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Photo Report 海、砂、そしてサーチナ:ユタ砂漠でのダイビング

サーチナの価値あるダイバーズウォッチを南国の海の中に連れて行った。そこはユタ州の砂漠の中なのだ。

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熱帯地域は赤道から北に23.5°の境界線で示されている。同様に、赤道から23.5°南にも広がっている。では、赤道の北緯40.16°に位置するユタ州に、いったいどうやって熱帯魚が生息しているというのか? それも砂漠の真ん中にある湧き水をたたえた内陸の湖に? その疑問を解決するには、自分で湖の底に行ってみるのが一番だ。

 その前に、私は時計を選ぶ必要があった。サーチナのDS PH200Mが、その性能を発揮すべき環境下でどのように活躍するかを確認したかったため、これは絶好の機会だった。この時計は、ジェイソン・ヒートンが発売時に取材した2018年モデルのアップデート版として昨年発売された。今回はゴールドのアクセント、セラミックベゼル、サファイアクリスタルを採用している。新開発のムーブメント、パワーマティック80.611が2万1600振動/時で時を刻み、ニヴァクロン製ヒゲゼンマイを採用することで、80時間という驚異的なパワーリザーブを実現している。

私の意見では、現代のダイバーズウォッチのなかで、サーチナのDS PH200Mが最も価格以上の価値があると思う。

 以前、ブランドのヘリテージモデルであるDS Super PH 500Mをハワイのブラックウォーターに潜らせたことがあるが、DS PH200Mはそれとはまったく別物だ。ダイバーズウォッチとしてのルーツをもちながらも、カジュアルなデイリーウォッチとして位置づけられている。果たして、その実力は?

 アメリカの多くの時計愛好家にとって、このモデルに限らずサーチナは比較的新しい存在だ。HODINKEEがアメリカ国内で販売を開始したのは今年に入ってからで、それが近年初めてのことだった。大西洋を越えたヨーロッパでは、サーチナは古くからスウォッチ グループ傘下のバリュー志向のブランドとして知られていた。

サーチナはスウォッチ グループの一員でオメガも同様だ。オメガのシーマスター ダイバー 300Mには驚異的なセラミック製のベゼルがあるが、サーチナも同様な上に手ごろな価格で手に入れることができる。

 砂漠にいる熱帯魚は、ソルトレイクシティの西約40miles(約65km)にある地熱泉、シーベースのオーナーが置いたもので、私はそこで潜ったこともある。しかし興味深いのは、魚がどのようにして生きているのかということだ。シーベースは地熱を利用した温泉で、1年中約32℃の温水が湧き出ている。大昔にできた洪積層のボンネビル湖の流域にあるため、塩分濃度は海のそれと一致している。そのため、温度(88〜90°F、摂氏32℃前後)と塩分濃度(3%)が最適であることから、砂漠のなかでスナッパー、ブラックドラム、バラクーダ、ボラ、エイなどの熱帯魚が1年中、生存できているのだ。

シーベースを上から見たところ。一連の塩分濃度の高い地熱泉だ。

シーベースはソルトレイクシティから西に約40miles(約65km)のところにある。

 そして、それはダイバーズウォッチにとっても悪い環境ではないことがわかった。


サーチナ DS PH200Mを水中へ

ダイビングの前夜は、ダイビングポイントのすぐそばにあるスキャンプに泊まった。このグラスファイバー製のキャンピングカーは、アメリカ国内で牽引用に作られたもの。軽くて空気力学的にも優れていて、ちょっとしたカルト的人気がある。また泊まりたいと思う。

DS PH200Mは、“日常使い”に最適な時計だ。ゴールドのアクセントやシースルーバックは、現代のダイバーズウォッチにはあまりないが、それがこの時計を少しだけカジュアルにして、日常で身につけやすくしている。よく言われるように、“Tシャツとジーンズでも合うし、着け心地がいい”。私の場合は“Tシャツとワックスを塗ったキャンバス地のパンツ”になる。

朝、最初にすることは時計を選ぶこと。2つめは朝食を作ることだ。

空腹ではダイビングはできない! ベーコンは素晴らしいエネルギー源だ。

サーチナは、カジュアルと“ツール”の絶妙なバランスを理解している。この時計はその中間に息づいている。

時計も含めて、ギアを洗い流すのを忘れないでほしい。ギアを大切にすれば、ギアがあなたを大切にしてくれる。時計をジュエリーではなく、ギアの一部として考えると、違った視点で見ることができる。DS PH200Mの場合は、時計の全体的な美しさではなく、傷つきにくいセラミックベゼルなどの技術的な側面が強調されている。だからこそ、私はこの時計を深く尊敬している。見た目がすべてではないのだ。

3.5mmのウェットスーツは水の中では最高だが、陸では暑すぎる。もしまたこの穴に潜るとしたら、ウェットスーツは捨てる。水温が高いので、着なくても大丈夫だ。

まず最初に。スキューバギアを装着する前に時計を装着する。優先順位!

“人類にとっては小さな一歩だが、時計ライターにとっては大きな一歩だ”

ジェイソン・ヒートンが数え切れないほど書いていることだ。手袋をしたままベゼルを回すのは、どれくらい簡単なのか? 今回のケースでは信じられないほど簡単だった。DS PH200Mはコインエッジグリップを採用しているが、このニトリルグリップの手袋をしていても、ベゼルを回すことにまったく問題はなかった。ベゼルは、私にとってこの時計のハイライトだ。10倍の値段がしてもおかしくないと思わせるものなのだ。

ムラサキイワシが通る。やはり海水魚が生息しているのだ。ただし、夏場は視界が悪い。でも、大丈夫。時計を試すには最高の環境だ。

私にとって読みやすさとは二つに一つだ。読みやすいか、そうでないか。幸い、サーチナは前者だ。

砂漠の真ん中にある小さな水域に、熱帯のオアシスがあるとは想像もつかない。しかし、それは真実だ。私のサーチナ DS PH200Mに付着している乾燥した塩分がそれを証明している。

Photography by Spenser Heaps

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サーチナ DS PH200Mは、42.8mmのケースに11.9mmの厚さ。ETA Powermatic 80.611は、80時間のパワーリザーブを誇る。防水性は200m。ブルーのNATOストラップが付属し、ラグ幅は20mmとなっている。しかし最も衝撃的なスペックは、その価格だ。980ドル(約10万8000円)なのだ。