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Introducing ハミルトン イントラマティック クロノグラフ H 2021年新作(編集部撮り下ろし)

機械式ムーブメントを搭載した、60年代を彷彿とさせるクロノ。

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クイック解説

 ハリウッドの時計として知られているハミルトンは、最近では価値の高い、手巻きのヴィンテージ風ウォッチの代名詞となった。もちろん、人気の高いカーキ フィールド メカニカルや、よりニッチな(だが、同様にクールな)カーキ パイロット パイオニア メカニカルなどもある。しかし、これらの時計はどちらも時間のみを表示するもので、すなわち、複雑機構は搭載されていない。

 しかし、ハミルトンは手巻き時計に新たなモデルを投入することで変化をもたらした。イントラマティック クロノグラフ Hだ。このモデルは、ヴィンテージウォッチにインスパイアされた機械式クロノグラフで、ハミルトンの機械式時計のラインナップを拡大した。そして、このモデルは、どこか60年代の雰囲気を感じさせる。

ファースト・インプレッション

 カーキコレクションがミリタリーフィールドウォッチのエッセンスを取り入れているのに対し、イントラマティックコレクションは明らかにミッドセンチュリー風で、ドン・ドレイパー(60年代のNYが舞台のTVシリーズの主人公)が住むマンハッタンの独身男性の部屋(ステップフロアのリビングルームがあるような)にぴったりだ。だからこそ、新しいイントラマティック クロノグラフHが、ハミルトンの歴史的なモデルをベースにしていることを知って納得した。1968年に発表されたクロノグラフ Aとクロノグラフ Bだ。

 手巻きのスポーツクロノグラフは、多くの意味で典型的な時計であり、この新モデルには多くの魅力がある。まず、コントラストがはっきりしたダイヤル(“パンダ”はホワイト、“リバースパンダ”はブラック)を採用し、視認性を高めている。どちらの色もダイヤルはマットで、同心円状に配置されたインダイヤルによく映えている。これらが40mmの使いやすいケースに収めてられているのだ。

 フェイクパティーナ(夜光塗料を塗布して新しい部分を古びたように見せること)の使用については何とでも言えるが、ハミルトンはこの分野で十分な経験があり、嫌われる理由はないと思う。タンカラーの夜光がいい感じに見える。昔のラジウムダイヤルの時計を彷彿とさせるし、この外観を得るために数十年待つ必要がないのだ。それは見た目の美しさという点からも、両タイプのダイヤルに温かみを加えている。もうひとつのヴィンテージ効果は、メタルモデルによく表れている。ボックス型のサファイアクリスタルだ。ダイヤルの縁にあるタキメーターの目盛りを歪曲して見せる効果がある。

 イントラマティックの他のモデルと同様に、このモデルにもハミルトンのロゴと、イタリック体で描かれた昔のハミルトン表記が採用されている。ダイヤルのバリエーションによって、ストラップかメッシュブレスレットのどちらかが付属している。

 ケースの厚さについて話そう。イントラマティックコレクションは、クロノグラフモデルを除き、比較的スリムなミッドセンチュリースタイルの時計で知られている。このモデルも14.35mmとスリムではないが、特にボックス型のサファイアを考慮すると、それは歴然としている。この厚さは、時計を横向きに持ったときに最もよく分かるが、頑丈な空飛ぶ円盤のようだ。手首に装着すると、ラグの角度が下向きになっていることもあって、この厚さはずっと目立たなくなる。私は、この時計が12mmの厚さなら絶対的なホームランになると思っている。それでも幸いなことに“全体は部分の総和に勝り”、私たちは着実なツーベースヒットを得ることができた。

 この時計は、ハミルトンがH-51と呼んでいるムーブメント(ベースはETAの7753)を採用している。時刻表示のみの機械式モデルには、ハミルトンのH-50というムーブメントが使われる。これは、ご存じのように、機械式の手巻きムーブメントだ。60時間のパワーリザーブと2万8800/時の振動数を備え、それらがレトロなスタイルのハミルトンロゴと表記が刻印されたポリッシュ仕上げの堅牢なケースバックに収められている。

 さて、ハミルトンがなぜフルポリッシュのケースを採用したのか、それはイントラマティック全シリーズに共通しているからだと思われる。また、私は普段サテン仕上げの推奨しているが、このモデルではポリッシュ仕上げがうまく機能しており、フラットなマットダイヤルとのバランスも取れていると思う。

 全体的に、これは時計愛好家のための時計だ。多くのヴィンテージデザインの要素を採用しており、機械的な魅力にも溢れている。ケースの高さにもかかわらず、40mmという絶妙なサイズ感で腕によく馴染む、実にハンサムな時計だ。手巻きのクロノグラフを探しているが、スピードマスターまでの予算は出せないという人に、ハミルトンは素晴らしい選択肢を提供してくれた。

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基本情報

ブランド: ハミルトン(Hamilton)
モデル名: イントラマティック クロノグラフ H(Intra-Matic Chronograph H)
型番: H38429730(ブラックダイヤル&ホワイトインダイヤル、ブラックカーフレザーストラップ)、H38429130(ブラックダイヤル&ホワイトインダイヤル、ステンレススティールメッシュブレスレット)、H38429710(ホワイトダイヤル&ブラックインダイヤル、ブラックカーフレザーストラップ)、H38429110(ホワイトダイヤル&ブラックインダイヤル、SSメッシュブレスレット)

直径: 40mm
厚さ: 14.35mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラックダイヤル&ホワイトインダイヤル or ホワイトダイヤル&ブラックインダイヤル
インデックス: アプライドバー
夜光: 時分針とバーインデックス外側にベージュのスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブラックカーフレザーストラップ or SSメッシュブレスレット


ムーブメント情報

キャリバー: H-51(ベースはETAの7753)
機能: 時・分表示、9時位置にスモールセコンド、クロノグラフ(センターにクロノグラフ秒針、3時位置に30分積算計 )
直径: 30.4mm
厚さ: 7.285mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25


価格・発売時期

価格: 24万1000円(ブラックカーフレザーストラップモデル)/25万1000円(SSメッシュブレスレットモデル)。全て税抜。
販売時期: 発売中
限定:  通常ライン

詳細は、ハミルトン公式サイトをクリック。

写真:カシア・ミルトン