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Hands-On タグ・ホイヤー カレラ グラスボックスからパンダ文字盤とブレスレットを備えた新作が登場

ヘリテージとモダンさが同居する、新たなカレラが誕生した。

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昨年、タグ・ホイヤーの新しいカレラ “グラスボックス”と1週間を過ごしたときに、ひとつだけ言い忘れていたことがある。それは、このカレラがブレスレットであれば、もしくは少なくとも選択肢としてブレスレットがあればなおよかったということだ。

 私たちはいま、ブレスレットの新作カレラを目にしている。グラスボックスのラインナップに新たに加わったこのモデルは、ヴィンテージのカレラ Ref.7753SNを参照しながらも、第2世代の39mm径グラスボックスケースにアップデートしたものだ。昨年のグラスボックスに対しって特に多く寄せられた批判のいくつかに対処することで、このモデルを進化させるというブランドの姿勢が示されている。カレラ グラスボックスのコレクションで、私はこれが一番好きかもしれない(まあ、本当の一番はゴールドなのだが)

TAG Heuer Carrera glassbox panda

 新しいカレラ グラスボックス(Ref.CBS2216.BA0041)は、昨年のブラックとブルー文字盤のモデルに採用されていた直径39mm × 厚さ13.86mm(ラグからラグまでは46mm)のステンレススティール製ケースを採用している。以前にも触れたようにラグが少し短く感じられるが、これは手首にコンパクトに収まるということでもある。文字盤はサンレイシルバーでブラックのインダイヤルを持ち、針、クロノ針の先端、ミニッツトラックにはレッドのアクセントが施されている。

TAG Heuer Carrera glassbox panda
TAG Heuer Carrera glassbox panda

 カレラ グラスボックスの内部には、自社製のCal.TH20-00が搭載されている。このCal.TH20-00は2万8800振動/時で駆動し、80時間のパワーリザーブを誇る、高性能な自動巻きクロノグラフムーブメントだ。この新しいブレスレットモデルにおいても、ムーブメントのスペックはこの価格では頭ひとつ抜けている。Cal.TH20-00は、タグ・ホイヤーが2017年に発表した自社製ムーブメント、ホイヤー02の後継機だ。コラムホイールと垂直クラッチ機構を搭載し、まさにラグジュアリーな自社製クロノグラフムーブメントに求められるものを備えている。同ムーブメントは、サファイアのシースルーバックから見ることができる。このインダストリアルな仕上げにはあまり目を引かれないが、コラムホイール(要するにクロノグラフ機構のオン・オフスイッチ)が動いているさまはいつ見ても楽しい。

TAG Heuer Carrera glassbox panda

 グラスボックスが私の手首にどうフィットするかについては、これまでにも長々と書いて語ってきた。コンパクトでつけやすく、スロープのついた文字盤は、1週間つけているうちに奇抜なものから説得力のあるものへと変化していった。

 昨年にタグ・ホイヤーはブルーとブラック文字盤のグラスボックスを発表したが、この2本を分類するのはとても簡単だった。ブルーはモダンで、ブラックはヘリテージインスパイアだ。しかし、今年のパンダはこのふたつの要素をうまく融合させたことで、昨年のブルーとブラックを凌駕しているように見える。Ref.7753SN パンダのヴィンテージインスピレーションを受け継ぎながら、ほんの少し現代的な要素を取り入れている。6時位置の控えめなランニングセコンドとカットアウトデイトについては今ひとつピンとこないが、赤のアクセントは私好みだ。

 グラスボックスのもっとも奇妙な特徴といえば、背の高いサファイアクリスタルを埋めるように傾斜した凹状の文字盤だろう。しかし、この新バージョンはタキメーターをブラックにすることで、その傾斜を緩和する視覚効果を与えている。これはデザイン的に素晴らしい選択だと思うし、昨年のどちらのモデルよりも優れた文字盤に仕上がっている。

TAG Heuer Carrera glassbox panda

 シンプルな3連リンクのブレスレットは全面サテン仕上げ。フォールディングクラスプはポリッシュ仕上げで、ふたつのプッシュボタンで開く。つけ心地は快適で、手首を優しく包み込む。Hコマと半コマがあるため、適切なフィット感を見つけるのは簡単だろう。このブレスレットデザインは、3針のカレラ デイトに見られるのと同じものだ。

 カレラには良質なブレスレットがふさわしい。ヴィンテージのホイヤー カレラの多くは美しいゲイ・フレアー製ブレスレットを装着して世に送り出されていたため、そのオプションが少なくともカタログに掲載されていないのはいささか不十分な気がしていた。3連ブレスレットのスタイルはグラスボックスにぴったりだと思うが、私はタグ・ホイヤーがカレラのフラッグシップたるクロノグラフのためにゲイ・フレアーブレスレットの伝統に真摯に取り組み、何か新しいものを生み出すのを見たかったのだ。

 とはいえ、タグ・ホイヤーは、ブレスレットの新しいパンダカレラの価格を83万6000円(税込)としており、これは日本円ではストラップモデルの86万3500円(税込)をわずかに下回っている(スイスフランではブレスモデルが6500スイスフラン、ストラップモデルが6450スイスフラン)。革新的で新しいブレスレットではないが、タグ・ホイヤーもまた、高額な請求をしているわけではない。

 ヘリテージにインスパイアされた新しい文字盤とブレスレットが追加されたことで、タグ・ホイヤーはカレラ グラスボックスをブランドのフラッグシップにするという決意を示しているように見える。これはコレクションの力強い前進であり、今後の展開が楽しみだ。

タグ・ホイヤー(TAG Heuer) カレラ グラスボックス Ref.CBS2216.BA0041のサイズは直径39mm × 厚さ13.86mm(ラグからラグまでは46mm)で防水性能は100m。3連リンクのステンレススティール製ブレスレットが装着されている。価格は83万6000円(税込)。