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Talking Watches ESPNスポーツセンターのアンカー、ゲイリー・ストリエフスキーの腕時計遍歴

腕時計とスポーツの親密性については以前から知られていたが、今回はその考えをさらに超越したものとなった。

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毎朝、学校に行く前にテレビの前でスポーツ番組“スポーツセンター(あのジングルが懐かしい)”のハイライトを見るのが日課だった私は、コネチカット州ブリストルのESPN本社で、私がこれまで出会ったなかで最も熱心な時計愛好家のひとりに話を聞くことになると知って大きな衝撃を受けた。しかも彼はなんとそのスポーツセンターの司会者だという。この仕事では夢じゃないかと思う瞬間は数少ないのだが、読者の皆さん、これはそのなかのひとつだ。

A collection of brand-name watches of varying sizes and colors is laid out on a curved black desk

 ゲイリー・ストリエフスキー氏は、ESPNの新星のひとりで、ソーシャルメディアコンテンツの司会者として入局後、すぐに頭角を現し、ESPNの主要番組(もう1度ジングルを)のデスクで司会を務めている。ボストンで野球のスポーツレポーターとして活躍したあと、大リーグのレポーターとして活躍するまでになったストリエフスキー氏は、時計に対する飽くなき野望を持つに至った。どこかの朝、スポーツ中継やキャッチフレーズを見るためではなく、どんな時計を選んで放送しているのかを見るためにチャンネルを合わせるほどだ。

 このエピソードの撮影のため、我々はスポーツセンタースタジオのデスクに座り、目の前にたくさんの時計を広げて話をする機会を得た。彼の話(我々の多くがそうであるように、彼の関心は父親から始まったそうだ)を聞いていると、この界隈がいかに楽しいか、思いを新たにした。ストリエフスキー氏は物事を深刻に考えないタイプで、我々時計コレクターが少々クレイジーであることは知っているが、だからといって、この趣味を1秒1秒楽しむことに余念がない。

 テレビ界で最も優れた新人のひとりが語る、時計にまつわる物語を見たいなら、この番組を見逃す手はない。それではスポーツセ......いや、Talking Watchesのはじまりだ。


セイコー クォーツワールドタイマー Ref.5T52-6A28
A gold Seiko World Timer watch on top of a brown concrete background

 このゴールドトーンのセイコーはゲイリー氏の父親が持っていたものだそうだ。父親は陸軍に所属し、戦車隊長として活躍していたという。ストリエフスキー氏は、父親がこの時計を身につけて帰ってくるのを見て、“僕んちは金持ちだな、だって父さんはゴールドの時計を持っているんだから”と思ったことをはっきりと覚えているという。それ以来、彼はこの時計を増え続けるコレクションの礎とした。そして撮影当日に彼が身につけるのに選んだのがこの時計だった。

Close up of the wrist of a man wearing a gold Seiko World Timer watch

ロレックス サブマリーナー Ref.114060
A Rolex Submariner watch with a black dial and black bezel rests on a textured background

 この時計は、ストリエフスキー氏が初めて購入したロレックスだ。地元の正規代理店に赴き、ノンデイトのサブマリーナーが彼の目に留まったという。ウェイティングリストの列は長いと告げられたものの(周知のとおり)、2週間という短い期間で入荷連絡があった。しかし、この買い物で一番おもしろかったのは購入する前にストリエフスキー氏が父親に電話で相談をしたことだった。


1987年製ロレックス デイデイト
A gold Rolex Day-Date rests on black-and-white striped fabric

 誕生年の腕時計は多くの時計コレクターにとって大きな意味を持つが、それはストリエフスキー氏にとっても同じだった。彼は1987年に販売された金無垢のデイデイトを探し求めていたのだ。彼の35歳の誕生日を祝うために購入したこの特別な時計は、思いもよらない場所で発見された。TikTokである。彼は本当にソーシャルメディアを使いこなしているようだ。


ペアのチープカシオ

 高級時計とカシオのデジタルウォッチがバランスよく配置されたコレクションは、とてもクールだ。後述するように、ストリエフスキー氏はすべての物事をペアで、あるいはトリオで持つのが好きなので、時計ももちろんラバーとメタルの両方が必要だということだ。これらの時計はストリエフスキー氏の子供時代、ディズニーチャンネルのオリジナル映画、『ブリンク!(1988)』を思い出させる。


オリス ロベルト・クレメンテ リミテッドエディション
An Oris Big Crown watch is wrapped around a wooden baseball bat resting on top of a football

 ストリエフスキー氏はスポーツセンターのキャスターとしてスポーツに幅広い知識を持つだけでなく、かつては野球の専門記者も務めた。この時計はロベルト・クレメンテに関するあらゆる統計や史実を語ることができる、ストリエフスキー氏のスポーツへの愛と結びついている。この時計はESPNで野球を取材するオープニングデーにストリエフスキー氏が身につける、まさに特別な時計なのだ。

Baseball player Roberto Clemente at bat

ピッツバーグ・パイレーツの名選手ロベルト・クレメンテ。Photo: Focus on Sport/Getty Images


タイメックス ウィークエンダー ボストン・ウォッチ・ショッツ限定モデル
A Timex watch with a custom logo on the dial featuring a silhouette of a man riding a horse with the words "BOSTON WATCH SHOTS" in red rests on top of a basketball

 ストリエフスキー氏にとって、この時計は単なる時計ではない。このタイメックス ウィークエンダーは彼にとって時計趣味のなかでコミュニティがいかに大きな役割を担っているかを象徴している。ボストン・ウォッチ・ショッツ(BOSTON WATCH SHOTS)はボストンを拠点とする時計コレクターコミュニティで、ストリエフスキー氏はその一員である。時計を愛するという人間的な要素を表現している。


オーデマ ピゲ ロイヤル オーク Ref.15510
An AP Royal Oak watch with a gray dial rests on its side on top of a textured surface

 タイメックスからロイヤル オークまで、このAPはSNSで時計好きの友人を作るとどうなるか、ということを象徴している。その友人とAPブティックを訪れたストリエフスキー氏はロイヤル オークの納品の準備が整ったと連絡を受けた。その決断は簡単なものだっただろう。


ロレックス デイトナ Ref.116500
A Rolex Daytona watch with a white dial rests on top of a red and white fabric

 ESPNでF1番組を担当しているストリエフスキー氏はF1のレースに必ずこの時計を持っていくそうだ。しかしこの時計を購入する前に、NCAAフットボール・ナショナル・チャンピオンシップの試合で伝説のデズモンド・ハワードと一緒に観戦し、その彼がウォッチロールからデイトナを取り出したことがきっかけで、さらにこの趣味の深みにハマったそうだ。


ロレックス GMTマスターII “ペプシ”
A Rolex GMT Pepsi watch rests on top of a red and white fabric

 スポーツセンター出演中にストリエフスキー氏がよくこの時計をつけているのを見かけるが、その特徴的なペプシベゼルですぐにわかる。しかしこの時計にまつわるストーリーは、ほかのGMTと関連していて興味深い。ゲイリー氏がこの時計の入荷連絡を受けて1週間も経たないうちに、次の時計の連絡を受けたそうだ。

Close up of a man wearing a Rolex GMT-Master II Pepsi on his wrist

ロレックス GMTマスターII “ルートビア”
A Rolex GMT Root Beer watch rests on top of a rusty surface

 それがこのルートビア GMTだ。このような時計を2本背中合わせで買うことがいかにクレイジーなことか知るストリエフスキー氏は、それでもこの機会を断れなかった。なぜなら彼はこの2本を所有することに純粋に興味があったからだという。事実、彼はこれらのGMTをよく身につけている。コレクションというのはおもしろいものだ。


ロレックス GMTマスターII “バットマン”
A Rolex GMT Batman watch rests on top of a football

 しかし、3本目のGMTマスターIIであるバットマンは少し毛色が異なる。そして彼が語るところによると、実はこれが彼の最初のGMTだ。ストリエフスキー氏は自分の誕生日にこの時計の購入の話を持ちかけられ、たまたま時計業界で働いているガールフレンドの助けを借りて手に入れた、特別な時計だということだ。


ロレックス サブマリーナー Ref.126610
A Rolex GMT Hulk watch rests on its side on top of a textured surface

 最初のノンデイトのサブマリーナーから、2本目はデイト付きサブマリーナー(件のペアである)を入手した。彼はサイクロップの付いたサブに慣れ、ブラックダイヤルに対するグリーンベゼルのコントラストを実に気に入っているようだ。この時計はストリエフスキー氏の休暇用の時計だ。


ムーンスウォッチ ミッション トゥ ウラヌス(天王星)
A Moonswatch Uranus on a blue Nato strap rests on top of a white textured surface

 こちらもバースデーウォッチだが、それはなんとムーンスウォッチだ! ストリエフスキー氏は誕生日を祝うべくフランスに滞在していたとき、スウォッチストアに足を運んだ。彼はいくつかの選択肢を提示され、NATOストラップが最もクールに映えるという目論見でミッション トゥ ウラヌスに決めたという。彼はまた、この時計にまつわるジョークを披露することを恐れていない。


オリス プロパイロットX キャリバー400 サーモンダイヤル
An Oris ProPilot X Calibre 400 watch with a salmon dial rests on top of black and white fabric

 ストリエフスキー氏はオリスのメジャーリーグとの深い関わりから、長年にわたってオリスの優秀なスタッフたちと親交を深めてきた。パドレスの試合のためにサンディエゴを訪れた際、同ブランドはこの軽量なチタン製のサーモンダイヤルを彼にプレゼントした。それは彼が懐かしく語る思い出であり、よく身につけている時計でもある。


ブライトリング トップタイム リミテッドエディション
A Breitling watch rests on top of a textured surface

 時計を買っては売り、売っては買ったあとにすぐに後悔することがある。このトップタイムLEもそのような事例だった。ストリエフスキー氏はこの時計を手に入れたものの、諸事情により手放した。そしてインターネットを駆使してもう1度探し回り、ついにこの1本を見つけることができたのだ。そして、この宇宙には法則があるものだ。この1本はすぐにコレクションから離れることはないだろう。


ESPNスポーツセンター限定ウォッチ
An ESPN special edition watch rests on top of a textured gray surface

 Talking Watchesはホストが主役ではなく、時計コレクターについて語るものであることは承知している。でも今回はとても親切な時計コレクターが対談相手だった。会話の途中、ストリエフスキー氏は胸ポケットからこの時計を取り出し、プレゼントしてくれたのだ。これは本物のESPNスポーツセンターの時計だ。これは私のコレクションに新しく加わったもので、まさに一生モノだ。ゲイリー、本当にありがとう。