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March 06, 2021
Hands-On IWC ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42 2020年新作を実機レビュー

Hands-On IWC ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42 2020年新作を実機レビュー

良いものが、(より)小さなパッケージで登場。

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私には、特定の機構から連想する時計メーカーがいくつかある。それは、創業者の発明と密接に結びついているからということもある。例えば、ブレゲとトゥールビヨンがそうだ。あるいは、ある特定の複雑機構がその時計メーカーのそれぞれのコレクションに遍在し、様々なラインに登場するため、心の中に消えないイメージを残しているからかもしれない。

 私は時計に興味をもち始めて以来、IWCといえば永久カレンダー、特に20世紀後半に発表された非常に重要な永久カレンダーを連想してきた。IWCのごく最近の歴史の大部分は、永久カレンダーが深く関わっている。80年代には、伝説的な時計師であるクルト・クラウスによって開発された、腕時計用のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフが発表された。同氏は、この複雑機構を実現するためのエレガントな方法を考案した。バルジュー7750にIWCの永久カレンダーを搭載し、リューズ操作でカレンダーを進めることができるようにしたのだ。

 それから何年もの時を経て、永久カレンダーは、シャフハウゼンを拠点とする同社の定番となり、いくつかのコレクションにも登場している。この複雑機構を、パイロットウォッチやインヂュニア、アクアタイマーに搭載するメリットについては、議論の余地はあるかもしれないが、個人的には、重厚で大きめサイズのポルトギーゼに永久カレンダーはよく合っているように思う。これは、スイス-フランスのブランドが支配する時計の風景の中で、ある種のドイツ的な重厚さとエレガントな耐久性を持ち合わせた時計コレクションである。
 そして、IWCから新たな永久カレンダーが登場した。小型のムーブメントを搭載することで、このポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダーは一層の着けやすさを実現している。

 新作は、2つのゴールドモデルと1つのステンレスモデルの全3種類で登場。今日は、その全てを詳しくご紹介していく。シルバーメッキの文字盤を備えた2つのバージョンは、IWCの中核を担うコレクションの一部であり、ブルー文字盤を備えた2つめのゴールドモデル(以下の写真)は、ブティック限定となる。

 ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42がこれまでのポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダーと違う点は、Cal.82000シリーズのムーブメントを搭載したことだ。ムーブメントが小径化されたことで、ケースを小さくできると同時に、ディスプレイレイアウトも従来のものとは異なっている。

 これまで12時位置には、ムーンフェイズ(北半球と南半球両方の月の満ち欠けを表示するダブルムーンフェイズ)が配置されていた。しかし、ムーンフェイズを月表示と統合するために6時位置に移行されている。日付は3時の同じ位置のサブダイヤルにあるが、今回パワーリザーブ表示は省かれている。前バージョンの4桁の年表示は、はるかに小さなうるう年表示となり、2月がもう1日あるかどうかを知らせる。
 全体的なレイアウトはシンプル、クラシカルで視認性が高くなっており、これまでのIWCらしいパーペチュアルカレンダーの特徴が少し失われたようにも感じるが、見た目は素晴らしいと思う。しかし、IWCは、上部に"月"を配した、7日間パワーリザーブをもつ大型の永久カレンダーを止めたわけではない。今年のポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダーには、従来のクラシックデザインを踏襲した44.2mmのブティック限定モデルも存在する。

 ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42は、その名のとおり少し大きめのモデルで、直径42.4mm、厚さは13.8mmと決して小さな時計ではない。IWCに期待していた通り、この時計はタフでしっかりとした着け心地をもち、ケースはかなり厚みがあるものの重くはなく、ラグの形状からは重心の安定性を重視して設計されていることが感じられる。特に時計の厚さが14mm近くになるとこういった点は重要である。厚みのある自動巻き時計を着けたことがある人ならば、手首の上でグラグラするような感覚を経験したことがあるかもしれないが、この時計はそうではない。

 Cal.52610は、IWCの高品質な自社製自動巻きキャリバーの特徴を備えている。最も顕著なのは、プローブス スカフージア刻印を備えたカスタムローターである。IWCが得意とする高効率のペラトン巻き上げ方式も搭載されており、さらに耐摩耗性に優れたセラミックパーツも使われている。2万8800振動/時で駆動する本ムーブメントは、60時間のパワーリザーブだが、これは自動巻きであることを考えると十分である。しかし、他の多くの永久カレンダー同様に表示の設定を自分で行いたくはないため、巻き上げ効率が優先されるべきだろう。いちいち自分で設定しなければならないのであれば、それは永久カレンダーの本来の目的を達成しないということだ。本キャリバーは、夜間に1回のインパルスでカレンダー機構を進める。

 今年は、IWCがポルトギーゼのラインナップを徹底的に刷新した年となった。そんな本年に登場したこの永久カレンダーには、今週初めにご紹介したフラグシップモデルの40mm自動巻きモデル(詳しくは、IWC ポルトギーゼ・オートマティック 40の実機レビューを参照)を特徴づける要素の多くが、盛り込まれている。アプライドのアラビア数字インデックス、レイルウェイトラックのチャプターリング、エレガントなリーフ針、そしてもちろん重厚感のある丸みを帯びたケースだ。リューズもケースの割にはやや大きく、これは初期のポルトギーゼの起源となった手巻きの懐中時計からくるものかもしれない。

 新作の永久カレンダーが登場したものの、現在も前バージョンの生産が継続されることや、40mmの自動巻きが登場しつつも42.33mmサイズの7日間パワーリザーブ自動巻きモデルが継続されることを考えると、IWCが新サイズの導入を試みているということが分かる。これは、時計愛好家の方―特に定期的にHODINKEEを読んでいるような方々―がIWCに求めていたものではないだろうか。これは賢明な判断だと思う。いずれにせよIWCが180°方向転換しようとしているわけではないし、全く違ったことをしようしているわけではないのだ。
 彼らは新曲をいくつかも書いているが、今後もヒット曲を連発していくのだろう。

新作のスペック等の詳細は、「IWC ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42 2020年新作」をご覧ください。

その他詳細は、IWC公式サイトをご覧ください。

写真: ティファニー・ウェイド(Tiffany Wade)