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Editors' Picks ジェームズ・ボンドの腕時計: 僕らの好きなスパイガジェット7選

ジェームズ・ボンドの日を、スタイルと秘密道具で祝おう。

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毎年10月5日には、最もアイコニックな架空の英国スパイのファンが一堂に会し、ジェームズ・ボンド・デーと呼ばれるイベントが開催される。1962年のこの日に記念すべき『007/ドクター・ノオ』が公開されたのだ。今年は我々がQ課にある時計の宝庫から、お気に入りのジェームズ・ボンドのガジェットウォッチを選ぶ機会を設けてみた。

 携帯回転式のこぎりからガイガーカウンター(放射線検出器)、起爆装置から強力な磁石まで、ジェームズ・ボンドの時計はスタイルや派手さを、そして最終的にはスパイ活動に役立たせるものにするという点で、ポップカルチャーの語り手としてはレアな存在だ。もちろん、中には少しばかげたものもあるが、それはジェームズ・ボンド自体も同様だし、それが楽しみの半分以上なのだ。ここでは、私たちのお気に入りをいくつかご紹介する。


ダニー・ミルトン:『007/死ぬのは奴らだ』ロレックス サブマリーナー(磁石つき回転式のこぎり)
LiveAndLetDie

 私がまだ若かった頃(もっとオープンマインドだった)、ケーブルテレビでジェームズ・ボンド映画シリーズが毎週のように放送されていた。それを見ながら、いつも「レッド サブマリーナー」という名前に新たな意味を与えた『007/死ぬのは奴らだ』に心惹かれていた。ロジャー・ムーア自身は、Qの全てのガジェットのうち磁力をもったこのサブマリーナー(Ref.5513)が彼のお気に入りだったと言っている。この映画では時計が重要な役割を果たし、ほとんど全ての場面でボンドはそれを使った。オープニングシーンで007はミス・マネーペニーから時計を受け取ると、その磁力をスプーンや女性のドレスのジッパーで威力を披露した(うまく撮るために 29 回のテイクが必要だったという)。

 その後、ボンドは時計を―否応なしに―使って空腹のワニの沼を脱出。時計の真価が発揮されるのを最後まで待たなくてよかったのだ。ボンドがサメの餌食になるのを救う回転式のこぎり。マットな文字盤の上の白いマーカーが赤く染まるイメージはまさにアイコニックに他ならない。劇中、何度か時計のクローズアップがあり、私はテンションが上がった。この映画は、サブマリーナーがすでに体現していた「どこにでも行けて、何でもできる 」時計の理想を再定義した。作品中、ハミルトン パルサー(クレジットでは "パルサー タイムコンピュータ "となっている)の初期バージョンも登場していることも覚えておこう。

 ジェームズ・ボンドの秘密道具の時計を見るなら、『007/死ぬのは奴らだ』はおすすめだ。


ジャック・フォースター:『007/私を愛したスパイ』セイコー LCD 0674 5009(ティッカーテープウォッチ)
Ticker

 1977年のロジャー ・ムーア主演『007/私を愛したスパイ』には、印象的な瞬間がいくつもあるが、そのタイトルを口にしたり考えたりするたびに、マイク・マイヤーズの映画『オースティン・パワーズ』を思い出してしまう。まさに風刺のパワーだ。いずれにしても、特に私の印象に残っているのは、冒頭でムーア演じるボンドが戯れている途中で、セイコーのLCDディスプレイをもった時計0674 5009のケースからプリントアウトされたメッセージで呼び出しがかかる場面だ。1977年当時、これは私の好きなもの2つを足したような組み合わせで、先端技術の極みに感じられた。LCDディスプレイの時計と小型化されたダイモ ラベルメーカーで、抗しがたいほどクール(今でもそう思うことがある)に感じた。メッセージは例によってMからの簡潔なもので、「007 本部への報告を直ちに。M」と書かれていた。

 もちろん、技術的には全く考えられないし、作戦上のセキュリティの観点からも賢明ではないと思うが、その2分後にはボンドがイギリス国旗のパラシュートを使ってスキーで追ってくる暗殺者の手から脱出しているのだから、この映画の他の展開を考慮すると、おそらく合理的なのだろう。他の多くのボンドのガジェットウォッチとは異なり、この時計はありえないし役にも立たないのだが、非常に楽しめることは確かだ。


ジョン・ビューズ:『007/サンダーボール作戦』、ブライトリング トップタイム
Geiger

 映画『007/サンダーボール作戦』でジェームズ・ボンドが着用した、Qによってガイガーカウンターに改造されたブライトリングのトップタイムは、映画史の中でも最も著名なガジェットウォッチのひとつだ。映画のプロットに登場したこの時計は、その後25ポンド(約3400円)で買われ、2013年にクリスティーズで10万3875ポンド(約1420万円)で落札されたという驚くべき第二の人生を送った。映画の中で、Qは核放射線の探知用にこの時計をボンドに渡した。

 ボンドシリーズに登場するガイガーカウンターはこれだけではない。1962年の『007/ドクター・ノオ』では、ボンドがロレックスのサブマリーナーの文字盤をガイガーカウンターとして使っている。しかし、ボンドに与えられた最初のQの改造時計はブライトリングだった。作中のものはトップタイムRef.2002で、我々はそれが2013年に市販化され再登場したときに記事にした。


スティーブン・プルビレント:『女王陛下の007』ロレックス 6238クロノグラフ(コンパス)
Rolex

画像:jamesbondlifestyle.com

 赤いクロノグラフの秒針がコンパスを意味しているこの時計は、Qの一番面白い発明とは言えないかもしれないが、『007/ドクター・ノオ』に登場する有名なビッグクラウンに次ぐクールなボンドウォッチかもしれない。デイトナ登場前のこの洒落たクロノグラフは、ロレックスの中で常に僕のお気に入りだ。控えめなルックスと控えめなサイズ感で、シルバーの文字盤に赤の秒針が映える。

 映画としては、この時計とスイスの素晴らしい風景だけが基本的に見るべき理由だと思う。『女王陛下の007』は最高のボンド小説の一つであるにもかかわらず、フレミングのスマートでシャープな原作は、大げさな演技、薄っぺらいプロット、そしてフリルがあまりにも多くついたシャツの前立てなど、僕の好みを言わせてもらえば、映画としては残念な出来だった。

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ジェームズ・ステイシー:『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』オメガ シーマスター300M(グラップリングフック)
Seamaster

画像: timepiecechronicle.com

 1999年の『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』では、Q課から支給されたガジェット満載の―個人的に―最新で最高のオメガが登場する。この作品では、品の良いピアーズ・ブロスナンのボンドが、石油市場を不安定化させようとする国際的な組織と、様々な大げさなアクションを駆使して戦うという込み入った話だ。007の過去の作品の中では必見の作品と言えるものは少ないかもしれないが、この時計は純粋に90年代後半を代表するものだ。ブロスナン時代のシーマスター 2531.80 をベースにしたこの特別な時計は、文字盤上の明るい LED の配列(ボンドが懐中電灯のように使用している)だけでなく、便利なグラップリング フック(鉤爪)を備えた 50フィートのマイクロフィラメント ライン(ワイヤー)も装備。スパイ映画の中とはいえ、ボンドの他の多くの爆発する道具とは違いこのオメガは、使用可能で汎用性の高い機能を確かにもっている。


コール・ペニントン:『007/ダイ・アナザー・デイ』オメガ シーマスター300M(起爆装置)
Bond

画像: watchesinmovies.info

 私が成人した頃、ボンドウォッチといえばシーマスター 300Mだった。振り返ってみると、この時計はボンドにぴったりだ。洗練された空気を漂わせているが、必要な時には汚れることも厭わない。『007/ダイ・アナザー・デイ』の中では、確かに汚れたシーンもあった。この時計にはC-4プラスチック爆弾に点火するための起爆ピンが装備されていて、C-4の中にピンを入れ、ベゼルを回すことで起爆させられるようになっている。

 C-4はイギリス製で、比較的安定しており、爆発するには起爆装置からの強い衝撃波を必要とするため、このような装置が存在すると信じられているのは完全な間違いとは言えない。爆発物に対する少年特有の憧れに加え、このガジェットが任務に完全にマッチしているという点が好きだった。現実の諜報機関の人が持っていてもおかしくない道具だ。スタイリッシュな時計と大爆発。これよりボンドらしいものがあるだろうか?


ジェイソン・ヒートン:『女王陛下の007』(小説)、ロレックス オイスターパーペチュアル
Bond

画像: Goodreads

 回転式のこぎりベゼル、起爆装置、鉤爪つきワイヤーも良いが、私の中の最高のボンドウォッチは...時計そのものだった。これを知るためにはイアン・フレミングの原作を 読む必要がある。

 "ボンドは自分の武器を調べた。自分の手と足、ジレットのカミソリと腕時計、金属製のブレスレットのついた重たいロレックス オイスター パーペチュアルだ。適切に使用すれば、これらは最も効果的なナックルバスターになるだろう。" - イアン・フレミング『女王陛下の007』1963年

 現実的で頭の回転の速いボンドが、山頂にある敵の隠れ家に一人で潜入。Q課の魔法の小道具は一切使われていない。彼は自分の知恵と周りのものを使って乗り越えるのだ。真夜中にスキーで脱出しようとした時、まず子分を始末しなければならなかった。シンプルで残忍で効果的だが、時計を便利な道具以外の何物でもないと思っている。派手なやり方は映画スターのボンドの方に任せればいい。 

"ボンドの右パンチがヒットし、ロレックスの文字盤が男の顎を粉々に砕いた"

 任務完了だ。