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Buying, Selling, & Collecting オメガ ダイナミックは最も過小評価されているオメガのクロノグラフか?

確かなのは、最も楽しいということだ。


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もし我々がある種の(マニアックな)時計用語の連想ゲームをしていて、私がオメガのクロノグラフと言ったら、間違いなくあなたは(マニアックに)興奮気味に「スピードマスター!」と叫ぶだろう。そして、その架空の(マニア的)ゲームのラウンドでは、我々は絶対に勝つだろう。しかし、ムーンウォッチを世に送り出したブランドのクロノは、もちろんそれだけではない。実は、オメガの過去のコレクションには、1960年代からときおり登場しているものがある。それはダイナミックというモデルだ。今回は、1990年代後半に短いあいだ発売されたクロノグラフのバリエーション、Ref.5240.50.00をご紹介しよう。ネオヴィンテージとヴィンテージのあいだを行き来しながら、おそらく最も過小評価され、もっとも見過ごされてきたオメガのクロノグラフだ。

 オメガのダイナミックには、長いあいだに色々なことがあった。このコレクションは、ロレックスのミルガウスが控えめに見えるような、変わっていて王道から外れたデザインで知られている。

 その始まりは1960年代の最初のシリーズである。サイケデリックな文字盤と楕円形のケースを特徴とするこの時計は、1970年代まで続いた。このモデルは、その20年間のエッセンスを、奇抜で実験的なスタイリングで表現していた。1980年代半ばには、ファンキーなベゼルとクォーツムーブメントを搭載した第2シリーズが登場し、ダイナミックの名を復活させた。ダイナミックレンジ(オーディオファンの方へのちょっとしたジョーク)に共通しているのは、初期のシリーズ1と2は視認性を重視しているということだ。これらは3針のデイトモデルで、クロノグラフではなかった。

1968年のオメガ ダイナミック シリーズ1。

 シリーズ2は、すべての物事がそうであるように終了したが、それはダイナミックの終わりではなかった。

 1997年、オメガはダイナミックコレクションのカタログ上での位置づけを完全に再構築した。かつてはほとんど未来的で、超モダンで、芸術的な表現の時計だったものが、大幅に縮小され効果的にリブランディングされて再び発売された。それがオメガ ダイナミック シリーズ3だ。今回は、単なるタイム&デイトモデルではなく、2種類が用意された。オメガは予想に反してダイナミック クロノグラフを発表したが、2つの時計は同じ外観要素を共有していた。どちらのモデルも、同じブラックのダイヤル、同じスタイルのアラビア数字や38mmのケースサイズ、そして6時位置にある紛れもないダイナミックのワードマークが特徴だ。

 ダイナミックのシリーズ3は、コレクション全体に衝撃的な変化をもたらしたものの、長期的な生産には至らなかったことを言及しておきたい。新しいミレニアムを迎える頃には、ダイナミックはすっかり姿を消してしまい、今日に至っている。残念だ。なぜならその不在のあいだに、10年以上前からこの時計を賞賛してきたフォーラムを読んでいる、少数の愛好家以外には忘れ去られてしまったからだ。私自身も、この時計を手にするまで、彼らの意図をよく理解していなかったのだが(オメガ風味のクールエイドをたっぷりと注ぐ)。

 文脈的には、オメガがこのモデルで何をしたかを真に理解するために、60年代、70年代、80年代に発表された最初の2つのダイナミックコレクションの、モダンなデザインの精神を振り返ることが重要だ。前作のミッドセンチュリーフューチャリズムとは異なり、このダイヤルデザインは第二次世界大戦のパイロットウォッチを彷彿とさせるもので、それはもちろん視認性の高さを意味している。この文字盤のすべてが読みやすいように設計されている。太くて黄色い、プリントの(そして完全に夜光が施された)ブレゲ式数字と太いスウォード針を見てほしい。オメガは、ブレゲ・スタイルの雰囲気を醸し出す書体を、ダイナミックのワードマークに使うことができたようだ。

 この時計には、視覚的に面白い要素がたくさん詰まっている。もちろん、黄色がかった数字はトリチウムでコーティングされているし、針も同様だ。興味深いことに、オメガがスーパールミノバに切り替えたのは、この時計が製造中止になる直前の1998年頃だった。そのため、白い数字のモデルと黄色い数字のモデルが存在する。アラビア数字のイエローと、根元に矢印のあるクロノグラフ針のイエローとでは、明らかにトーンが異なる。このイエローは、レイルロード式のミニッツトラック上の数字や、30分積算計のイエローともマッチしている。

 12時位置には、オメガのロゴが独立して配置されている。こうした時計は、表示される情報が多いためにデザインが煩雑になると思いがちだ。しかし、インダイヤルが2つしかないことや、色のコントラストが効いていることで、38mmという小さなサイズでありながら非常にバランスのとれたデザインに仕上がっている。これは、ベゼルがないこと、つまりタキメーターやパルスメーターの目盛りがないことにも起因している。パイロットにそんなものは必要ないし、率直に言って私にも必要ない。

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 正直なところ、こんな感じのモデルはもう作られていない。38mmというケースサイズのことだ。最近の多くの時計、特にクロノグラフはサイズが43mm、あるいは44mm以上に膨れ上がっている。オメガの自動巻きクロノグラフの多くは、まさにその44mm以上のサイズであり、正直言って、多くの普通サイズの手首には向いていない。

 ダイナミックは、デザイン、フィット感、仕上げの面で非常に多くのものを提供しており、なぜ高い収集価値が出ないのか、価値が急上昇しないのか不思議に思うほどだ。多くの点でそれは時間の問題だと思うが、同時にこの時計には機械的な面で興味深い欠点があり、それが収集価値の過熱を妨げている可能性がある。

 本機に搭載されているのはオメガのCal.1138(ジョージ・ルーカスのデビュー作とは無関係)で、基本的にはETA2890A2を改良したものだ。これはクロノグラフではなく、そこに問題がある。このムーブメントにはデュボア・デプラ社の2030クロノモジュールが搭載されており、その結果、厚さが13mmと、このケースサイズにしてはかなり大きくなっている。多くの人にとってこの情報は障害にはならないが、オメガのクロノグラフに対して、ムーンウォッチの歴史的意義や321のような有名なキャリバーにのみ興味が湧く人たちには、躊躇することかもしれない。

 機能的には、この時計のプッシャーを操作しても、ムーブメントを内蔵した他のクロノとの違いは感じられない。動作はスムーズで、すべてが決められたとおりに動く。しかし、時計を横にしてリューズ側の側面を見たときに、リューズとプッシャーが明らかに水平ではないことから、モジュール性が際立ってしまう。時計を真正面から見ても、プッシャーは平均的なクロノグラフよりも高い位置に見える。まるで古いテレビのアンテナのように。

 ケースの仕上げに関しては、ダイナミックは非常に優れている。全体的にサテン仕上げが施されていることからも、このモデルは徹頭徹尾ツールウォッチなのだ。私はこの点を高く評価している。最近のトレンドは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせることで、スポーツウォッチやツールウォッチをよりラグジュアリー寄りな製品に変えてしまっている。このモデルにはポリッシュ仕上げがない。そして、このアイデアは、60年代のレトロな雰囲気を持つブレスレットにも反映されている。実際、オメガが今年、スピードマスター ムーンウォッチのために復活させたブレスレットのデザインと基本的に同じに見える。その時計も気に入ったが、これも気に入っている。非常に快適で、この時計にぴったりなのだ。

 クラスプについても同じことが言えるといいのだが。念のために言っておくと、私は型押しのクラスプデザインに何の抵抗もない。私はヴィンテージウォッチが好きで、基本的にそれが主流だ。ここで私が不満に思うのは、クラスプの筐体そのものだ。ラッチとアンラッチのための開口部は、マークがないだけでなく開けにくい。カチッと閉めなければならないとき、中心にあって閉じられるかどうか何度も試してみる必要がある。基本的に、腕につけているあいだにこれが落ちてこないという絶対の自信は持てない。でも、それもヴィンテージの魅力のひとつだと思っているけれど。

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 このダイナミックのように生産期間の短い時計には、コレクション性を高める可能性のある興味深いバリエーションがいくつかある。ひとつは、イエローとホワイトの数字か、トリチウムとスーパールミノバかの文字盤だ。もうひとつは、30分積算計に施された小さなデザインだ。この写真のモデルでは、ミニッツトラックはサブダイヤルの外側に配置されている。また、この時計には、ミニッツハッシュマークをインダイヤルの内側に配置し、ミニッツマーカーを避けて数字を表示するバージョンもある。このように、ウォッチハントの楽しみ方はさまざまだ。自分に一番合ったバージョンを選べばいい。

 手首の上では、オメガのダイナミックはまるでつけていないかのようだ。現代のすべてのクロノグラフがこのようなサイズであればいいのに、と思わせるような楽しい着用感だ。数字のスタイルや、複数のポップなイエローが、この時計をとても楽しいものにしている。この時計をつけていると、文字盤を見つめるために時間を確認している自分に気がつくのだ。

  オメガが、このミレニアム時代に作られたゴーストを復活させたとしたら、私はショックを受けるだろうか? オメガは、文字盤にあらゆるクロノグラフスケールを搭載した新しいスピードマスターを発表したばかりのブランドだから、ショックではないだろう。もし復活せず、過去の遺物として残ったとしても、時が経てばコレクションとしての価値は高まると思っている。そして、これは金庫に入れておくような時計だとは思っていない。そんなことをするには楽しすぎる時計だ。もしあなたがこれを探し出して手に入れるチャンスがあるなら、私はこうアドバイスする。つけて楽しもう。

Photos, Kasia Milton

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