Introducing ローラン・フェリエ × フィリップス　オマージュⅡ 2021年新作

　40mm径のスティール製ケースにサテン仕上げのフラットなベゼルを組み合わせたオマージュⅡは、40年代のスポーツウォッチのエッセンスとエレガンスを見事に再現している。ブラックが16本、シルバーと“パウダーピンク”のコンビネーションダイヤルが16本、合計32本しか製造されない。どちらもセクターダイヤルで6時位置にスモールセコンド、アラビア数字のアワースケールが描かれている。ブラックダイヤルはルミナス針を採用したスポーティなデザイン、ピンクダイヤルはブルースティール針を採用したクラシカルなデザインとなっている。

　ローラン・フェリエの作品ではムーブメントも見逃せない。オマージュⅡでは美しいダイヤルの下に手巻きムーブメント Cal.LF 116.01を搭載している。80時間のパワーリザーブと2万1600振動/時の振動数を誇るこのキャリバーは時刻表示のみのレイアウトで、シースルーバックからその美しい眺めを楽しむことができる。

　32本のうち数本はすでにフィリップスの顧客に販売済みだが、残りはフィリップス パーペチュアル ブティック（ECサイト）にて3万2000スイスフラン（約397万円）で販売される。

　と言うか、カジュアルでありながらエレガントなデイリーウォッチであり、業界で最も優れた独立系企業の1つによって極めて短い供給期間で製造されているのだ。文句のあろうはずがない。秋にふさわしいスエードストラップが取り付けられたオマージュⅡは、いずれのバージョンもケース、ダイヤル、リューズがそれぞれ異なるパーツで構成されたパーツスペシフィックなモデルだ。ロゴマークもフィリップスのために完全にカスタマイズされている。

　オマージュⅡは、ヴィンテージにインスパイアされたデザインにどのようにアプローチすべきかを示す優れたケーススタディでもある。本作はヴィンテージウォッチの美的感覚を再現することを目的としたデザインではなく、当時の時計のフォーマットや感触を再現することを目指している。つまり、フェイクパティーナというよりもデザインによるタイムトラベルのようなものだ。新しい時計でありながら、オリジナルの魅力を引き出すことができる。そう、文字通りオマージュのようなものだ。

　確かに極めて数が少なく、すでに完売しているかもしれないし値段も高い（※10/22時点ですでに完売）。だが、我々HODINKEEはローラン・フェリエの作品のファンであり、この時計は彼らが注目すべきブランドであることを示す好例となっている。

ブランド： ローラン・フェリエ × フィリップス（Laurent Ferrier × Phillips in Association with Bacs & Russo）
モデル名： オマージュⅡ

直径： 40mm
ケース素材： スティール
文字盤色： ブラック、もしくはパウダーピンク
インデックス： プリント
ストラップ/ブレスレット： スエードレザーストラップ

キャリバー： ローラン・フェリエ LF 116.01
機能： 時・分表示、スモールセコンド
直径： 31.6mm
厚さ： 4.35mm
パワーリザーブ： 80時間
巻き上げ方式： 手巻き
振動数： 2万1600振動/時（3Hz）
石数： 21
部品点数： 150

価格： 3万2000スイスフラン（約397万円）
発売： フィリップス パーペチュアル ブティックにて
限定： 32本限定（各ダイヤル16本ずつ）