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Introducing オーデマ ピゲ ロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク 新型Cal.7121を搭載した新世代モデル

8年ぶりのオープンワーク“ジャンボ”は、目を見張るものがある。 ※現在、日本ではロイヤル オーク全般の入荷状況未定とのことで、ブティックへの問い合わせよりも時計への理解を深めることに時間を費やそう。


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今年、オーデマ ピゲはロイヤル オークの誕生50周年を迎えた。そして APはこのアニバーサリーを祝う最初のタイムピースを発表した。

※オーデマ ピゲ ロイヤル オークは、その製造工程により生産本数が大幅に増えるような性質のマスプロダクトではない。2022年も続く人気・需要の過熱ぶりにより、残念ながらブティックに問い合わせたからといってチャンスが巡ってくることはないと思われるが、その素晴らしい時計自体の魅力と50年間にわたる豊かな歴史や背景を知り(この記事がオススメだ「オーデマ ピゲ ロイヤル オークの起源について、あなたが知らない8つのこと」)、まずAPを知ることから始めよう。なお、時計の入荷状況は各国ごと、日本でも地域ごとに差があり、現時点で未定とのことだ。

我々が知っていること

オーデマ ピゲがオープンワークで知られていると言うことは、エリック・リペール(Eric Ripert)氏が料理で知られていると言うようなもので、事実ではあるが、それではそれぞれの技巧に対する感動と芸術性を捉えることはできない。オーデマ ピゲの技巧に対する感動と芸術性はロイヤル オーク登場以前からブランドの歴史とアイデンティティに刻み込まれているが、1972年にロイヤル オークが発売されたとき、初期の懐疑的な意見の根拠となっていたのは、APは超薄型で複雑、そしてオープンワークの時計で知られているというものだった。ロイヤル オークのようなスティール製のずんぐりむっくりした時計を作ってどうするのだ、と。

Openworked Jumbo Royal Oak, 2014

2014年のロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク。

 だが実際はどうかと言うと、まったくありがたいことに、APはロイヤル オークの文脈でもオープンワークをうまく扱うことができるということだ。同社はオリジナルのジャンボ用Cal.2121(2014年にここで見たもの)をはじめ、永久カレンダートゥールビヨン、そして(私のお気に入りの)ダブル バランスホイールをオープンワーク化してきたのだ。今年、ロイヤル オーク50周年記念の一環として、APは新しいジャンボ、Ref.16202を発表し、新しい超薄型のCal.7121を搭載した。この新しいムーブメントは、従来のCal.2121よりもほんの少し厚くなっている(Cal.7121は3.2mm、Cal.2121は3.05mm)。新しいジャンボに加え、APはCal.7124を搭載した極めて洗練されたロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワークも発表しているが、デイト機能がないため、さらに薄く、Cal.7124の厚さはわずか2.7mmだ。

Jumbo openworked in steel.

スティール製のロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク。

 Ref.16204ST.OO.1240ST.01(SS製)、Ref.16204OR.OO.1240OR.01(18Kピンクゴールド製)のふたつが用意され、ケースサイズは39mm×8.1mmと、オープンワークではないRef.16202と同じ。ムーブメントのスペックも厚さ(29.6mm×2.7mm、パワーリザーブは57時間)以外は同じだ。発売時の価格はSS製のRef.16204ST.OO.1240ST.01が1039万5000円、18KPG製のRef.16204OR.OO.1240OR.01は1358万5000円(ともに税込)となる予定だ。

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我々が思うこと

先ほども言ったのだが、APは前からやっているのだ。ジャンボは1972年のRef.5402以来続いており、初のオープンワークのロイヤル オークは1981年の(多くの人にとって)長く忘れられていたペンダントモデル(Ref.5710BA)で、最初のオープンワークのジャンボは1992年のワンオフモデル(Ref.14811)だった。2000年までさまざまなデザインでごく少量生産され、その後は2010年に、そして2012年と2014年にも再登場した。

 本当に高品質なオープンワークは最近では希少な存在で、理由はその難しさが昔から変わらないからだ。オープンワークのムーブメントを作るには、ふたつの方法がある。ひとつは、例えばカルティエのサントス ドゥ カルティエ スケルトンのように、最初からオープンワークを施したムーブメントを設計する方法。もうひとつは、既存のムーブメントを利用してプレートとブリッジをオープンワークにする方法だ。従来は、ピアス用のヤスリや宝石用のこぎりを使ってムーブメントの機能を致命的に損なうことなく、できるだけ多くの金属を除去することが課題だった。

steel and pink gold versions of the 2022 Jumbo Openworked

 現在では放電加工機で不要な金属を除去することができるが、それでも最終的な仕上げは手作業で行わなければならない。ムーブメントにオープンワーク加工を施すには面取りや角、側面がいくつも追加されることになり、それが決して簡単なことではないことがわかると思う。Ref.16204の正確なプロセスはまだわからないが、APはわざわざ標準のムーブメントプレートに穴を開けるのではなく、別のトッププレートをイチから加工したのかもしれない。その方がデザインのコントロールがしやすいため、これはある意味、理にかなっていると思う(軸や受け石の位置を変えることはできないため、やはり基本となるキャリバーの範囲内で作業しなければならない)。しかし、その場合でも余分な金属の処理についての指摘は変わらない。

Dial closeup, rose gold version of the Jumbo Openworked

 私はCal.2121/20に非常に強い感傷を抱いており、現在エリザベス・キューブラー・ロスの悲しみの5段階でいうところの否定の段階(怒り、交渉、落ち込み、受容と続く)に入っているところだ。とはいえ、実のところ、1967年からずっと我々とともにあり、永遠に続くものなどないことは知っている。Cal.7121は(私に言わせれば)より仕事熱心だが、より魅力的ではない。私の推測では製造コストが低く、製造工程が少なく、整備が簡単で、概して気を使わなくてよく、技術的には間違いなくCal.2121に勝っているが、私はCal.2121の昔ながらの魅力が恋しいのだ。

 だが、Cal.7121はオープンワークムーブメントとして輝いている。特に底板(ダイヤル側。時計用語ではムーブメントの裏側を上、ダイヤル側を下というが、これはムーブメントを加工するときの位置によるため)は実に美しくスケルトナイズされており、一連の半円、ループ、カーブ、そして完全な円形で構成され、ムーブメントの作動部品を見事にフレーム化して視界が遮られることはほぼないのである。

Movement side, rose gold Jumbo openworked, showing winding rotor

 この時計で唯一不満なのは50周年記念ローターだ。50周年を記念した時計のひとつとして作られたものだということは理解できるが、“50”の文字が…、申し訳ないが、ほかのデザインと調和していないように感じるのだ。そして、この時計の文脈で言えることは、この時計を腕につけた状態では少なくともそれを見ることはできないということである。だが、完全にミスマッチというわけではない。Cal.7124のトッププレートのムーブメント構造はかなり角ばっており、ローターカットアウトの形状と同様にかなり角度がある。だが、頭では理解しているものの、どうしてもインディカーのサイドにある何かのようなデザインに見えてしまうのだ(インディカーとスケルトンウォッチの両方のファンならわかっていただけると思うが、バグではなくこれはおそらくこの時計の特徴なのだろう)。

 どちらのバージョンもそれ以外は非常にエレガントで、どちらかを選ぶのは難しいだろう。スティールモデルは…まあ、スティールのジャンボなのだが、素直に認めよう、スティールモデルがジャンボの正統版で、これ以外のものはこのテーマのバリエーションという感じだ。一方で、ピンクゴールドモデルには深みとドラマがある。スレートグレーの地板とゴールドのムーブメントパーツのコントラストがたまらないのだ。もちろん、セットで手に入れたい方はお好きにどうぞ。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク 39mm:ケースは39mm×8.1mm、18KPGまたはSS。ムーブメントは自動巻きCal.7124、29.6mm×2.7mm、31石、2万8800振動/時で作動、最小保証パワーリザーブは57時間。価格はSS製のRef.16204ST.OO.1240ST.01が1039万5000円、18KPG製のRef.16204OR.OO.1240OR.01は1358万5000円(ともに税込)。

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HODINKEE Shopではロイヤル オークの中古品を取り扱っており、現在のセレクションはこちらからご覧いただけます。新作の詳細については、オーデマ ピゲ公式サイトをご覧ください。