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Watching Movies ティム・アレン『ギャラクシー・クエスト』でロレックス デイトナを着用して宇宙へ

待ちに待ったバズ・ライトイヤーとコスモグラフのクロスオーバーが、今週の時計関連映画だ。

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ティム・アレンは1990年代に一世を風靡した。TVシリーズ『ホーム・インプルーブメント(Home Improvement)』の主役から『サンタクローズ』での変幻自在の演技まで、興行的にも重要な役割を担った。ピクサー映画の屋台骨となった『トイ・ストーリー』ではバズ・ライトイヤーの声を担当し、2度のWatching Movies掲載に輝くトム・ハンクスとも共演した。しかし、これがアレンの「無限の彼方へ!」の最後の挑戦ではない(トイ・ストーリーの続編のことではないよ)。

 90年代が終わる直前に、実はアレンはもう1本、非常に特異なSFコメディ『ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest)』(1999年)を撮っていた。彼が演じるのはウィリアム・シャトナーを彷彿とさせるTVスター。80年代のスター・トレックによく似た番組"ギャラクシー・クエスト"でカーク船長風のキャラクターを演じたジェイソン・ネズミスだ。マニアのあいだでカルト的な人気を誇るテレビ番組の主役だったネズミスは、宇宙に行かなかった時計として有名なロレックスを身につけている。... が、本作でついに無限の彼方へ。

ティム・アレン演じるジェイソン・ネズミスとロレックスのデイトナ16520、そしてギャラクシー・クエストの全クルー......さらにサム・ロックウェル演じるガイ・フリーグマン。スクリーンショット:Dreamworks SKG & Amblin Partners


注目する理由

 コンベンションの季節が来た! 先日、シネマコン(Cinemacon)が閉幕し、来月にはDCファンドームが開催される。そして、我々にとってのコンベンションといえば、ジュネーブ・ウォッチ・デイズの連続取材だった。バーゼルワールドも少しは復活したようだ。映画、テレビ、コミックなどの展示会はコスプレ天国だが、ウォッチショーも独自の方法でやっている。『ギャラクシー・クエスト』は、SFマニア、ポップカルチャー・コンベンション、そして時計をひとつにした。

 ティム・アレン演じるネズミスは、出演者チームのキャプテンだ。番組はとっくに終了しているが、ファン・イベントにはフルキャストで出演し続け、文字通り番組だけの「ギャラクシークエスト・コンベンション」を開催している。彼らのスクリーン上の人格を現実のものと勘違いした宇宙人グループが、コンベンションにやってきてチーム全員を宇宙に連れ去り、ストーリーは急展開。銀河系を救うための大冒険が始まるのだ。

『ギャラクシー・クエスト』でデイトナをつけたジェイソン・ネズミス役のティム・アレン。シガニー・ウィーバー、アラン・リックマンとともに。スクリーンショット:Dreamworks SKG & Amblin Partners

 ネズミスは名声を享受し、その結果として手首にまで影響が及んだ。映画の全編にわたってオイスター ブレスレットの白いロレックス デイトナを身につけている。そして、それがまったく役に立たない場所でもつけている。

 これはただのデイトナではなく、初の「近代的」デイトナであり、ゼニス・デイトナとしても知られている。この名称は1988年に発売されたRef.16520のことを指す。このモデルは、ポール・ニューマン時代のデイトナ(現在では6〜7桁ドルの価格がつく)のようなヴィンテージの外観はもたない。ゼニスのニックネームがついている理由は、時計の内部で動いているムーブメントに関係している。1988年以前のデイトナは手巻き式のクロノグラフだった。ロレックスは新しいデイトナにゼニス製のムーブメントを採用し、市場に出す前に多くの改良を加えたのだ。

『ギャラクシー・クエスト』でティム・アレンが着用していたものと同型の白文字盤のロレックス デイトナ16520。Photo, Bonhams

 16520デイトナは、従来のモデルとは異なる新しいビジュアルアプローチを採用している。新しい自動巻きムーブメントを搭載したことで、文字盤に「Superlative Chronometer」の表記が追加された。また、サブダイヤルはよりコントラストの強いデザインに。全体的にラグジュアリー感が増し、レース仕様という雰囲気が薄れている。このことは、現代のデイトナにも採用されているポリッシュ仕上げのセンターリンクを備えたブレスレットを見れば一目瞭然だ。

『ギャラクシー・クエスト』でティム・アレンが着用していたものと同型の白文字盤のロレックス デイトナ16520。Photo, Christie's

 ネズミスのデイトナは、ホワイトダイヤルにコントラストの効いたブラックのサブダイヤルとスティール製のベゼルを備えたモデルだ。歴史的に見ても、この時計はカジュアルウェアからレーシングユニフォームに至るまであらゆるものと組み合わせられてきたが、今回は架空の宇宙服に合わせて着用されているのが何とも笑える。彼がこの時計を身につけていないシーンはなく、このキャラクターにとって重要な意味を持つのだと思うようになった。番組終了が80年代の設定でこの時計が発売されたのが1988年であることを考えると、ネズミスがギャラを使って高級時計を購入したとしても不思議ではない。そして、他の出演オファーがなくなったときに、彼はこの時計が自分にとってどれほど大切なものか気づいたのだ。確かに悲しいが、少なくとも彼はそれを大事にしている。ネズミスの番組内での決めゼリフは、"Never give up, never surrender"(決して諦めるな、降参するな)だ。

『ギャラクシー・クエスト』で悪者サリスに捕らえられたネズミス(アレン)。手首にはデイトナ。スクリーンショット:Dreamworks SKG & Amblin Partners

 この時計の選択には2つの理由がある。ひとつは、ネズミス(というよりアレン)がこの時計を手にしたことで、架空の宇宙船長とそのロレックス・ウォッチの系譜に加わったことだ。ウィリアム・シャトナー(初代カーク船長)とクリス・パイン(現代のカーク船長)は、私生活でロレックスのサブマリーナーを着用していた。もうひとつは、デイトナと宇宙開発競争の歴史との関係だ。1960年代、ロレックスはNASAの宇宙飛行士に支給する時計の候補としてクロノグラフを提出していた。いろいろあって結局オメガが勝利し、"コスモグラフ"は、宇宙船ではなくレース場に焦点を当てたデイトナとなったのだ。この映画で、やっとデイトナは念願だった宇宙に行けた。

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見るべきシーン

 素晴らしい映像で始まる映画を好まない人はいない。この映画のオープニングがまさにそうだ。「ギャラクシークエスト・コンベンション」が開催されているシーンから始まる。観客は番組の古いエピソードを見ながら、キャストがステージに立って挨拶するのを待っている。番組のシーンが映され、そのなかで、ネズミスがデイトナを身につけ(髪型はマレットヘア)、光線銃で悪者を撃退しているシーンが映る[00:03:51]。これは、番組が放送されたであろう80年代前半から半ばにかけて、この時計は存在しなかったという点で注目されている。タイムマシンとまではいかなくても、これは映画界で言うところの「チョンボ」である。続いて、出演者たちが次々とテーブルにつき、サインをしていくシーン。何人もの熱狂的なファンがサインを求めてネズミスに詰め寄るとき [00:07:01] 、彼のグレーのユニフォームの袖の下から白い文字盤のデイトナがはっきりと見える。

スクリーンショット: Dreamworks SKG & Amblin Partners

 映画の終盤、チームが実際の宇宙空間、実際の宇宙船に乗っているという衝撃的な現実を乗り越えた頃、アレン演じるネズミスは砂漠の惑星に一人でいることに気づく。スタッフは宇宙トランシーバーを使って遠隔で彼を助けようとする。彼は宇宙ブタを撃退し、砂漠の赤い岩で作られた巨大なCGIモンスターから逃げる。ブタを撃退するために制服の上着を脱ぎ捨て、黒いTシャツ一枚になった彼は、手首が丸見えになるのだ! 彼がチームに無線で応答するとき[00:59:11]、白い文字盤のデイトナが銀河系の真っ赤な太陽に照らされて輝いているのがよくわかる。

スクリーンショット: Dreamworks SKG & Amblin Partners

『ギャラクシー・クエスト』(出演:ティム・アレン、シガニー・ウィーバー、トニー・シャルーブ、ダリル・ミッチェル、サム・ロックウェル、アラン・リックマン)は、監督:ディーン・パリソット、小道具:ジェリー・モス。Huluではストリーミング、iTunesやAmazonではレンタルが可能。

Lead photo courtesy, Dreamworks SKG & Amblin Partners