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Hands-On タグ・ホイヤー カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションを実機レビュー 

クラシックデザインを、現代の自動巻きクロノグラフにリメイク。

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今日は、過去20年ほどのタグ・ホイヤー カレラの新作の中で、私の個人的なお気に入りになる可能性のあるモデルに触れてみたい。本機はタグ・ホイヤーの160周年を記念して発表されたもので、シンプルで丸みを帯びたミニマリスト的なカレラが、タグ・ホイヤーにとって何を意味するのかを物語っていると思う。しかし、この新しい時計を掘り下げる前に、この時計にインスピレーションを与えたアーカイブについて簡単にご説明しよう。

カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションとカレラ 2447SD (右)。

 同社の60年代や70年代の多くのクロノグラフと同様に、カレラはモータースポーツのイベントや地名からその名を取っている。しかし、モナコ、シルバーストーン、モンツァが有名なレースであるのに対し、カレラ・パナメリカーナ・メヒコの名はあまり知られていない―視認性の高いラウンドケースのクロノグラフに、ジャック・ホイヤー氏は、命を落とすこともしばしばある危険なこのレースから名前をとったのだ―。時計業界にいる私の偏見かもしれないが、タグ・ホイヤー カレラは、その名を冠したレースイベントよりも今では知名度があると思う。いずれにしても、ドライバー、レース、そしてカレラという名前が舌を巻く様子は、20世紀の最も象徴的な時計の一つとして不滅のものとなっている。

カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディション

 初代カレラは、視認性を重視した控えめなツールウォッチだった。当時製造されていたクロノグラフの中でも最もミニマルなデザインで、当時のドライバーズクロノグラフによく見られた多くの目盛りやトラックを排除している。ホイヤー氏は大学で電気工学を専攻していたが、エンジニアとしての感性を時計にも反映させていた。ジャック・ホイヤー氏の時計は、彼が家族経営の会社の舵取りをする前と後とで明確な違いが見られる。これは、技術機器のディスプレイと文字盤の分析に費やした時間の結果である。

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 クロノグラフを秒単位で瞬時に読み取ることができるのは、スペースを巧みに利用していることと同様に、特徴のひとつにもなっている。例えば、角度のついたカレラのインナーベゼルリングは、文字盤と風防の内側を隔てている。ホイヤーのカレラでは、この部分に秒針と分針の目盛りが印字されている。

 カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションは、1860本が生産される。インスピレーションの基となったRef.2447Sを正確に再現したものではないが、かなり近いものになっており、違いは主にヴィンテージの手巻きバルジュー72ではなく、自動巻きホイヤー02クロノグラフムーブメントを使用している点にある。
 最も明らかなのは、36mmの2447Sに対して39mmというやや大きめのサイズを必要としたこと(本機は、60年代初頭のデザインからインスパイアされた39mmケースに、ホイヤー02を搭載した初めてのモデルではない。ブラックダイヤルの2447NTからインスピレーションを得た2018年のタグ・ホイヤー カレラ ホイヤー02 by Fragment Hiroshi Fujiwaraを覚えている方もいらっしゃるだろう)。さらに、サブダイヤルの配置は、ホイヤー02ムーブメントのデザインにも影響を受けて、2447Sから若干手を加えられている。オリジナルの2447Sでは、12時間カウンターとスモールセコンドの位置が上記のものと入れ替わっているのだ。

 39mmのケースは、現代のクロノグラフとしては最適な直径だと感じる。 カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションは、直径に対して少し厚みがある。下の画像で横から見ていただければお分かりいただけるだろう。私はこのレビューのためにノギスで正確な測定をすることができなかったが、私たちの友人でありHODINKEEの寄稿者でもあるジェフ・スタインは、ホイヤーの愛好家サイトOn The Dashで14.5mmの厚さであることを報告している。私は、プッシャーの存在と角度の付いたラグが手首にフィットするため、この部分を多少緩和していると考えている。

 もちろん、この時計の相対的な厚さが全てではない。カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションは、クラシックなホイヤーのデザインに敬意を表して製造された、現代的な自動巻き自社製コラムホイール クロノグラフである。Cal.ホイヤー02は、80時間のパワーリザーブを備えながら、2万8800振動/時という速度で駆動。下の写真のように、特別なローターが取り付けられている。

 私がこの時計で最も気に入っているのは、現代の自動巻きムーブメントを使用するという制約を考えると、特に2447Sへのオマージュが効果的に表現されている文字盤だ。多くのヴィンテージ時計愛好家が60年代初期のクラシックなカレラに惹かれるような、すっきりとした調和がこのモデルにも感じられる。シンプルで昔ながらのホイヤーロゴやインナーベゼルリングに沿って印字された秒表示に至るまで、初期のカレラの特徴的な要素が全てそこにある。針とインデックスのプロポーションは、オリジナルと比較して若干異なり、より多くの夜光が使用されているように見える(本機では、もちろんスーパールミノバを採用)。

 豪華なアリゲーターストラップとモダンなスティール製のフォールディングクラスプは、カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションには少し贅沢すぎて現代的な感じがする。1963年の発売時、2447は100ドル以下で購入できた時計だ。
 もしストラップと時計の間に亀裂があったとしても、それはとても簡単に修正することができる。この記事のトップにある2447SDのレーシングストラップのように、もう少しヴィンテージ調のものに付け替えたらどんなにクールになるだろうか?

 タグ・ホイヤー カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディションは、古典的なデザインで、すっきりとしたクロノグラフがどんなものであるかを思い出させてくれる時計だ。タキメーターベゼルやその他の目盛りが無いため、普段使いの時計としても最適であるし、ミッドセンチュリーモダンなデザインを好む人だけでなく、ヴィンテージウォッチを愛する方にも楽しんでいただける時計だ。

 私達は、時計も含めて、型にはめたいという衝動(例えばこれはドレスウォッチ、こっちはスポーツウォッチなどと)に駆られることがよくある。しかし、この最新のカレラのリエディションは、厳密に分類するのは難しい部分がある。確かに、モータースポーツのイベントにちなんで名付けられたことは知ってはいるが、オリジナルのカレラはその名が示す以上のものだと思うのだ。

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スペックなどの詳細は、タグ・ホイヤー カレラ 160周年 シルバー 限定エディションの紹介記事をご覧ください。

その他詳細については、タグ・ホイヤー公式サイトへ。