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Just Because 時計愛好家の皆さん、我々は優れていると証明されたようだ。

それは、科学が検証してくれた。

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近頃は在宅で仕事をすることが多くなり、その予期せぬ副産物として、あまり知られていない時計文化の小道を探検できるくらいの時間がもてるようになった。先日、調べ物をしていたときに、グラスゴー大学理工学部の研究者が発表した研究結果を偶然見つけた。それは、腕時計を着ける人とそうでない人の性格上の特徴に関するものだった。

IWCのクルト・クラウス氏、SIHH2019にて。

 この研究は、腕時計の着用が特定の性格特性と相関関係があるかどうかを調べたもので、綿密に構成されたうえで実施された。最初の研究に参加したのは、17歳から54歳までの112人で、腕時計の常用者であることを確認して、TIPI(Ten-Item Personality Inventory)と呼ばれる項目に回答するよう求められた。TIPIは、内向的か外向的か、闘争的か誠実か、などの基本的な傾向を判断する10の質問から成る簡単な性格検査だ。最初の研究で興味深い予備的な結果が得られ、研究者たちはより大きなスケールでの再現を試みた。当初の結果は再確認され、そしてそのことは、全てではないにしても、多くの時計愛好家に満足感と、あえて言うならば、自己認識をもたらすはずだ。

クルト・クラウス氏のIWC UTC スピットファイア。

 簡単に説明すると、最初の研究では「時計を定期的に着用している参加者は、そうでない参加者と比較して、自分自身をより勤勉であると評価していた。また、時計着用者は、外向性、同意性、寛容性のスコアは低いが、感情の安定性のスコアが高いことも観察された」との結果が出た。

情緒の安定が腕時計に現れる。

 研究結果のデータをより詳細に分析すると、興味深い点がいくつかある。

 まず第1に勤勉性に関して。研究者たちは「時計を身に着けようとすることは、勤勉であろうとする人の社会的な指標となっているように見える」と述べている。この結論は、より大きなサンプルにおけるさらなる再現実験によって裏付けられている。また、時計を身に着けている人の方が外向性と寛容性のレベルが低く、2つのグループの間で性格に一貫した違いが見られた。最後に、腕時計を着用している人が、していない人よりも早く約束の時間に到着するということが、より高いレベルの勤勉性を示す行動であるとされた。

 さらに研究者は、腕時計を着用している人の方がそもそも勤勉なのか、それとも腕時計を着用することで性格的特徴が実際に向上しているのかは不明であることも指摘している(相関関係は、必ずしも因果関係を示唆するものではない)。彼らは「標準的な腕時計は技術的にはシンプルなままだが、このシンプルさが、無数のスマートウォッチメーカーがここで利益を得ようとしている理由を説明している。このようなデバイスは、身体活動や生理学的活動(心拍数など)を測定して、フィードバックを提供する。
 興味深いことに、既に健康的なライフスタイルを送っている人がこれらを購入する可能性が高い。従って、標準的な腕時計を所有したい、あるいは身に着けたいという願望は、そもそも高いレベルの勤勉性によって起きている可能性がある。あるいは、腕時計を購入するという決断は、単に時間を知りたい、よりきちんとしたい、そしてより勤勉であろうとする願望が動機となっているのかもしれない」と記している。

もちろん、時計を身に着けている人の全てが内向的というわけではない。

 また、この研究は、時間をどのように認識し、その認識が時間を守ることにどう影響するかという点で、スマートフォンは時計の代わりにはならないという興味深い指摘もしている。
「この研究の限界は、参加者の中にはスマートフォンは持っていても、標準的な時計は持っていない人がいることだ。しかし、予備調査サンプルの100%と2番目の調査サンプルの97.5%はスマートフォンを所有していたので、これが影響を与える要因になったとは考えられない」という。そして、最後に彼らは次のように結論づけている。
「特に、さまざまなバックグラウンドをもつ時計着用者から、勤勉さのレベルの高さと、外向性と寛容性のレベルの低さが見て取れる。また、彼らは約束の時間に早く到着する。今回のデータからは、勤勉であることが時計を身に着ける傾向を生むのか、それとも時計を身に着けることで勤勉になるのかは明らかではない。関連の方向性がどうであれ、時計の着用は、性格とそれに関連した行動の、両方の有効な外的指標である」

 このあたりで終わろう。実際の研究についてはこちらでチェックできる。時計愛好家は時間を守るだけでなく、内省的であり、必ずしも自分の心を腕に着けるわけではないと考えるならば、科学を参考にしたい。