Introducing ブルガリ　セルペンティ ミステリオーシ ハイジュエリーシークレットウォッチ、新型機械式マイクロキャリバー搭載で登場

LVMH時計部門は、ゼニス、タグ・ホイヤー、ウブロ、ブルガリの新作時計をオンライン展示会「LVMHウォッチウィーク 2022」でリリースする。

　ジュエリーにおける蛇のモチーフは数千年の歴史があるが、時計製造においてはその歴史はずっと浅い。ヘビ型ウォッチはブルガリの得意とするところであり、1940年代にその製造を開始した。セルペンティの "シークレット" ウォッチの登場は、それより少し後になる。1962年、映画『クレオパトラ』の撮影でエリザベス・テイラーが身に着けているところを撮影されたのは有名な話だ。シークレット」は、一見すると時計ではなく豪華なジュエリーのように見えるが、隠されたクラスプやキャッチを押すと時計のムーブメントや文字盤が入った隠しコンパートメントが開くことから、その名が付けられた。

　今朝から開催中のLVMHウォッチウィークで、ブルガリは4つの新しいセルペンティのシークレットウォッチ、セルペンティ ミステリオーシ ハイジュエリーシークレットウォッチを発表した。ご想像の通り、これらは身につけられる華やかなジュエリーだが、ブルガリはこの機会を利用して、わずか12.30mm x 2.50mmの新しい「超小型」機械式ムーブメントも一緒に紹介した。両方向巻き上げ式リューズで手巻きと時刻合わせが可能なキャリバーBVL100だ。

　コレクションには、合計4つの新しいリファレンスがある。103559は、ブラックラッカー仕上げのローズゴールド製ケース。103560は、ホワイトゴールド製ケースにグリーンラッカーが施されている。103558はローズゴールドのケースにダイヤモンドとターコイズブルーのインサート、103561はホワイトゴールドのケースとヘッドにダイヤモンドがセットされている。どの時計も蛇の口のなかに文字盤が隠されており、フォーク状の舌を押して開けるようになっている。

　セルペンティの時計を身につけることは、手首に蛇が巻きついているということだ。フィットする秘密は、極めて複雑なケースの構造にある。ケースは分割して作られ、その後コイル状のブレードスプリングに組みこまれる。それが完成した時計に柔軟性と弾力性を与えているのだ。

　蛇を扱ったことのある人ならわかるだろうが、セルペンティを身に着けたときの感覚は（私も何回か経験した）、生きた蛇が腕に巻きついているような不思議な感覚だ。

　特にシークレットウォッチやハイジュエリーウォッチでは、利便性を優先してクォーツムーブメントが採用されることが多い。そもそも宝飾品のシークレットウォッチはかなり高価なものが多いので、コスト面はあまり考慮されないのが一般的だ。また、実用面でも、シークレットウォッチに使用できるほど小型のムーブメントはほとんどない。最も有名なのは1929年に発売されたジャガー・ルクルトのキャリバー101だろうが、発売当時は14mm×4.8mmという極小サイズだった。私が知る限り、最も小さな丸型ムーブメントはブランパンのキャリバーR550で、直径はわずか11.85mm、1956年に登場した（史上最小の直径のトゥールビヨン・ムーブメントは、ル・ロックルのフリッツ＝アンドレ・ロベール・シャルーによって作られ、1945年に完成したもの。直径19.7mm、ケージ8mmの丸型ムーブメントだった）。 R550の現代版はキャリバー6150で、直径15.7mm、厚さ3.9mmである。

　12.30mm x 2.50mmというサイズによってブルガリがピコリッシモ（極小）キャリバーの世界記録を主張しているわけではないが、現在生産されているムーブメントで、これより小径のラウンド・ムーブメントを私は思いつかない。

　BVL 100は、その（非常に）小さなサイズにもかかわらず、直径5mmの香箱に170mmの長さの主ゼンマイを詰め込むことに成功し、30時間のパワーリザーブを備えている。この時計はレバー脱進機を搭載しているが、（現在では）珍しいサイドレバーの構成になっている。レバーの軸がテンプの支点とガンギ車の支点の間に引かれた線上にある、ほぼ一般的なインラインレバーのデザインとは対照的だ。

　ムーブメントは双方向巻き上げ式リューズで、テンプの慣性を最大限に生かすため、ブルガリはホワイトゴールドで製作することにした。

　ブルガリがこの時計のために、わざわざまったく新しいマイクロキャリバーを設計したことは大いに評価できる。彼らがターゲットとする裕福なブルガリ愛好家たちを見つけるためにそのようなことをする必要はなかったと思う。しかし、ブルガリがより良い機械式ムーブメントを提供し続けようすることは、ハイジュエリー製造と高級時計製造への並々ならぬ関心の表れなのだ。

ブルガリ　セルペンティ ミステリオーシ ハイジュエリー シークレットウォッチ、4つのリファレンス：

ムーブメント、手巻き機械式マイクロムーブメントBVL 100 ピコリッシモキャリバー、直径12.30mm、厚さ2.50mm、重さ1.30g、石数21、部品数102、2万1600振動/時、30時間のパワーリザーブ、ケースバック上のリューズで時刻合わせと巻上げを行う双方向性機能付き。

Ref. 103559、ブラックラッカー仕上げのローズゴールド製 40mm ケース、蛇の目の部分にペアカット・ダイヤモンド 2個（約0.3 カラット）、パヴェダイヤモンドのダイヤル、ブラックラッカー仕上げのローズゴールド製ダブルスパイラル ブレスレット。

Ref. 103560、グリーンラッカー仕上げホワイトゴールド製40mm ケース、ブリリアントカット・ダイヤモンドと目の部分にペアカット・エメラルド2個（約0.4 カラット）、パヴェダイヤモンドのダイヤル、ブリリアントカット・ダイヤモンドをあしらったグリーンラッカー仕上げのホワイトゴールド製ダブルスパイラルブレスレット、計 369 個のダイヤモンド（約 8.35 カラット）｡

Ref. 103558、40mmのローズゴールド製ケースにブリリアントカットダイヤモンドとターコイズのインサート、目の部分にペアカットのルベライト 2 個（約 0.4 カラット）、パヴェダイヤモンドのダイヤル、ダイヤモンドとターコイズのインサートをあしらったローズゴールド製ダブルスパイラル ブレスレット、計 724 個のダイヤモンド（約 18.05 カラット）。

Ref. 103561、40mm のホワイトゴールド製ケースとヘッドにラウンドブリリアントカット・ダイヤモンド 626 個（約 15.83 カラット）、目の部分にペアカットのエメラルド2 個（約 0.4 カラット）、パヴェダイヤモンドのダイヤル、ラウンド ブリリアントカット ダイヤモンドをあしらったイエローゴールド製ダブルスパイラルブレスレット、ラウンド ブリリアントカット ダイヤモンドをあしらったホワイトゴールドのテール、計 795 個のダイヤモンド（約 16.59 カラット）。

価格：
Ref.103559:  1894万9000 円
Ref.103550:  2613万7000 円
Ref.103558:  2875万 円
Ref.03561:  3136万4000 円 （＊すべて税抜予価）