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カメレオン、コンプリケーション、ギャラクシーロレックスなど、ジュネーブ・オークションに出品される大物たち

1日かけて何百本もの時計をプレビューした結果得られた、10本のハイライトを紹介しよう。

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Photos by Mark Kauzlarich

このオークションシーズン中に、ここジュネーブで最も話題になったふたつのロットは、みんなが待ち望んでいるようなものではない。彼らはこれまででいちばん高い見積もり額を出しているわけではないし、少なくとも以下で紹介するほかの主役級と比べれば、控えめな存在だと思う。しかしそれらは博物館でしか見られないようなもので、いわば真の“ほかのものを探したほうがいい(find me another)”時計なのだ。

 クリスティーズ、サザビーズ、フィリップス、アンティコルムの4つのオークションに出品されている最も注目を集めた時計について、ディーラーやコレクター、熱心な参加者に尋ねたところ、私はこの2本のヴィンテージウォッチのことを何度も耳にした。オーデマ ピゲの1943年製コンプリートカレンダー クロノグラフと、パテック フィリップの“カメレオン”(イエローゴールドのブレスレットが変色するトカゲの形に彫刻されていることから名づけられた)だ。この2本の、普通ではないヴィンテージの盛り上がりは、ここ数年のハイプウォッチの隆盛(そして衰退)を経て、誰もが再び本物の時計について語る準備ができていることを示している。

 想像してみてほしい。職人技に基づく希少性、そうヴィンテージが再び重要になるのだ。それでは早速このふたつのロットからはじめて、パテック、ロレックス、そのほかのヴィンテージブランド、インディーズブランドなど、注目の時計を紹介しよう。そしてオークションに出品された現代の時計には黙祷を捧げよう。


オーデマ ピゲ コンプリートカレンダー クロノグラフ
audemars piguet complete calendar chronograph

 まずはフィリップスに出品されている、オーデマ ピゲのコンプリートカレンダー クロノグラフ Ref.831から。オーデマ ピゲのコンプリケーションヴィンテージウォッチは、もはや信じられないほどのレアアイテムで、富裕層のユニークなミッションのようなもだ。1950年以前、APはカレンダー機能を搭載した腕時計を、わずか208本しか製造していない。そのためまったく同じ個体はふたつとないというのが実情だ。そのうち、わずか10本がRef.831(うち8本がYG)と確認されている。

audemars piguet complete calendar chronograph
vintage audemars piguet complete calendar chronograph

 夢のようなこの時計は、まさに私が好きなヴィンテージコンディションを保っている。完璧ではないがきちんとパティーナしている。33mmというコンパクトなサイズに短く太いラグ、文字盤には3種類のトーン(クリームのメインプレートにサーモンカラーのクロノグラフインジケーター、そこに内包されたシルバーのカレンダー部分)があり、それぞれが温かみのある色合いになっている。ブランパンショパールのL.U.C超薄型パーペチュアルカレンダーなど、いわゆるネオヴィンテージのコンプリケーションが好きなことはこれまでも公言してきたが、この時計を身につけると、複雑な本物のヴィンテージウォッチに勝るものはないのだと思い知らされる。それは40年代前半に美しくつくられたゴールドケースにすべての複雑機構を詰め込み、そしてハンドメイドで温かみがあって、さらにパティーナが施された、まさにマイクロメカニカルなマジックなのだ。これに匹敵するものはない。フィリップスの見積もり額は15万~30万スイスフラン(日本円で約2265万円~4525万円)となっているが、それは上回るはずだ。

パテック フィリップ “カメレオン”
patek philippe chameleon

Images: Courtesy of Antiquorum

 パテック フィリップのカメレオンは、APと同様、ヴィンテージの魅力にあふれている。オークションシーズン中、最も話題になるロットのひとつが、1949年の時刻表示のみのジュエリーウォッチだなんて誰が想像できただろう? それくらい、この時計は珍しいのだ。なんとパテック フィリップ・ミュージアムにあるのが唯一の例である。カメレオンをイメージして造形されたYGブレスレットの上に、パテック フィリップの小振り(18mmという小ささだ)な文字盤が納まっていて、つけると手首に巻き付いているようになる。この時計を見るまでのあいだ、カメレオンの希少性と重要性(おそらく最も重要なレディースパテックだと言われているのだ)について、さまざまな専門家が語っているのを耳にしたことがある。万人受けしないデザインだし、同じ爬虫類の仲間であるセルペンティのようなエレガントさはないが、“子供たちを連れてレインフォレストカフェ(熱帯雨林をモチーフに、リアルな動物の鳴き声・匂いが体感できるテーマレストラン)に行こう”というような感覚を持つほど、この時計はとても魅力的だ。ほかのHODINKEEエディターは、雰囲気的に小さな老婦人がつけていそうだと言っていた。でも私の祖母はたとえ家にあの(カフェの)臭いがあったとしてもそれなりに超スタイリッシュだったし、何も悪いことではない。

 アンティコルムはこのカメレオンに5万~10万スイスフラン(日本円で約755万円~1510万円)の見積もり額を出しているが、この時計はほかに1本しかなく、しかもそれがパテック フィリップ・ミュージアムに保管されていることを考えると、この時計の話題性は言うまでもなく、この見積もり額をゆうに超えないことには驚かないだろう。


パテックで締めくくる
patek philippe beyer 3940

 複雑なヴィンテージパテックが、オークションの主役となりうる大半を占めている。すでにノール 2497のことは書いたが、そのなかでもこれは特に興味深い話だ。また1518と2499もある。フィリップスからは、市場に出たばかりのファーストシリーズの2499が、オリジナルのまま修復されていないように見える個体と、クリスティーズからも同じく2499が出ているが、こちらはオリジナルオーナーの家族によってきれいに修復されている。どちらがよりよいか、時間をかけて議論することもできる(ちなみに私は修復されていない文字盤のほうが好きだ。長所も短所も含めて。だがひとつのシーズンに市場に出たばかりのヴィシェ社製ケースを持つ2499が2本も見られるなんて、うれしい限りだ)。ところでフィリップスは、2499の来歴について“ロイヤルファミリー”だと言及しているが、このロイヤルファミリーが君臨している可能性のある家族、国など、どこから来たかについては一切触れていない。慎重なのはわかるがヒントでもいいから情報が欲しい!

 ほかにもミニッツリピーター 3974ブラックダイヤル 570ピンクゴールド 1463など、希少で複雑なパテックについても語ることができる。そのなかでもフィリップスから出品されているファーストシリーズから、ベイヤーの3940に注目したいと思う。コレクターが1518や2499、あるいはヴィンテージパテックの永久カレンダーモデルの細かな違いを区別できるようになったように、永久カレンダー 3940のようなクォーツショック後のリファレンスでも、同じことをし始めたのだ。Ref.3940は、1985年から2007年まで製造された長い歴史を持つ。最も重要なのはチューリッヒのリテーラーであるベイヤーが225周年記念としてつくった最初の25本のモデルである。

patek philippe 3940 beyer first series
patek philippe 3940 beyer first series

 これはパテックにとって、すでに重要な意味を持つリファレンスだ。というのも、これは3970とともにパテックの複雑時計製造はどこにも行かないというフィリップ・スターン(Philippe Stern)氏の意思表明だったからだ。従来の3448、3450のように鋭くてシャープなものから、丸みを帯びたカラトラバ的なものへと永久カレンダーを再考している。またフィリップ・スターン氏が自ら身につけていた時計でもある。あるコレクターが言ったように、“老人にとって十分であるならば、私にとっても十分である”ということだ。

 それだけでなく最初の25本のベイヤー 3940はとにかく素晴らしいのだ。一般的なシルバーダイヤルと比べて、こちらは温かみのあるシャンパーニュダイヤルを採用している。あのAPのようなヴィンテージの複雑時計に匹敵するものはないと言ったが、このシャンパーニュダイヤルはかなりそれに近づいている。さらにこのモデルがよりいいのは、スイス人のオーナーから譲り受けたもので、付属品がほとんど揃っているということ。どれだけ偏屈なコレクターも唸らせるはずだ。10進法の表記が好きなファンのためにお伝えしておくと、このモデル(のシリアル)は“No.10”である。25本あるベイヤー 3940のすべてがそうであるように、文字盤の右側にそう書かれている。フィリップスの見積もり額は、6万~12万スイスフラン(日本円で約910万円~1815万円)。ただスタンダードな3940よりもプレミアムがついて価格は伸び続けており、現在ははるかに高価な時計(サザビーズでは昨年、約40万ドル/日本円で約5390万円 で落札されたものがある)となっている。


ブレゲ トリプルカレンダー クロノグラフ
breguet triple calendar chronograph

 ここまでAPとパテックのカレンダーとクロノグラフについて多くの時間を割いてきたが、このブレゲのトリプルカレンダークロノグラフは、三位一体として提供されるものと同様、神々しくて珍しいものだ。例えばロレックスのジャン・クロード・キリーのような存在であり、それよりも希少価値がある。50年代、60年代、70年代にかけて生産されたスティールモデルのうち、おそらく十数本が発見されていて、これらは特注品だったと推測する意見もある。何はともあれ美しくて希少で、ショーメ兄弟に買収される前のブレゲの時代のヴィンテージウォッチはあまり多くは存在しない。昨年クリスティーズは、同様の時計を17万6400スイスフラン(日本円で約2665万円)で販売している。私はパティーナガイであるため昨年出たダイヤルのほうが好きだが、今週末に出品される12万スイスフラン(日本円で約1815万円)から18万スイスフラン(日本円で約2720万円)という見積もりは妥当なようだ。

vintage breguet triple calendar chronograph

未発売のホワイトゴールド製ヴァシュロン 222

 そうそうブレスレット一体型のスポーツウォッチの存在をほとんど忘れていた。今シーズンちちばんの注目は、WG製のヴァシュロン・コンスタンタン 222だ。そう、これは初めての222である。長いあいだ初代222はゴールド、SS、ツートンの3種類の金属で構成されていると考えられていた。この時計が発見されるまでは。

a white gold vacheron constantin 222

 ヴァシュロンとフィリップスによると、こんなストーリーがあるそうだ。それは80年代のこと、あるクライアントからWGケースでできた222の依頼があり、さらにそれをダイヤモンドなどの宝石で仕上げたいというものだった。ケースの製作が完了したあとクライアントの意向が変わり、このようなユニークでプレーンなWGの222が完成したそうだ。ホールマークがはっきりとわかる、本当にキレイなコンディションを保っている。SS製のスポーツウォッチであるはずのWG(またはプラチナ)バージョンを身につけると、いつも心が溶けてしまうような気持ちになる。この222を手に取ったときにはその気持ちはさらに増幅した。これまで存在すら確認されていなかったバージョンの時計だったから。

vacheron constantin 222 in white gold

 フィリップスはこの222の見積もり額を、10万~20万スイスフラン(日本円で約1515万円~3025万円)としている。私たちはよく価格を類推(これはXの価値があるから、あれはYの価値があるはずだと、この記事でずっとやっていることだ)して判断しているが、このヴァシュロンは比較対象がないほど優れている。ただ本質的に判断するとしたら、時計学的にも歴史的にも興味深く、また希少価値の高さ、重要なメーカー、優れたデザインなど、すべての条件が揃っているといえるだろう。

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ロレックス ギャラクシーダイヤル

 彼氏用と彼女用の完璧なまでのデイトナに入る前に、ロレックスの3針時計のなかで私が特に気に入っているギャラクシー Ref.6098で、銀河の海を少し回り道しよう。

rolex galaxy 6098

 ロレックス ギャラクシーは、最高のモデル名のひとつであることに加え、スポーティでエレガントな時計をつくることができた、私がロレックスで最も好きな時代である50年代から由来している。ここからやがてスポーツウォッチやラグジュアリーウォッチへと進化していくのだ。何も問題はないのだが、でもエベレストにも携行していたリファレンスのハニカムダイヤルに星を入れるなんて、スポーティかつエレガンスなこの時代が好きになる何かがそこにはある。

rolex 6098 galaxy star dial

 ギャラクシーも希少で、6098は約15本しか知られておらず、クリスティーズにあるこのようなYGのものは8本ある。そして見積もり額は10万~20万スイスフラン(日本円で約1515万円~3025万円)だ。そしてフィリップスは昨年、そのうちの1本を17万6000ドル(日本円で約2375万円)で販売したが、2020年に行われたヘリテージオークションでは7万ドル(日本円で約945万1円)未満で落札されるなど、やや目立たない存在となってしまった。


ロレックス “レインボー” デイトナ 6269、6270
rolex daytona 6269

 オークションに出品されているロレックスとは、オークションに出品されているデイトナのことだ。私たちは幸運なことに、ベン(・クライマー)とジョン・メイヤー(John Mayer)氏が行った2回目のTalking Watches記事にて“レインボー デイトナ”と呼んでいた、オリジナルのデイトナペアを手にすることができた。フィリップスはバゲットカットのベゼルを配した6270を、そしてクリスティーズはプリンセスカットされたベゼルを配した6269をそれぞれ所有している。これはオマーンのスルタンが依頼したリファレンスである(クリスティーズのオークションに出品されている時計の数々を提供している人だ)。もちろんダイヤモンドやサファイアといったあらゆるものを備えているが、それでも80年代の本物の4桁ヴィンテージデイトナであり、信頼できるバルジュー727を搭載していることには変わりない。

rolex daytona 6269

クリスティーズのデイトナ 6269。

 「恐らく6270はどちらかというと彼氏用で6269は彼女用だと思います」。メイヤー氏はTalking Watches内でこう語っている。「僕の人生には無縁のものですがね」。私もだよジョン、私もね。6270は8本、6269はおそらく8~10本が市場に流通しているようだ。どちらも見積もりは100万ドル(日本円で約1億3485万円)以上と、最高額に到達している。

rolex daytona 6270
rolex daytona 6270 gold

フィリップスのデイトナ 6270。

rolex daytona 6270 gold

 ヴィンテージウォッチは時に深刻に感じることがある。お互いにダイヤルのマークや製造されたシリーズ、リファレンス番号など、(第三者が聞いたら)理解しがたい言葉をぶつけ合って議論が白熱することがあるのだ。しかしこのふたつの時計を前にするとどんなに頑固なヴィンテージマニアであっても、バゲットカットとプリンセスカットのどちらを選ぶか迷ってしまう人間へと変えてしまい、結局のところ人間って本当に単純なんだということを証明してくれる。そう、もっとシンプルにゴールドだけでいいという人には、サザビーズが出品している6241のジョン・プレイヤー・スペシャルをおすすめしようか。

 ちなみに私はバゲットを選ぶ。クリスティーズで6269を、フィリップスで6270をぜひご覧あれ。


ジュルヌとインディーズブランドはどうなるのか?

 ここ数年、オークション市場で大きな話題を呼んでいるのが独立時計師の時計である。少なくとも本当にいいもの、希少なものに関してはまだ流れが変わっていないようだ。しかし今週開催されるアート・オブ・F.P.ジュルヌ(ジュルヌの作品が39点出品される)により、インディーズの寵児であるジュルヌが独自のステージに立つことになる。これが大きな試金石となりえるようだ。初期の希有なジュルヌのなかには、ブラス製ムーブメントを搭載したものもあるだろう。特にスースクリプション トゥールビヨンレゾナンスは、本格的なジュルヌ愛好家が注目する大作である。

fp journe souscription tourbillon

クリスティーズの“アート・オブ・F.P.ジュルヌ”セールより、F.P.ジュルヌ スースクリプション No.2。

 販売されているほかの多くの時計と同様、スースクリプション トゥールビヨンはここ数年のあいだに公の場に登場(以前European Watch Co.に掲載されていたもの)しており、(場合によっては非常に公的にも)業者がどのような結果を出すのか、大変興味深いところだ。そして一昨年はフィリップスがロイヤル オーク50周年を記念して、ほかのオークションハウスもカタログにロイヤル オークを詰め込んだためロイヤル オークマニアとなったのだが、その直後から市場はロイヤル オーク疲れに見舞われた。同じことがここでも起こりうるのだろうか? このオークションや、より広い意味でのジュルヌの市場はほかの市場よりも小規模ではあるのため、おそらくロイヤル オークほどの大きな影響はないだろう。

 そのほかにもフィリップスからは、80年代にフィリップ・デュフォー(Philippe Dufour)が製作したオーデマ ピゲ初となるグランソヌリとプチソヌリの懐中時計(推定40万~80万スイスフラン/日本円で約6045万円~1億2090万円)を、そして小規模ハウスのイネイチェン(Ineichen)もジュルヌ、ジェンタ、パルミジャーニ、そのほか期待されるビッグネームが揃ったインディーズブランドをテーマとした印象深いオークションを行っていたようだ。

naissance d'Une Montre 2

フィリップスのオークションにかけられたNaissance d'Une Montre 2(時計の誕生)。こちらはグルーベル・フォルセイ(Greuebel Forsey)、ウルベルク(Urwerk)、シラノ・デバンテイ(Cyrano Devanthey)、そしてドミニク・ブッサー(Dominique Busser)の共同プロジェクトによるもので、ムーブメントにそれを証明するサインが入っている。この収益金は時計職人を支援するタイム イオン ファウンデーション(Time Æon Foundation)に寄付される。Image: Courtesy of Phillips


現代の時計を少しだけ

オークションで9万ドル(日本円で約1215万円)のロレックス ハルクが出品される時代はとっくに終わった。3つの販売先に共通して、まだまだ現代的な時計は多いのだが、これらの大量生産された現代的な時計が、なぜか大きな成果を上げていた時代は過ぎ去ったように感じられる。クリスティーズはティファニー 5711を販売の途中で葬ろうともしていた。600万ドル(日本円で約8億825万円)、そして300万ドル(日本円で約4億415万円)で売れた時計が、今では誰が何を知っているのか(260万ドル/日本円で約3億5025万円? それよりも低い?)、今ではまばたきすると見逃してしまうほどのステータスまで落ちている。

 私自身はこの変化を歓迎している。確かにカタログにはまだ多くの現代的な時計が掲載されているし、5万ドル(日本円で約675万円)のSS製ノーチラスが200万ドル(日本円で約2億6955万円)、あるいはそれ以上で売られているのは正気の沙汰とは思えないが、少なくともカタログのすべてを奪っているわけではない。ただ私たちは私たちで、本当に希少で大変興味深く、重要な価値があり、ブレスレットにカメレオンが付いた変な時計へと戻ろうではないか。

 さて主役級の時計をいくつか取り上げたが、明日以降からはジュネーブでの1日のプレビューで気に入ったほかの時計を、Editor's Picksのセクションで紹介していこう。