Introducing ウブロ　クラシック・フュージョン クルズ＝ディエズ コレクション

　ウブロ　クラシック・フュージョンの最新作が、2019年8月に95歳で他界した芸術家 カルロス・クルズ＝ディエズからインスパイアされて色彩豊かに誕生した。クルズ＝ディエズは70年間にわたり「色彩は固定的・完全に既知のものではなく、状況的なものである」という概念を追求したことで知られている。彼の解釈によると、色彩は流動的なものであるという。

　クルズ＝ディエズは作品にさまざまな媒体を使用して光のインスタレーションや絵画、彫刻を制作した。目の錯覚を探求した60年代のオプ・アート運動の先駆者であり、とりわけ静的な画像が生み出す動きという概念に取り組んだ。1965年には「クロノサチュレーション」シリーズの最初の作品を制作。この作品で鑑賞者は、赤、緑、青の蛍光灯をびっしり並べたいくつもの展示室を移動する。基本にあるのは各展示室の作品（というより、鑑賞者の解釈）は、光の存在により劇的に変化するという考え方だ。一つの展示室から別の展示室に移動するたびに鑑賞者の目に光の残像が残り次第に消えていくが、鑑賞者の目がどのぐらいの時間をかけて新しい光の状態に慣れるかによって作品の見え方は変わってくるのだ。

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　クラシック・フュージョンの新作はこうした色彩の非恒久性や流動性という概念をモチーフにしている。クラシック・フュージョンの文字盤はクルズ＝ディエズ1964年の作品「クロノインターフェレンス」をウブロ式に解釈したもの。それぞれがCal.MHUB1100.Hで動く独立した2枚の円盤から成っており、このカラフルな円盤が時間の経過に沿って動くようになっている。模様は時間の流れと共に変化して文字盤の見え方は全く違うものになる。正にクルスディエスが常に扱っていたコンセプトだが、ウブロはこの概念を従来の媒体から同社の代表モデルの文字盤に持ち込むことに成功した。このモデルには3タイプの素材（セラミック、チタン、キングゴールド）があり、いずれも2サイズ（ケースサイズ38mmと45mm）で展開される。

　アートバーゼル・マイアミで行われたこの時計の発表会で、カルリートス・クルズ＝ディエズ氏と会い、彼の父親の功績やクルズ＝ディエズが生涯にわたり手がけた色彩の探求が、ウブロの時計に応用されたことについて語る機会があった。会話の中でカルリートス氏は、この時計の製作過程で腕時計業界とアート業界は全く異なることを知ったと語っていた。どちらの業界も細部へのこだわり、職人技、感性を極めて重視しているが、アプローチは全く別物だという。アート収集は常に感性に基づく活動として行われてきたが、趣味としての腕時計の普及（とそれに伴い生まれる業界）は比較的新しい。
　歴史的に見ると、多くの小規模メーカーを除けば、時計作りは産業と見なされていた。当時のゴールは大概の場合、芸術作品ではなく精度の高い道具を製造することだった。このクラシック・フュージョンの実現には、その源泉となったクルズ＝ディエズへの敬意を表す必要がある一方で、ウブロの製造能力の限界内で作るという条件もある。そのためこのクルズ＝ディエズモデルは同社のコレクション内で異色のポジションを占めている。

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　この時計の長針は文字盤の外側のステップに、単身は内側のステップに対応していて、針の動きに伴い模様の描かれた円盤も動いていき、それにつれ万華鏡のような視覚効果が現れる。クルズ＝ディエズが展示室でやったこと、それは絵画や彫刻の前でただ立ち止まって一つの視点から「静観」していた鑑賞という行動を「動的」なものにしたことだ。彼は鑑賞者が室内を移動するに従って、その芸術作品の見え方が変化するようにした。腕時計は本来、静的なものだ。時刻なんか気にもとめずに腕時計を眺めていた、という経験のある人もいるだろう。しかしこのウブロに関しては、クルズ＝ディエズ哲学の動的な側面が間違いなく表現されている。文字盤の見た目は厳密にいえば毎秒変わっている。人間の目にはそれと分からないが、数分も待てば変化は明らかだ。ただしもちろん抜け道はあって、時刻を設定することでもこの幻視を体験できる。

ブランド：ウブロ（Hublot）
モデル名：クラシック・フュージョン クルズ＝ディエズ（Classic Fusion Cruz-Diez）
 型番：511.CX.8900.VR.CZD19 （セラミック）511.NX.8900.VR.CZD19（チタン）511.OX.8900.VR.CZD19（キングゴールド）

直径：45mmおよび38mmモデル
 厚さ：10.45mm（45mm）10.25mm（38mm）
 ケース素材：セラミック、チタン、キングゴールド
 文字盤色：マルチカラー
 防水性能：50M
 ストラップ／ブレスレッ：ブラックラバーおよびカーフストラップ

キャリバー：MHUB1100.H3
 機構：時、分、秒表示
 パワーリザーブ：42時間
 巻き上げ方式：自動巻き
 振動数：4Hz（2万8800振動/時）
 石数：21

価格：
 45mm
セラミック CHF 12,300（約137万円）
チタン CHF 10,300（約115万円）
キングゴールド CHF 25,300（約283万円）
 38mm
セラミック CHF 10,900（約122万円）
チタン CHF 9,300（約104万円）
キングゴールド CHF 19,900（約223万円）
 販売時期：ブティック限定
 限定：合計300本、チタン125本、キングゴールド50本、ブラックセラミック125本

詳細についてはウブロ公式サイトへ。