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November 28, 2020
November 28, 2020
Hands-On バルチック ビコンパックスを実機レビュー

Hands-On バルチック ビコンパックスを実機レビュー

このネオヴィンテージ クロノグラフは、Kickstarter経由で500ドル以下で売り出された。

 ※本稿は2017年4月にHODINKEE US版で公開された記事の翻訳です。

バルチックは近年、時計界の注目を集めているが、それは正式にKickstarter(アメリカのクラウドファンディング)でキャンペーンが開始される前からのことだった。確かに、一目見て惚れ惚れするところがたくさんある:ステップケースを復刻してヴィンテージテイストを取り入れたことと、クロノグラフにしては非常に手頃な価格(500ドル以下)だということはすぐに分かる。データ上では素晴らしく聞こえるが、実際に時計を手に取ってみることに勝るものはない。近年、このフランスの若いブランドがニューヨークに進出して、私たちが感じたのはまさにこれだった。話題のバルチックの時計を詳しく見てみよう。

Baltic step case

2レジスター仕様と十字線デザインのスモールセコンドが、ステップベゼルのヴィンテージ感にマッチしている。

 新しい時計ブランドとしてスタートすることは簡単ではないが、これまでのところバルチックはかなりうまくいっているようだ。そして、このフランスのスタートアップ企業は、わずか2、3本のプロトタイプにより、なかなか興味深いテイストをもっていることを示した(バルチックの名前にだまされないでほしい。それに地理的な意味はなく、純粋にブランドのデザインに結びついている)。角張った38mmのケースから2レジスターという仕様まで、これらは間違いなくヴィンテージにインスパイアされている。価格設定も非常に魅力的で、時刻表示のみのモデルは300ドル以下、クロノグラフモデルは500ドル以下と発表された。

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 しかし、世の中に数え切れないほどあるクラウドファンディングのプロジェクトの中で、バルチックが実に革新的だったことが1つある。それは、キャンペーンが開始される前からインスタグラムウェブサイト、時計のコミュニティなどを通して、コレクターたちの間で話題になっていたことだ。私がこのブランドを初めて知ったのは、昨年、パリのヴィンテージコレクターたちとのディナーの席でのことだった。この斬新な戦略は、父親のコレクションを発見したときに時計に夢中になったという創業者のプロフィールを考えると、それほど驚くべきことではない。

Notebook Baltic

創業者の父親の時計コレクションを記録したノートには、ブレゲ タイプ20と他の2つのクロノグラフ、イエローゴールドのブローバとスティールのモバードに交換されたことが記されている。今となっては、およそ起こりえないトレードだろう。

 ヴィンテージへの関心は、バルチックにおける時計作りの原動力となり、2015年10月に最初のプロトタイプを開発するに至った。これは、ステップベゼル(ベゼルがケースと作る角度から)という、ロンジンの13ZNなど1940年代のクロノグラフで多く見られるケースデザインからもうかがえる。また、多くの腕時計が34mm以下の大きさだった時代に、それら38mmのクロノグラフは、シャープなラインと相まって、いかに画期的に見えたかがわかる。

 ダイヤルも同じヴィンテージテイストを踏襲しており、最小限のテキストと端正なミニッツトラックで構成されている。クロノグラフのレジスターには、当時流行していた十字線とサンレイ仕上げが施されている。このヴィンテージの雰囲気はデザインだけでなく、ムーブメントの選択においても重要な役割を果たした。クロノグラフは当然、手巻きである。時刻表示のみのモデルにはミヨタの自動巻きCal.821Aが、クロノグラフのモデルにはシーガルの手巻きCal.ST1901が、それぞれ採用された。このような時計のプロジェクトに必要な信頼性と可用性を備えおり、率直に言って、価格面からも必然だった。

Seagull ST1901

トランスパレントバックからは、シーガルのST1901のキャリバーを見ることができる。

 ヴィンテージのインスピレーションについては差別化がしづらいが(2017年にはほぼ全ての有名ブランドが取り入れていたように見えた)、バルチックがターゲットとする価格は、間違いなく最初の人気の大きな要因となった。発売開始を記念して、時刻表示のみのモデルが259ユーロ(約3万2160円)、クロノグラフモデルは399ユーロ(約4万9540円)で提供され、後にそれぞれ299ユーロ(約3万7120円)と479ユーロ(約5万9480円)になったことから、最初の価格は“アーリーバード”と呼ばれた。事前注文の時計の納品は2017年10月で、最終的には、Kickstarter経由でなくてもパリで買えるようになった。パリでの販売が流通契約につながり、現在(2017年当時)、このブランドはフランス国内で10から15の販売拠点を見据えている。

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 バルチックの初期の成功は、そのヴィンテージからインスピレーションを受けたデザインと手頃な価格を考えると、驚くべきことではない(少なくともオリジナルのステップケースモデルと比較するならば)。このプロジェクトのもう1つの好ましい点は、その透明性にある。選ばれたキャリバーは、このケースと共にアジア産と明言されている。また、フランスのブランドとして、この時計がかつてフランス時計産業の中心地として繁栄したブザンソンで組み立てられていることも嬉しい。最後に、パテック フィリップのノーチラスのオリジナルボックスを彷彿とさせるコルク素材を使用したパッケージも素敵だ。

Miyota 821A baltic

時刻表示のみのモデルはステップケースで、ミヨタの自動巻きCal.821Aだ。

 時間表示のみとクロノグラフの2モデルが発売されたが、どちらも同じ38mmのステップケースを採用している(ゴールドメッキのモデルがそれぞれ1種ずつ用意されており、ダイヤルはゴールドトーンだ)。2つのモデルには6種類の文字盤が用意されているため、最終的には12種類のモデルから選ぶことができるが、Kickstarterでのキャンペーン期間中には複数のモデルを組み合わせたパッケージも販売された。いずれもソリッドバックケースだが、トランスパレントバック仕様が、ストレッチゴール達成のインセンティブとして用意された。

 この時計の中で一番気に入ったのは、ブラッククリームのダイヤルにシルバーのインダイヤルが付いたクロノグラフだ。直径38mm、ラグ幅20mmというクラシカルなサイズも快適だが、手首にフィットしたときに違いを感じさせるのは、その厚み(私のノギスでは12mmより少し大きい)だ。これはムーブメントにヴィーナスのCal.175を再現したシーガルのCal.ST1901を採用したためだが、当初検討していたセイコーのCal.NE88よりもはるかに薄いケースを実現できている。

Batlic 38mm step case

オプションで提供されるパーロンストラップを合わせた38mmのステップケース。

 全体的にこの時計は、価格を考えれば非常にしっかりした作りだ。ダイヤルには私がヴィンテージ時計で好きなもの全てが揃っているが、特に2つのインダイヤルには文句のつけようがない。ブランディングはやり過ぎではなく、赤のビコンパックス/マニュアルのラインがブラッククリームのダイヤルに映えている。細かいことを言うなら、2つのインダイヤルは1つの機能しかもたないから、バルチックのクロノグラフは“コンパックス”であって“ビコンパックス”ではないかもしれない。だが、そんなことはどうでもよくなる。

 わずか数時間、この時計を身に着けただけで、なぜインスタグラム上でこれほど人気があり、なぜKickstarterキャンペーンが間違いなく成功するのかが分かる。これはエキサイティングなリリースであり、ヴィンテージウォッチ愛好家だけでなく、私にとっては、ここで述べた全てのことが素晴らしいルックスと共に説得力のある価値提案となっているのだ。

Baltic gold PVD

クロノグラフモデル、時間表示のみのモデル共に、ゴールドPVD加工が施されたケースがある。

 詳細は、バルチックの公式サイトまで。