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The Value Proposition ロンジン レジェンドダイバー 誰もが羨むグリーンダイヤル

この時計を家族と共有することで、その奥深さを知ることができた。


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今年はグリーンウォッチが大流行だ。その証拠に、ほとんどすべてのブランドからエメラルド色の時計が続々と発売されている(誇張ではない)。3月に開催されたWatches & Wondersではこの現象を目の当たりにし、その理由に興味を持った当社のコール・ペニントンが、このテーマについてのエッセイを執筆した。言うまでもなく、オールグリーンのトレンドには私も注目していて、2021年の猛威に先んじて登場したある緑色のモデルを思い出した。それは、昨年末に発売されたロンジンのレジェンドダイバー ブロンズモデルだ。ブロンズのケース素材とグリーンの文字盤カラーという2つの点で、このモデルはトレンドに乗っている。

 以前の記事でも紹介したが、先日の休暇に数本の時計を持っていく機会があり、このブロンズ&グリーンのダイバーもその一つだった。言うまでもなくダイバーズウォッチはバカンスや夏に最適だが、この時計も例外ではなかった。ちなみに私の休暇先は熱帯ではなく、妻の故郷であるポーランド南部のクラクフ郊外だった。

 この時計をつけて旅に出ると、目的地とある種の精神を共有できるような気がして面白かった。ポーランドは、基本的にすべてのヨーロッパの国と同様に古い国だ。小さな村や町は、アメリカよりもはるかに歴史がある。その国の美しさをヴィンテージと呼ぶのはためらわれるが、このレジェンドダイバーのブロンズやエイジドパティーナの効果と調和するクオリティがあるのは確かだ。

 ロンジンというブランドは、世界の時計産業のなかで興味深い位置を占めている。歴史的に見ても、世界のロレックスやオメガと肩を並べるブランドだ。ロンジンのヴィンテージ・クロノグラフやミッドセンチュリー・ダイバーズは、市場に出回っているコレクターズウォッチのなかでも特に人気が高い。そこには本物の歴史があるのだ。現在、ロンジンはスウォッチグループの支援を受けているが、レジェンドダイバーズもヘリテージコレクションのように、全製品群においてその歴史的なデザインを輝かせる位置を確保している。

 ポーランドでは、H.モーザーのメガ・クールと同じように、家族にレジェンドダイバーを紹介し、普段見ることのできない時計を見てもらったり、その仕組みを教えたりした。妻の祖父は、特にこの時計に興味を示していた。

 さて、私の義理の祖父であるボグスワフ(皆はスワヴェクと呼んでいる)は、本当に特別な人で、実際の意味でのものづくりをする人だ。自分の家を手作りで建てたり、IKEAの家具の部品を作ったり(人生で一番好きな仕事だった)と、いろいろな仕事をしていた。公式には彼は引退している。つまり、退職して建設業のトラック運転手として週6日働いているのだ。彼は働くことが大好きだ。家に帰るとすぐに外に出て、何かやることを見つけてきてはそれに取り組む。

 彼に時計を見せたところ「つけてみたい」と言ったので、さらにいい提案をした。「モデルにならない?」それで妻のカーシャが撮影を計画し、町の中心にある小さな公園に行った。彼女の祖母であるアガタも、心の支えとして一緒に来てくれた(何しろ彼には初めての写真撮影だったのだから)。

 我々が到着したとき、彼は時計を扱うことに少し緊張していたので、私につけるのを手伝って欲しいと言った。ダークブラウンのレザーストラップに、ケースと同じブロンズのバックルが付いている。正しいピンホールに装着して、準備完了だ。

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 フォトセッションのあいだ、この時計について話をした。彼はブロンズのケースについて質問し、変色について聞いてきた。時計愛好家のあいだでは、エイジングは個人の時計物語の一部であるから、これを「変色」ではなく「パティーナ」と呼ぶことが多いと話した。私は必ずしもそのような考えを持っているわけではないが。ちょっと大げさな気がするのだ。ケースバックは低刺激性のチタン製で、肌を刺激したり変色したりすることはない(ただし、ケースの下側にある他の部分はブロンズ製でケースバックを取り囲んでいるため、何とも言えない)。時計を外し、彼にレトロなレジェンドダイバーのモチーフの刻印を見せた。ケースバックの裏には、ロンジンのCal.L888が搭載されている。このキャリバーはETA社製で、64時間のパワーリザーブを備えている。

 42mm幅のゴールドブロンズのケースは、彼の手首にしっくりと馴染んだ。彼は、力仕事のせいで時計を壊すことを恐れて、普段時計を身につけていない。個人的には考え直していいと思うし、何度かそう言ったこともある。今年のクリスマスツリーの下に、不思議なことにG-SHOCKが置かれていたとしても、驚かないで欲しい。

 彼には、この時計の背景を少し話した。このケーススタイルは、1960年代初頭にスイスのEPSA社が、可能な限りの防水性を備えた時計を作るために、スーパーコンプレッサーと呼ばれるケースの製造を開始したことに始まる。スーパーコンプレッサーでも最も人気のあるバージョンのひとつが、このモデルに見られるデュアルクラウン・スタイルだ。トップのリューズを外すとダイブタイム用のインナーベゼルが作動し、従来のリューズを外すと時刻合わせができるようになっている。この時計の全体的なスタイルは、サイズや日付なしのレイアウトなど、オリジナルモデルを事実上1対1でリメイクしたものだ。

 私たちはベゼルを制御するリューズをゆるめ、両方向に回した。そして、ダイブタイマーの仕組みを簡単に説明した - ベゼルの矢印と分針を合わせ、ベゼル上のその基準点をもとに5分単位の印と1分毎のハッシュマークによって時間を計る。

 ブロンズの面白いところは(パティーナ以前の状態では)、ゴールドのように見えることだ。このレジェンドダイバーも同様で、新品のときはまるで5桁ドルのゴールドウォッチのように見える。しかし実際には、このゴールドは緑や茶色の錆び色に変化し、明らかに豪華さの減った見た目になる。新しければ、艶やかなゴールドのままグリーンの文字盤とブロンズ(金のようなブロンズ)のコントラストはとてもきれいだ。ブロンズに緑青が増えてきた後、このコントラストがどうなるのか興味をそそられる。

 文字盤の時刻表示レイアウトについて言えば、「Automatic」のスクリプトフォントやアラビア数字のレトロな形状に至るまで、60年代の忠実な再現だ。この時計らしさはグリーンの色にある。ロンジンは単に文字盤の色を変えただけではない。その代わりに、スモークあるいはフュメの効果を選択した。グリーンは中央部で最も強く、ベゼルに近づくにつれほぼ漆黒になっていく。まるで60年以上もの間、太陽の下で過ごしたことで文字盤が自然に色褪せたかのようで、ケース素材の経年変化ともマッチする美しい仕上がりとなっている。

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 この時計は300mの防水性を備えているが、私たちは旅行中にこのロンジンを海に入れることはなかった。それは主にレザーストラップのためだった。誰も革を濡らしたくはない。レザーにゴールドブロンズをあしらったこのレトロなツールダイバーはドレッシーな雰囲気を醸し出しており、海に入る前にもっとファッショナブルな服装に合わせた方がよさそうだ。私の義理の祖父もまさにそう思っていた。スポーツウォッチとしてではなく、スイス製の優れた高級時計として捉えた。そして、そのための服装をしていたのだ。私も彼を責めることはできない。この時計はその使い方で本当によく似合っていたから。

 この時計について語るのであれば、ロンジンらしく非常に価値ある価格設定についても触れなければならない。38万9400円(税込)の時計に、伝統と優れたデザイン、そして本格的なダイビング能力が詰まっている。ブロンズ以外のモデルであれば、価格は31万4600円まで下がる。このモデルは世界的に有名なチューダーと競合するし、いい勝負だ。ロンジンは、特にこのような歴史的なモデルにおいて、今本当に価値ある提案をするブランドとなっている。

 心の支えの役割を最大限に活かしてもらおうと、義理の祖父は義理の祖母をそばに来るように呼び、彼女も写真に写っていいかと尋ねた。彼は自分だけがスポットライトを浴びることを望んでいなかったので、祖母がいるとすぐに安心したようだ。

 滞在中、彼は家族のみんなに腕時計との経験、時計モデルの経験を話した。「写真を見たいからカメラを出してくれ」と頼まれることもあった。

 時々、他の人の意見に触れたり、自分では思いつかないような時計を手にしたりする機会がある。私が知らなかっただけかもしれないが。その一例が、3000ドル台のバリュー・ダイバーズウォッチが、他の人にとって3万ドルのドレスウォッチに感じられることもあるということだ。すべては主観的で、すべては相対的(文字通り)なのだ。私は、家族とレビューの経験を共有できたこと、そして現在最も過小評価されているダイバーズウォッチのひとつと一緒に過ごせたことを嬉しく思っている。

ロンジン レジェンドダイバー ブロンズモデル Ref. L3.774.1.50.2は300m防水。直径42mm、厚さ12.7mm、ねじ込み式リューズ、リューズ式回転ベゼル、エングレービング入りクローズドケースバック。刻印入りバックルのついたレザーストラップ。自動巻きCal.L888(ETA A31.L01ベース)、振動数:2万5200振動/時、パワーリザーブ:64時間。フュメスタイルのグリーンダイヤル、ペイントマーカーとアラビア数字、スーパールミノバ。価格:38万9400円(税込)。

All photos, Kasia Milton