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世界各国がウクライナ侵攻に対するロシアへの制裁措置を決めるなか、多くの企業がこの決定に従い、ロシアとの取引停止や同国で展開する店舗の一時閉鎖などの方針を表明している。時計ブランドも、もちろん例外ではない。
『日本経済新聞の記事』(3月5日付け)では、フランスの高級ブランドであるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループは3月4日、ロシアにある全店舗の営業を中断すると明らかにし、エルメスとシャネルも同様の判断を下したことが報じられた。『ロイター』発表の記事によれば、カルティエなどを傘下に置くスイスのリシュモングループも同月4日にロシアの店舗を一時閉鎖する方針を表明、スウォッチ グループは、ロシアでの事業を継続するとしながらも、輸出を一時停止する方針を示したことを伝えている。そして5日、『ブルームバーグ』は、こうした各社の動きに足並みを揃えて、ロレックスがロシアへの製品の出荷停止を発表したこと、そして現在も販売自体はされているものの、それはロシアがウクライナに侵攻する前に出荷された在庫を持つ独立した個人所有の地元の小売業者によるものであるとロレックスの広報担当者がeメールで述べたことを報じた。
現時点(3/11 12:00現在)で前述した時計ブランド以外の対応は明らかになっていないが、クレジットカード会社大手のビザとマスターカード、オンライン決済のペイパルがロシアでの取引を停止することが発表(3月6日 『BBC NEWS JAPAN』)されているため、ロシアとの取引のあるブランドにおいては影響が小さくないことが想像される。また、世界最大級の高級時計専門オンラインマーケットプレイスであるChrono24は、3月1日からロシアの購入者と販売者向けの高級時計における取引を停止し、ロシアからのすべての出品をサイト上から外したことを発表しており、国外の時計ユーザーにも今回のロシアへの制裁措置の影響が出始めている。
3月4日に発表された『ブルームバーグ』の記事では、ロシアの富裕層が貯蓄の価値保存を目指して高級時計や宝石の購入に走り、同国店舗の売り上げが伸びていることが明らかになった。だが、多くのブランドがロシアとの取引停止や同国店舗の一時閉鎖を表明したことで、そうした現状に影響が出ることは想像に難くない。また、国際銀行間通信協会(SWIFT)の国際決済ネットワークからの銀行の排除という制裁が完全に履行(排除は3月12日から発動となる見通し)されれば、ロシアへの時計輸出は困難になる。そうなれば、やはり多くの時計ブランドのビジネスにとっては大きな打撃となるだろう。平和であればこその時計趣味の世界。一刻も早く平時に戻ることを願ってやまない。
Top image(Location; Moscow, Russia), Getty images/Sergey Alimov
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