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我々が知っていること
アーノルド&サンのグローブトロッターは2018年にスティール製で発表されたが、当時はワールドタイムという複雑機構を視覚的にドラマチックに表現した面白いモデルだと思っていた。基本的な機能は従来のワールドタイムと同じで、回転する24時間リングが世界の24の異なる基準都市の時刻を同時に表示するというものだ。しかし、グローブトロッターの24時間リングは固定されており、各地の時刻は、北極上空から見た北半球を示す回転する半球から読み取るという、少し変わった仕組みになっている。時針は独立して設定が可能だ。
初代のスティールモデルと今作には、いくつかの顕著な違いがある。海を表すブルーのラッカーにマザーオブパールのパウダーが使用されていることや、大陸の海岸線にスーパールミノバが使用されていることなどだ(意図的なのかどうかはわからないが、海岸線の生物発光現象を意識したように見える)。また、回転する半球の上部ピボットを固定するブリッジのデザインも変更されている。
発売時には2つのバージョンが用意されている。1つはダイヤル外周がブルーのモデルで88本の限定生産、価格は253万円(税込)。もう一つは、限定品ではないダイヤル外周がホワイトで、価格は239万8000円(税込)だ。どちらのモデルも直径45mmのスティール製ケースで、45時間のパワーリザーブを備えたムーブメントA&S6022を搭載している。
我々が思うこと
私は、古典的に実装されたコティエ式のワールドタイマーを誰よりも高く評価しているが(古典的なものには理由があるのだ)、宇宙の一部を神の目で見たかのように、ある程度再現した複雑機構を持つものはそれだけで魅力的だ。自分が住んでいる大宇宙を手首上の小宇宙として見られることは、自分自身の外に出て、予測可能で合理的な時計仕掛けの宇宙の楽しさを体験するための素晴らしい方法だ。宇宙といっても、最近では『MUSIC OF THE SPHERES』(コールドプレイのアルバム)の楽譜にどれだけのランダム性や不確実性が書き込まれているかがわかっているが。
近年の興味深い傾向として、装飾効果のためにスーパールミノバを使用するケースが増えている(同じく2018年のボヴェ リサイタルでも、この素材がよく似た形で使われていた)。スーパールミノバが使用されるようになりトリチウムが駆逐された当初は、見ための観点でスーパールミノバを使用することに若干の抵抗があったようだが、何十年も使用されているうちに、この素材がかなり長い期間にわたって安定して確実に発光することがはっきりしてきたようだ。
天体観測用のコンプリケーションが好きで、さらに実用的な複雑機構と組み合わせるのが好きなら、このグローブトロッターに勝るものはない(私はプラネタリウムウォッチが大好きだが、正直なところ、火星と水星の位置関係を知ったところで、占星術に興味がない限り、地上生活の現実とはまったく関係がない)。 大きな時計であるのは確かだが、まあ、大きな惑星であるわけなので。
アーノルド&サン グローブトロッター:ステンレススティール製、ケースは45mm x 17.23mm(ドーム型風防の最も高い位置)、両面無反射コーティングが施されたフロントとバックのサファイアクリスタル風防、30mの防水性。
アースドーム、大陸はポリッシュ仕上げ、主要山脈はマット仕上げ、海はブルーラッカーとマザーオブパールパウダーによるハンドペイント、海岸も共通だがスーパールミノバを追加、アッパーブリッジは面取り、ポリッシュ仕上げ、サテン仕上げのスティール製。
ムーブメント、自社製(ラ・ショー=ド=フォンのラ・ジュー・ペレ社、アーノルド&サン社とともにシチズングループが所有)Cal.A&S6022、自動巻き、29石、39mm x 6.55mm、45時間パワーリザーブ、振動数2万8800振動/時。
88本の限定生産、ブルーのアウターダイヤル版 239万8000円、ホワイトのアウターダイヤルの非限定生産版 253万円(すべて税込)。
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さらに詳細を知りたい方は、アーノルド&サン公式サイトへ。
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