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歴代マスターズ優勝者が身につけていたおすすめの腕時計7選

ロレックスからリシャール・ミルまで、歴代マスターズ優勝者のベストウォッチを紹介。

マスターズ・サンデーは、全スポーツカレンダーのなかでも最高の日のひとつだ。私は子供の頃からゴルフをやっていたが、今は時計が仕事になっている。そしてマスターズ・サンデーには優勝者の時計を見分けるという、もうひとつのスポーツもある。時計ブランドが、ゴルフのスポンサーになることに全力を挙げているのだ。ロレックスは男子4大メジャー大会のすべてを後援しており、ロレックス、オーデマ ピゲ、ウブロなどのブランドは、ラウンド後に素早く時計を身につけ、ラウンド後の活動やインタビュー、そして願わくばトロフィー授与の際にカメラ前でつけてくれるアンバサダーを数多く抱えているのである。

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 今年は嵐の影響でマスターズの終了が遅れているため、過去のマスターズ優勝者のお気に入りの時計をいくつか振り返ってみることにした。私たちは少なくとも2012年以降、グリーンジャケット受賞者の時計を観察してきたが、彼らはブランドアンバサダーであり、いくつもの素晴らしい時計を見てきた。ここではマスターズで優勝した7人の選手(合計22回のマスターズで優勝した)らが身につけている時計を紹介しよう。


タイガー・ウッズ
タイガー・ウッズ

 もちろん私たちはマスターズで5回の優勝を収めたタイガー・ウッズから始めなければならない。2019年、最新のグリーンジャケットに袖を通したとき、ロレックス ディープシー Dブルーを着用しているのを目撃した。ウッズのキャディを務めるジョー・ラカワ(Joe LaCava)氏によると、2019年の優勝後、ウッズは同氏に派手すぎて箱から出せないほどのロレックスを贈ったという。

 2011年、ロレックスはウッズとテスティモニー(ロレックス独自の用語。アンバサダーという意)を契約している。それ以来、彼がディープシーを身につけている姿は、あちこちで目撃されている。さらに数年前、ウッズは寝ているあいだにもそれを装着していることまで発覚している(そしてキーガン・アレン/Keegan Allen が自身もそうだと言ったことを覚えているだろうか?)。

ロレックス ディープシー Dブルー

 私の好きな時計エンドースメント契約のひとつに、1990年代、若き日のタイガー・ウッズがチューダーのアンバサダーに就任したというのがある。このパートナーシップでもたらしたのが、“タイガー”クロノグラフのラインナップに注目が集まったということだ。当時のチューダーのスタンダードなクロノグラフに似ているが、文字盤に“Tiger”の文字があるほか、(マスターズと同じグリーンを含む)多彩なカラーバリエーションも用意されていた。2000年代の大半をタグ・ホイヤーとともに過ごしたウッズは、2011年からロレックスと契約したのだ。


スコッティ・シェフラー
スコッティ・シェフラー
ロレックス エバーローズ GMTマスターII、“ルートビア”

 昨年のマスターズ優勝者であるスコッティ・シェフラーも、ロレックスのテスティモニーである。勝利のあと、2018年に発売されたGMTマスターIIのツートンカラーバージョンである、ロレックス エバーローズ GMTマスターII、“ルートビア”を腕に巻いている姿を捉えている。

 ウッズとシェフラー合わせると、ロレックスは過去4回行われたマスターズのうち、3回を制覇したことになる。なお松山英樹は2021年、ロレックス サブマリーナー デイト“ブルーサブ”を腕に巻いてグリーンジャケットを羽織っており、ウブロのダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson)は2020年に優勝している。


アダム・スコット
アダム・スコット

 またもやグリーンジャケットを羽織る、ロレックスのテスティモニーだ。2013年にアダム・スコットがマスターズを制したとき、彼もまたグリーンジャケットのセレモニーでロレックスのディープシーを着用しているのを確認した。それ以来、彼は完全に時計マニアになったといっていいだろう。彼は2018年のHODINKEE Radioに登場し、時計とゴルフの話について語っている(この日のリストショットは、シェフラーがマスターズ優勝時に着用していた、エバーローズのGMTマスターIIだった)。その頃、彼はヴィンテージロレックスにどっぷりハマっていたという。そしてロレックスの工場も“何度か見学”したことがあるそうだ。かの人はスイスに住んでいるくらいだ!

 今では自身のInstagramにリストショットを投稿している。最近ではミルガウスをつけてポーズまでとっている(よっぽど生産終了になったのが悔しかったようだ)。


バッバ・ワトソン
バッバ・ワトソン
リシャール・ミル RM038

2011年に実際に使用していた、草の汚れがついたバッバ・ワトソンの腕時計の写真。

 2013年のマスターズに優勝したアダム・スコットは、バッバ・ワトソンの2度のマスターズ優勝に挟まれたものだった。ワトソンは2011年からリシャール・ミルのアンバサダーに就任している。RMのなかには、RM038とRM038-1トゥールビヨン、RM055など、彼の名を冠したモデルがいくつか登場している。そして2012年2014年の優勝の際に、ワトソンはRM038を着用していた。しかし、ロレックスのテスティモニーとは異なり、ワトソンはゴルフラウンド中にリシャール・ミルを着用している姿をよく見かける。RM038はトゥールビヨンであること、ケースはオールホワイトでできており、89%がマグネシウム製であるなど、RMに求められているものはだいたい揃っている。また同モデルは50本しか製造されず、2011年のSIHHで発表されたとき、当時は52万5000ドル(当時の相場で約4190万円)で販売された。まさにドレイクがラップするような時計である。


ニック・ファルド
ニック・ファルド

Image: Courtesy of Getty Images

金無垢のロイヤルオーク パーペチュアルカレンダー

Image: Courtesy of Loupe This

 今年のマスターズは、2007年以来、ニック・ファルドがアナウンサーブースにいないため少し違った雰囲気になりそうだ。アナウンサーとして活躍する前のサー・ニックは1989年、1990年、1996年の計3回、マスターズで優勝を収めており、現役のキャリア時代に獲得した6大メジャー大会の半分を占めている。

ニック・ファルド
In-Depth: オーデマ ピゲ ロイヤル オーク シングルトーン&バイメタルモデルのストーリー

2018年、カーラはシングルトーン&バイメタルモデルのロイヤル オークを徹底的に深堀りした。すべては、1990年に発売されたニック・ファルドの“チャンピオンシップ”SS&タンタルから始まった。

 ファルドは長年、オーデマ ピゲのアンバサダーを務めていた。1990年に全米マスターズ、全英オープンの2冠を達成した際に、APがそれを祝して、ロイヤル オークの“チャンピオンシップエディション”を限定生産したこともある。それはわずか2000本しか生産されなかった33mm径のロイヤル オーク(クォーツ仕様)で、AP社が初めてステンレスとタンタルを使用したことでも当時注目されたモデルだ。さらにキーホルダー、ロイヤル オークのカフリンクスとペンダント、ベルト、ピルケース、ベルト、タンタル×SSブレスレットを含んだ、かなり気合の入ったボックスで販売していた。なおAPは2003年にも、ロイヤル オーク ニック・ファルド リミテッドエディションを発売した。だが、これはファルドのサインが入ったゴルフボール型のローターが特徴的な、チャンピオンシップエディションには到底及ばないものだった。

 これらの写真でニック・ファルドは、自身の大勝を記念してつくられた、ロイヤル オーク チャンピオンシップエディションを着用しているように見えないが、実は1枚目の写真の時計のほうがもっとすごい。ゴールドでできたロイヤルオーク パーペチュアルカレンダーを身につけているのだ。2枚目の写真ではグリーンジャケットとクラレットジャグ(全英オープンの優勝トロフィー)を持って、より落ち着いたツートンカラーのロイヤル オークのようなものをつけてポーズをとっているように見える。


ジャック・ニクラス
jack nicklaus rolex day-date gold
jack nicklaus rolex day-date

 彼のことはHODINKEEの読者ならよくご存じだろう。メジャーでの優勝を18回(マスターズ優勝6回)果たしたジャック・ニクラウスと我々で、2017年にTalking Watchesを行っている。彼は1967年以来、ずっと同じロレックスのデイデイト Ref.1803 イエローゴールドを所有していた。つまり、18回のメジャー優勝のうち、12回はこの時計とともにしていたことになる。そしてそれを手にしてコースに向かい、小さなバッグに忍ばせたあとゴルフバッグに入れ、18番グリーンを歩きながら手首に装着し直す。その数年後、ニューヨークのフィリップスで122万ドル(当時の相場で約1億3300万円)で落札され、売り上げの100%がニクラス・チルドレン・ヘルスケア財団に寄付された。

 このデイデイトを売ったあと、今度はジャックはブラック文字盤のものを購入し、今はそこに落ち着いたようである。


アーノルド・パーマー
アーノルド・パーマー

Credit: Getty Images

 最後に、最もスタイリッシュなゴルファーであるアーノルド・パーマーについて紹介しよう。彼は1967年にロレックスと契約し、選手にとって時計のエンドースメント契約を主流にした張本人である(実際、パーマー、ニクラス、ゲーリー・プレーヤーは、多くのアスリートのエンドースメント契約のあり方を変えた、スポーツエージェンシーの先駆者であるIMG/インターナショナル・マネジメント・グループ の最初のクライアントだった)。今でこそ時計の契約を取ることこそ、若いゴルファーの通過儀礼になっているのだが、それはアーニーから始まったことなのである。

アーノルド・パーマー

Credit: Getty Images

 彼は長年にわたり、いくつかのロレックスの腕時計を身につけていることを確認できる。グリーンベイ・パッカーズのクォーターバックであるバート・スター(Bart Starr)、リチャード・ニクソン(Richard Nixon)大統領、野球選手のアル・ケーライン(Al Kaline)とともに写っている、1969年に撮影されたこちらの写真をご覧いただきたい。彼は手首に、ゴールドのデイデイトをつけている。現代の時計のエンドースメント契約の道を切り開いた人物としては悪くない顔つきだ。