかで最も優れたものである可能性があり、そしていま、レジェピ氏はラインナップを拡大した。


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レジェップ・レジェピ(Rexhep Rexhepi)が数々の賞を受賞したクロノメーター コンテンポランを発表してから、もうすぐ2年になろうとしているのは信じがたい。時計はふたつのバージョンで登場し、いずれも38mm×8.75mm(風防を除く)で、ヴォーシェ社(Vichet)製ケースのような表情豊かなシェイプをしている。ひとつはブラックのグラン・フー・エナメル文字盤にアイボリーエナメルのマーキングが付いたプラチナケース、もうひとつはローズゴールド製ケースにアイボリーのグラン・フー・エナメル文字盤、ブラックエナメルのマーキングというバリエーションだ。当時は各ケース素材50個ずつ、計100本の限定生産であった。CCII(クロノメーター コンテンポラン II)の最初のピースは納品され始めており、次の2週間で17ピースが配送されるとレジェピ氏は語った。しかし彼のペースは落ちていない。

Rexhep Rexhepi

工房でのレジェップ・レジェピ氏。

 Only Watchのための新しいアンチマグネティックピースのリリースに加えて、レジェピ氏はルイ・ヴィトンと協力してLV RR-01を開発。今後も多くの作品を発表する予定だ。その“多く”のなかには、少し“特別な要素”を加えたCCIIのふたつのバージョンがあり、これによってRR CCIIの総数が拡大されることになるだろう。SJXは昨年11月、ブラックエナメルダイヤル上のローマ数字の代わりに、5つのダイヤモンドインデックスを採用したプラチナモデル、クロノメーター コンテンポラン II ディアマンテを発表した。昨日の朝、レジェピ氏の工房を訪問した際、彼は私たち(幸運なベン・クライマーと私)に新しいRR CCII “ルビー”を披露してくれた。その数時間後、ジュネーブで開催された彼のコレクターの小さな集まりに出席しているときに、Instagramでそれがシェアされた。当然のことながら、この時計は大きな反響を呼んだ。

RRCCII Ruby

 ディアマンテと同様に、ルビーで装飾された新しいグラン・フー・エナメル文字盤は、同じセクター風ダイヤルを維持し、縁には時・分マーカーがあり(エナメルにコントラストをつけるのに十分な厚さでありながら、エナメルを強調しすぎない程度の薄さ)、インナートラックは10分間隔で目盛りが打たれ、それぞれのエリアを覆うルビーの周りを巧みに避けている。これらの小さな変更により、はるかに現代的な時計に仕上がっているのに対し、幅の広い隙間とローマ数字が、“スタンダード”モデルにヴィンテージ感を与えるのと比べて、どれほど異なるかは驚くべきことである。

RRCCII Ruby

 ディアマンテでは、スモールセコンドのサブダイヤルから手彫りのグラッテ模様が取り除かれたが、ルビーのほうでアイボリーグラン・フーは変更されていない。しかし実物を見てみると、太陽の下ではクリーミーな色合いから、日陰では骨のように白い色へとすぐに変化した。シグネチャーの針もかなり似ていて、ほとんどの光の下では暗く見えるのだが、よく見るとルビー調の仕上げになっている。ほぼ気づかないかもしれないが、無意識のうちにある種の調和を生み出すだろう。

RRCC2 Rubies and Normal

左が“スタンダード”なRR CCII、右が新しい“ルビー”。

RRCCII Ruby
RRCCII Ruby

 このようなデザインの選択は、ジェムセッティングを渇望するように見える現代の風景への移行の一部というよりは、パテック フィリップのようなブランドが、厳選したピース(通常はトップクライアントのために作られたユニークピース)に宝石インデックス(ダイヤモンド、エメラルド、ルビー)を付けていた、ヴィンテージピースの長い(希ではあるが)系譜を継ぐ時計なのだ。昨年、私は、ペルー・リマにある小売業者Casa Welschのためのパテック 2424Pなど、オークションやコレクターの手首にあるこれらの希少な作品をいくつか見た。しかし、この慣習は現代まで続いており、ダイヤモンドインデックスを備えたパテックの5170Pや、オークションに登場したカスタムオーダーのRef.5004R、3974R、3939Rのセットなどにはすべてルビーインデックスが配されていた。ルビーはサウード国王のお気に入りでもあったようで、彼は文字盤に自身の顔を描いた、ルビーインデックスの懐中時計や腕時計をいくつか注文していた。

 ラウンドやプリンセスカットの宝石は華奢に感じることがあるが、これらの宝石で採用される長いバゲットカットは、RR CCIIバージョンをはるかに現代的に感じさせる。これは、レジェップ氏がヴォーシェ社に触発されたロングラグのケースと、3年間の調整を経て、現代のスタイルに適したバージョンに落ち着くという決定とのあいだで打ち出したバランスと似ている。ケースは横幅よりも縦幅のほうがやや長めになっており、絶妙なプロポーションとラウンドダイヤルを保ちながら、表情を変えている。また、必ずしも全員の手首のサイズに合うとは限らないが、時計の着用感を驚くほどよくし、小さな手首から大きな手首まで適応する。ケースにはJPHと刻印もあり、伝説的なジャン=ピエール・ハグマン(Jean-Pierre Hagmann)氏が84歳になった今も熱心にケース製造を監督していることが分かる。

RRCCII Stamp
RRCCII

 内部にはCal.RRCC02が搭載されており、市販されているものと同じくらい(あるいはそれ以上)精巧に仕上げられている。ムーブメントには今流行っているような、見惚れるようなもの(ボンベスタイルのアングラージュ、内角に内角を重ね、スポークとインナーエッジに手作業で施した面取りが施されており、その結果、両輪列の全体にわたって140°の内向きの角度が形成されている)ばかりが揃っているが、インターネット上の誰かが自分の時計の趣味を“証明”するために投げかける言葉ではなく、何かを意味するような方法で行われている。確かに、それは効果を目的とした仕上げであるが、それはまたどうあるべきかという点でも、完璧に仕上げられている。

The RRCCII

RRCC02ムーブメントを搭載した、RR CCII ディアマンテ。

RRCCII

 時・分・スモールセコンドに加えて、リューズを引くとムーブメントが停止し、秒数がゼロにリセットされるストップセコンドゼロリセット機能を搭載している。このムーブメントは、堅牢なドテピン受け(レバー脱進機の動きを制限して振動範囲を正確に設定する部品)を備えたスイス製レバー脱進機と、8本の慣性ネジ、4本の調整ネジ(テンプに取り付けられる微調整用のねじ)を備えた、フリースプリング式の調整可能なマスロットテンプを特徴とし、ブレゲひげゼンマイの終端曲線に取り付けられている。

RRCCII

 この時計について延々と語ることが出来る。すでにそうしてきたし、おそらく別の日にもするかもしれない。快適さからクラフツマンシップに至るまで、RR CCIIは現在つくられている時計のなかで最高のものだと心から信じている。先月、10本あるディアマンテのうち2本を見た。私の個人的な好みでは、ダイヤモンドのほうが驚くほど繊細で汎用性がありながら、ルビーのRR CCIIはよりエレガントであり、もしかしたら少し女性的なオプションかもしれない。しかしこれは、すでにRR CCIIを手に入れることが決まっていて、わずかな変更を申し出た幸運なレジェピ氏の長期サポーター10人にのみ提供されるものだ。

 これでRR CCIIの総数は少なくとも120本となり、ほとんどの人にとってはまだ手に入らないものだが、もしチャンスがあれば、わざわざ見に行く価値はあるだろう。

詳しくはレジェップ・レジェピの公式ウェブサイトをご覧ください。