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私が10代前半の頃、時計好きでない友人や親戚(地球上のほとんどの人がそうであることを忘れがちだ)は、私が時計に夢中になっていることを知ると、フォッシルやスイスアーミーなど、よく"(ショッピング)モールの時計"と言われるものを、祝日や卒業式など人生のさまざまな節目でプレゼントしてくれるようになった。彼らの寛大さには深く感謝している(時計に対するさらなる興味とつける楽しみを与えてくれた)。しかし、本格的に時計を集めるようになり好みが変わってくると、それらの時計から早々に卒業してしまった。
2021年のマラソン × J.クルー ナビゲーターが2001年に存在していたら、おそらく私はこの時計を所有していただろう。そして時計の好みが微妙に変化していくなかでも、パージされるいくつかのタイミングから逃れ、生き残っていただろう。これは、時計の世界では奇妙な立ち位置にある。真面目な時計メーカーの真面目な時計だが、同様に真面目とは言えないファストファッションのショッピングモールチェーンで売られているのだ。今日、モールに入ってフロアガイドを見て、J.クルー(Auntie Anne's pretzelsのすぐ近く)を見つけたら、湾岸戦争で使用されたマラソン ナビゲーターの信じられないほど面白いモデルを手に入れることができるのだ。
マラソン社の時計は、世界中の兵士や科学者、政府職員などに広く支給されている。これが彼らの中心的なビジネスモデルだ。オンラインでの販売も行っているが、それが主要な事業ではない。私は1年以上にわたってマラソンの時計を試してきたが、その品質は確実に守られている。
だからこそ、マラソンがJ.クルーのようなブランドと組むのは珍しいことだと思ったのだ。マラソンは静かに謙虚に活動しているし、真の軍用時計であり続けている。一方、他の多くのブランドでは、軍とのつながりや役割について、元の話を誇張して説明しているところが多く見られる。
しかし、見方を変えれば、このパートナーシップには大きな意味がある。
このサイトでは、軍服をカジュアルに着こなすことを非難するコメントをたくさん見てきた。それはわかる。しかし、我々が身につけているものの多くは、実は何らかの形で軍事的な伝統に由来していることを忘れてはならない。1635年に始まった三十年戦争で戦ったルイ13世のクロアチア兵は、制服の一部として首に布を巻いていた。現代のネクタイが存在するのは彼らのおかげなのだ。カーゴショーツ、レイバン、コンバットブーツ、タンクトップ、ボンバージャケットなどは米軍から始まったもので、広く着用されている。海の向こうでは、1858年からフランスの水兵に支給されている紛れもないマリニエール、つまりブレトン(バスク)シャツがある。私のお気に入りのニットウェアブランド、North Sea Clothingは、英国軍の伝統を取り入れている。
また、ファッションやツールにかかわらず、すべての腕時計のルーツはミリタリーにあるとも言える。というのも、計時の場所がポケットウォッチから手首に移ったのは第一次世界大戦だったからだ。
ミリタリーデザインはファッションの大きな要素だ。そして、J.クルーがミリタリーテイストの時計を販売するのであれば、現代のミリタリーウォッチの製造に最も精通したメーカーに依頼するのは当然と言える。
新しいマラソン x J.クルー ナビゲーターは、今買える "モールウォッチ "のなかで最も興味深いものだ。なぜなら、最初から他とは非常に異なるものだからだ。それは何十年も前から兵士たちに使われてきた実用品だ。実際、ナビゲーターは今も世界中の様々な部隊に支給されている。MIL-PRF-46374Gというアメリカ政府の規格に準拠して作られており、1986年にケリー空軍基地の関係者の要望で設計・製造された。湾岸戦争ではアメリカ軍と連合軍の手首に装着され、それ以来、ほぼすべての軍事行動で使用されている。
本機はツールウォッチのよさをすべて備えている。しかも、J.クルーのポロシャツやナンタケット・レッドに合うようなプレッピーな雰囲気も醸し出しているのだ。
41mmのファイバーシェルは標準のブラックからネイビーブルーに変更され、J.クルー社製のダークブルー/グレーブルーのストライプのNATOストラップがついてくる。文字盤にはアラビア数字ではなく、サブマリーナースタイルの標準的なインデックスが採用されている。内部にはETA社製でハイトルクのクォーツムーブメントを搭載している。
ファイバーシェルのケースは手首に軽く、装着するのがとても楽。思わず手首を振って、時計がそこにあるか確かめるほどだ。J.クルー仕様のNATOストラップは、いい意味で他のNATOストラップと同じである。ナイロン製で、いくつかの金属製の金具が付いている。箱から出したばかりの状態では硬いので、少し慣れる必要があるが。
高校生の頃に欲しかった時計でもあり、現在でも確実に愛用できる時計でもある。一見すると矛盾するような2つの要素が一緒になって、楽しいものを生み出すことができると証明している。両社の貴重な時間を無駄にしてしまうような、存在してはならないコラボレーション限定モデルはたくさんあるが、これは違う。ショッピングモールに行ってみよう。私はプレッツェルスタンドにいるかもしれない。
マラソンx J.クルー ナビゲーターは41mmで、ブルーのケースと文字盤デザインは、J.クルーとのコラボレーション限定。定価は380ドル(約4万1850円)で、J.クルー店舗およびオンラインショップで購入できる。内部にはETA F06クォーツムーブメントが搭載されており、多くのマラソンウォッチ同様、文字盤には発光するトリチウムガスチューブが使用されている。12時の位置がオレンジに、その他のマーカーはグリーンに光る。スイス製。
Photos: Spenser Heaps
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マラソン×J.Crewナビゲーターについての詳細はを。
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