Introducing ノルケイン　フリーダム 60 GMTに新ダイヤルが追加 2021年新作

　昨年、ノルケインのフラッグシップモデルとしてリリースされたフリーダム 60 GMTに新ダイヤルモデルが2021年の新作として発表された。追加されたのは、レギュラーラインのフリーダム 60 GMT オパーリンダイヤル、そして世界限定300本となるフリーダム 60 GMT フォレストグリーン リミテッドエディションだ。

　フリーダム 60 GMT オパーリンダイヤルは、ステンレススティールケースにホワイトのオパーリンダイヤルを組み合わせたモデルだ。ダイヤル中央のGMTスケールには、フリーダム 60 GMT全モデル共通デザインを採用。一方、日中の時間を表示する6：00から18：00までのハーフリングにはボルドーレッド、夜間の時間表示する18：00から6：00までのハーフリングにはミッドナイトブルーのカラーリングを新たに取り入れた。2色で色分けされた分かりやすいGMTスケールと24時間でダイヤルを1回転するGMT針により、セカンドタイムゾーンの時間を簡単に確認することができる。

　なお、職人による手仕事によって植字されたアプライドのバーインデックス、そして暗所での視認性を確保するオールドラジウムカラーのスーパールミノバの採用は、昨年発表されたモデルと同様の仕様である。

　フリーダム 60 GMT フォレストグリーン リミテッドエディションは前述のとおり、300本の限定モデル。ケース素材にはシリコンアルミニウムブロンズ合金が採用されているが、これは昨年発表された限定モデルと同様だ。通常のブロンズよりも腐食や摩耗への耐性が高く、船舶部品などにも使用されている強靭な金属で、最初はわずかに黄色がかった色合いだが、時間の経過と共に酸化が進み、色味が変化していく。
　そこに合わせるのが、深みのあるフォレストグリーンカラーのダイヤルだ。こちらは6：00から18：00までの昼間の時間帯は白いハーフリング、18：00から6：00までの夜間の時間帯を黒いハーフリングで表示。白と黒の2色で構成されたGMTスケールが、フォレストグリーンカラーの中でも高い視認性を確保している。

　また、ブロンズモデルはベゼル、ケースサイドのノルケインプレート、植字インデックス、オールドラジウムカラーのスーパールミノバが施された針まで、全てがブロンズ製で、SS製のケースバックにはブロンズPVDコーティングが施されているが、こちらも昨年リリースされた昨年発表されたブロンズケースの限定モデルと同様の仕様だ。

　ちなみに昨年発表となったフリーダム 60 GMTの詳細については、「ノルケイン　フリーダム 60 GMT＆フリーダム 60 39MM 2020年新作」の記事をご覧いただきたい。

　フリーダム 60 GMTは非常に魅力的なモデルだ。語りどころはいくつもあるが、特徴的な全てのポイントが実用に軸足を置いているところは本モデルの特筆すべき点だろう。

　まず、ロングパワーリザーブ信者の筆者が魅力に感じているのが、70時間パワーリザーブを備えている点。このくらいのパワーリザーブがあれば 、週末の金曜の夜に時計を腕から外しても、月曜の朝に時間を再設定することなく、そのまま着けられる（ちなみにノルケインではこれを“ウイークエンドプルーフ”と呼んでいる）わけだが、本モデルを普段使いのメイン時計として着ける場合、このメリットを強く実感できるはずだ。

　そして、現地時間を簡単に設定できるだけでなく、いつでも日付を前後に変更することができるローカルジャンピングアワー機能。これはデイト付きモデルにおいて、もはや必須の機能ではないかと思っている。
　一般的なデイト表示をもつムーブメントの場合、日回し車が、筒車（先端に時針が取り付けられ、12時間で1周する歯車）と連動して、1日（24時間）かけて1周。そして日回し車の爪がカレンダーディスクの歯を1日分送る構造になっている。このようなシンプルな構造の場合、爪がカレンダーディスクを送っている最中にカレンダーの操作を行うと、カレンダーディスクの歯と日回し車の爪に無理な力が加わり、変形や破損の原因となる。デイト表示に、いわゆる“操作禁止時間帯”が設けられているのは、このためだ。デイト表示を備えた時計を嫌う人の中には、この煩わしさが理由となっている場合が少なくないが、本モデルならそうした煩わしさはない。既に時計をいくつか所有されている方であれば、このメリットの大きさを理解いただけるのではないだろうか。

　一方で、フリーダム 60 GMT最大の魅力はデザインにあると思っている。一般的なGMTウォッチでは24時間スケールがベゼルに置かれることが多いが、本作ではダイヤル内、しかも中央部分に設けられている。結果、回転ベゼルを併用した使い方はできないが、反面、非常に優れた視認性を得ることに成功している。そして、このデザインが特に魅力的なのが、単に見た目をすっきりとさせるのではなく、あくまでもGMTウォッチとしての視認性の高さ、使い勝手を考慮したものになっているところだ。
 

　単に表示を簡略化したものは、正直いくらでもあるが、GMTウォッチとしての実用に軸足を置いたモデルとなると、意外にも少ない。
　SSモデルでは昨年、ブラックダイヤルモデルが登場しており、ホワイトオパーリンダイヤルをもつ新作の登場で2つから選べるようになった。どちらも魅力的ではあるが、個人的にはボルドーレッドとミッドナイトブルーカラーの24時間スケールをもつ新作の方が、よりGMTウォッチらしい見た目に感じられ、非常に好みである。読者の皆さんは既存のブラックダイヤルモデルと新作のホワイトオパーリンダイヤル、どちらが好みだろうか？

ブランド： ノルケイン（NORQAIN）
モデル名： フリーダム 60 GMT（Freedom 60 GMT Opaline）、フリーダム 60 GMT リミテッドエディション（Freedom 60 GMT Limited Edition）

直径： 40mm
厚さ： 14.7mm
ケース素材： ステンレススティール（鍛造。オパーリン）、シリコンアルミニウムブロンズ合金（フォレストグリーン）
文字盤色：ホワイト（オパーリン）、フォレストグリーン（リミテッドエディション）
インデックス： アプライドインデックス
夜光： オールドラジウムカラーのスーパールミノバ
防水性能： 100m
ストラップ/ブレスレット： オパーリンモデルはSSブレスレット、クロコスタイルラバーストラップ、ノーランドレザーストラップ、パーロンラバーストラップの4タイプ。フォレストグリーン リミテッドエディションはパーロンラバーストラップ、クロコスタイルラバーストラップ、ノーランドレザーストラップの3タイプ

キャリバー： NN20/2
機能： 時・分表示、センターセコンド、3時位置にデイト表示、GMT機能、現地時間を簡単に設定し、いつでもデイトを前後に変更できるローカルジャンピングアワー機能
直径： 31.8mm
パワーリザーブ： 70時間
巻き上げ方式： 自動巻き
振動数： 2万8800振動/時
石数： 28
クロノメーター： あり。COSC認定
追加情報： タングステン製一体成型ローター、耐衝撃性を高め、テンプの位置を正確にする2点固定のツインブリッジ

価格： オパーリンモデル／SSブレスレットは46万2000円、パーロンラバーストラップ＆クロコスタイルラバーストラップは45万1000円、ノーランドレザーストラップの3タイプは42万9000円。フォレストグリーン リミテッドエディション／パーロンラバーストラップ＆クロコスタイルラバーストラップは52万8000円、ノーランドレザーストラップは50万6000円。全て税込。
販売時期： 販売中
限定： オパーリンモデルは通常ライン。フォレストグリーン リミテッドエディションは世界限定300本

詳細は、ノルケイン公式サイトをクリック。