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Introducing ジェラルド・ジェンタからジェンティッシマ ウルサンが登場

ウニにインスパイアされたこれらの時計は、新たに復活したジェラルド・ジェンタブランドがファッションに関連した何かを創り出すための意図的な動きなのか?

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我々が知っていること

昨年、ジェラルド・ジェンタブランドは、ミシェル・ナバス(Michel Navas)氏とエンリコ・バルバシーニ(Enrico Barbasini)氏によって設立された高級ムーブメント製造会社、ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンのもと再始動した。新しい指揮のもと作られた最初の時計は、Only Watch 2023のためのユニークピースであった。今日はGG(ジェラルド・ジェンタ)復活の第2弾である、ジェンティッシマ ウルサンを紹介する。

 ジェラルド・ジェンタは、家族旅行で訪れたコルシカ島をあとに、フランス語でウニを意味するウルサン(Oursin)を初めてスケッチした。その棘のある球状の外観は、ビーズで飾られた凸面の円形ケースとして、1994年に時計の形として表現・具現化された。

1994年のウルサンのガッシュ画。Image: Courtesy of Louis Vuitton. 

 2024年の(ジェンティッシマ)ウルサンには、3つのバリエーションがある。いずれも凸面のチタンケースに、223個のビーズを放射状に広がるよう配置している。装飾ビーズ/スタッズは個別にネジ留めされ、ホワイトゴールド、ピンクゴールド&ダイヤモンド、またはイエローゴールドなど、下地のチタンとは対照的な素材で飾っている。まずはWGバージョンから。これはアンスラサイトグレーのギヨシェダイヤルを持ち、ポリッシュ仕上げのラウンドWGケースビーズをあしらっている。

 次にPGバージョンは、オパールセントピンクのマザー・オブ・パールギヨシェダイヤルとダイヤモンドで装飾され、その華やかさが一層際立っている。トリオの3本目は、マットブラックDLCコーティングされたチタンケースから、突き出すようなYGのスパイクビーズが装飾され、シンプルで滑らかなブラックダイヤルを特徴としつつも、アナーキーなデザインを生き生きと表現している。3本すべてダイヤル中央には、ファセットカットを施した風防が反射することで八角形が現れる。このデザインはヴィンテージジェンタのデザインでおなじみのクリスタルのような構造になっている。また採用されたバトン針も、ヴィンテージジェンタへのオマージュをほうふつとさせる。

Punk Gentissima Oursin

 ジェラルド・ジェンタ ジェンティッシマ ウルサンは、デザインのインスピレーションとして90年代を反映しており、さらにサイズも90年代風である。直径36.5mmで、時計サイズのなかでは小振りに位置する。ただしこれは汎用性と装着性を求めるなら理にかなっている。それにバランスの問題もある。時計ケースにダイヤモンドやスタッズが主な装飾として使われる場合、小振りなほうがエレガントな印象を与えるかもしれない。小さいスタッズが付いたモデルは、楽しくジュエリーのようなアクセサリーのオーラを放つ一方で、大きなスタッズが付いたモデルは、より派手で攻撃的な印象を与えるだろう。

Diamond Gentissima Oursin

 新型ウルサンは、自動巻きのCal.GG-005を搭載する。これはル・ロックルの高級時計マニュファクチュールによる高性能ムーブメントである、ゼニス エリートをベースにしている。このエリートはウルサンのためにカスタマイズされたもので、ローターを八角形に再設計し、ローターの周辺部分にはレリーフビーズを彫刻した。ちなみにエリートは1994年の初代ウルサンとほぼ同時期に発表されている。


我々の考え

2011年に亡くなったジェンタは、自身がデザインしたロイヤル オークとノーチラスが巻き起こした狂騒を目の当たりにすることはなかった。彼は20世紀の最も重要なステンレススティール製スポーツウォッチデザインの発明者として高く評価されているが、ジェンタが時計製造に果たした功績は、これらSSの遺産だけにとどまらない。ジェンタブランドのグランドソヌリ、ミニッツリピーター、永久カレンダーは、クォーツ危機後の時計業界の軌跡において同じくらい貴重で、信じられないほど複雑な時計デザインなのだ。

Anthracite Gray Gentissima Oursin

 90年代のジェンタは、少なくとも私のなかではポストモダンのデザイナーであった。ポストモダンというのは、彼が伝統的なスイスの時計製造を、異常に風変わりに、ときには派手で、多くを装飾的な外観に再構成していたという意味である。機能に従う形というモダニストの信条や、デザインにおける究極の“真実”を追求するという考えは消え去っていた。

 ジェンタの芸術的な足跡は、彼のスポーツウォッチデザインほど世界的に認知されていないかもしれない。彼の芸術を商業的遺産から切り離すことは非常に重要であると、昨年話をした彼の妻イヴリン・ジェンタ(Evelyn Genta)氏は述べている。“彼は時計職人や時計製造者というよりも、まずアーティストでした”と彼女は語った。“ロイヤル オークやノーチラスだけで彼を覚えていてほしくない”。したがって、GGブランドの次の進化として、少し風変わりな一面を持つものを発表するのは当然なのだ。

Punk Gentissima Oursin

 率直に言って、新しいジェンティッシマ ウルサンのデザインを初めて見たときには少し驚いた。私のアクセサリーに対する強迫的な嗜好を、瞬時にピーター・ミュリエ(Peter Mulier)氏によるアライアと、いまやファッション業界で広く知られるラインストーンとスタッズが施されたバレエシューズへと駆り立てた。スタッズといえば、通常70年代と80年代のパンクシーンを体現したアナーコパンクや反抗的で(現実に)幻滅したイギリスの若者を連想させるが、今日ではスタッズはファッション最前線のシンボルとなっている。ロエベやケイトのようなファッションハウスも、スタッズを用いた服やアクセサリーのトレンドに乗っている。エルメスはメドールやコリエドシアンのアクセサリーで、常にスタッズに忠実であった。

 ピーター・ミュリエ氏と手を組みアライアブランドを変革したのは、まったくの偶然なのだろうか? それとも新たに復活したジェラルド・ジェンタブランドが、ファッションに隣接した何かを創り出すための意図的な動きなのだろうか? 確かにこれらの時計がインスピレーションを得た90年代のオリジナルデザインは、コルシカ島のウニに対する時計の賛辞だった。しかしいまは2024年であり、商業的な成功は厳しい現実である。

Pink gold and diamond Gentissima Oursin

 ジェンティッシマ ウルサンは間違いなく、ジェンタの奇妙で風変わりな時計デザインへの愛を体現している。そしてファッションとの類似が意図的かどうかに関わらず、そのタイミングは絶妙である。


基本情報

ブランド: ジェラルド・ジェンタ(Gérald Genta)
モデル名: ジェンティッシマ ウルサン(Gentissima Oursin)

直径: 36.5mm
厚さ: 9.6mm
ケース素材: グレード5チタンとホワイトゴールド、グレード5チタンとピンクゴールド&ダイヤモンド、DLCコーティングを施したグレード5チタンとイエローゴールド
文字盤: アンスラサイトグレー、ピンク、ブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: アンスラサイトカーフスキン、ピンクカーフスキン、ブラックアリゲーター


ムーブメント情報

キャリバー: GG-005
機能: 時・分
直径: 25.6mm
厚さ: 3.65mm
パワーリザーブ: 約50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 27


価格 & 発売時期

価格: グレーモデルは2万2000スイスフラン(日本円で約384万6000円)、ピンクモデルは3万2000スイスフラン(日本円で約559万5000円)、ブラックモデルは2万5000スイスフラン(日本円で約437万円)

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ジェラルド・ジェンタはLVMHグループの一員です。LVMH Luxury VenturesはHODINKEEの少数株主ですが、編集上の独立性は完全に保たれています。